お客様名 | 社会福祉法人 美芳会 |
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業種 | 小売・サービス業 |
企業規模 | 500人以下 |
目的・課題 | ワークスタイル変革 , Microsoft 365 を利用した働き方改革推進 , クラウドを活用した業務プロセスの改善と自動化 , クラウド活用 |
キーワード | 業務効率化 , Microsoft Teams , Microsoft 365(Office 365/EMS) |
返送までのリードタイムや契約再締結による書類管理の煩雑さを解消
社会福祉法人 美芳会は、1996年2月に法人認可・登記され、特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、ショートステイ、デイサービス、居宅介護支援事業所、地域包括支援センターなど、静岡県富士市東部を中心に高齢者向けの介護サービス事業を展開している。
同法人では、2015年から Microsoft 365 を導入し、法人内の会議の9割は Microsoft Teams(以下、Teams)を利用するなど ICT の利活用に積極的に取り組んでいる。そのなかで、入所者とその家族(以下、入所者)との契約締結やコロナ禍で求められる柔軟な対応、行政の実地指導で必要となる提出書類の管理・保管などの業務における効率化やリスク軽減のために ICT 活用を考え、紙で行っていた業務の電子化を検討するに至った。
「入所者様の契約締結は、ご本人様、ご家族様と当法人の三者間で取り交わします。利用開始時だけでなく介護保険制度の改正や、事業継続計画に関する文言追加など、さまざまな理由から、1年に3、4回契約を取り交わす場合もあり書類が煩雑になります。そして、コロナ禍での移動制限で来所による契約締結が困難になる場面が増えてきたこともあり、効率よく柔軟な対応ができるよう選択肢を広げることを考えました。さらに、紙書類での契約締結の場合、三者間で郵送を伴うと契約締結まで約12日ほど要することや、入所者様が書類を紛失された場合に再発行するケースもあり、時間がかかることを課題として感じていました」(大塚氏)
行政の実地指導においては、同法人はサービス事業と併設事業の合計13ほどが対象となるため毎年2、3回実施されるという。必要となる契約書類を出庫するなどの対応や、管理・保管の負荷が大きい状況だった。
Microsoft Teams との連携、シームレスに使用できる点が決め手
電子契約の導入に向けて情報収集を行っていたところ、ネットニュースにあがっていた SBテクノロジー(以下、SBT)のプレスリリースが目に留まり、『クラウドサイン for Microsoft Teams』が最有力候補となった。
「SBT とクラウドサインを提供する弁護士ドットコムとの共同開発で『クラウドサイン for Microsoft Teams』を北海道の自治体が実証実験しているという記事を読みました。クラウドサインの導入においては、Teams と連携できることを必須条件としていたので、すぐに SBT に提案を依頼しました。SBT 以外のベンダーで Teams と連携して提供している企業がないこと、日本マイクロソフト株式会社のパートナー企業であり、Microsoft 365 や Teams の理解が深いベンダーであるという信頼感から、ベンダーとサービスの採用を決めました」(大塚氏)
2021年7月に SBT へ資料請求を行い、同年10月の利用開始を目指し、プロジェクトを開始。
そして、入所のための契約書のほか、 SBT からの提案を受け、職員の入社雇用契約や、毎年締結が必要となる『労働条件通知書』の配布、そして給与明細の電子化など、活用範囲を広げることになった。
「導入までの流れについては、利用が開始したら、いわゆる“一人ヘルプデスク”として職員からの問い合わせやトラブルに対応していくことを想定していたので、最低限の理解を深めるためにも、基本的に導入に関する細かい説明は受けずに、各種設定を自ら行いました。説明資料も分かりやすく、営業担当からの情報提供も迅速で、トラブルもなく順調に進み、予定通り10月に利用開始することができました」(大塚氏)
クラウドサインとの連携により、社内業務を Teams に集約して効率化
『クラウドサイン for Microsoft Teams』は情報収集によって知ることになった一方、クラウドサイン単体では前職で利用したことがある経緯から候補にあがっていた。
「クラウドサインは、インターフェースが直感的に使いやすい印象があり、法人内での導入を検討していましたが、Teams と連携しなければ導入は難しいと考えていました。Teams 以外の別のアプリケーションを業務の度に立ち上げる必要があると、パフォーマンスが落ちることを懸念していたためです。しかし、連携できることを知ってからは『クラウドサイン for Microsoft Teams』一択でした」(大塚氏)
法人内での Teams 利用も定着し、今後も業務オペレーションの改善や効率化のため、社内業務の Teams への集約を目指している。
「入所者様の契約締結においては、契約書の PDF と宛先のメールアドレスを担当者から Teams 上で受け取り、送信は私が行っています。電子サイン完了後、返送された契約書がファイルサーバーに格納されると、担当者にチャットで自動通知が届く設定になっています。職員同士で伝言が必要となることを自動化できることで、効率化を図れています」(大塚氏)
電子化により社内業務の効率化、リードタイム短縮やリスク軽減などの効果が現れる
同法人では『クラウドサイン for Microsoft Teams』を職員との雇用契約や給与明細、入所者との契約締結に活用している。
職員の給与明細では、全職員160名のうち、150名が電子化への変更を受諾。これまで大塚氏と人事職員数名で行っていた150名分の印刷・押印・封入作業がなくなることで、毎月約4時間の業務時間削減となっている。雇用契約書においても『労働条件通知書』の配布、リマインド対応にかかる時間が約8時間削減となる。
「雇用契約書の電子化においては、行政の実地指導のための事業所ごとの仕分け作業も不要になりました。サーバーに書類が保管されているので、倉庫から取り出してくる業務も不要となるなど、業務負荷軽減に役立っています。今後は保管していたスペースを、災害時のご高齢者の受け入れ拠点や備蓄保管場所などとして、有効活用していきます」(大塚氏)
入所者との電子契約による締結においては、介護業界にとって先進的な取り組みであることから、電子契約を利用するハードルが下がるような環境作りに取り組んだ。
「入所されるご本人様、ご家族様ともにご高齢の方が多くいらっしゃるので、テレビ会議での面会を導入し、まずはデジタルデバイスや遠隔によるコミュニケーションという選択肢にメリットを感じていただけるように取り組みました。これに理解を示された入所者様には今回の電子契約をご利用いただいています。今後も従来の郵送での締結も選択肢に残しながら、電子契約を推進してしていきたいと思います。また、紙の書類で郵送した場合には、締結完了までに平均約12日かかっていましたが、電子契約なら約2日で完了という大きな効果もありました。電子であれば、契約書の紛失や汚れ・破損の心配もなく、再郵送も不要なので時間短縮とリスク回避にも繋がりました」(大塚氏)
現在、入所者との電子契約は、2回目以降の再締結で利用しているが、今後は入所開始時の契約締結での利用に拡大するととも、利用者数を増やすなどに取り組んでいく予定だという。
「現在の入所者様は300名ほどいらっしゃいます。電子契約いただける方が多ければ多いほどリードタイムの短縮などの効果は大きいので、より多くの方に活用いただけるよう、今後も一つ一つ丁寧に説明し、取り組んでいこうと考えています」(大塚氏)
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