お客様名 | 高砂熱学工業株式会社 |
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業種 | 建設・住宅・不動産業 |
企業規模 | 1001人~5000人 |
目的・課題 | ワークスタイル変革 , 業務プロセス効率化(営業系) , データ活用によるフィードバックループの実現 |
キーワード | 業務効率化 , Dynamics 365 , CRM・SFA |
顧客情報や営業活動内容の属人化により、引き継ぎや情報連携が困難
高砂熱学工業は、1923年創業以来、あらゆる用途の建物に対し、空調設備の設計・施工を中心に、ライフサイクル全体を見据えたトータルなソリューションを提供している。また、これまで永年の実績で培ってきた省エネ・熱利用技術を基盤に、地球にやさしい快適な環境を創造する「環境クリエイター」として、脱炭素・サステナブル社会の実現に寄与する技術・サービスの創出に取り組んでいる。
同社では、2014年から営業力強化を目的として「営業変革」のプロジェクトを進めている。営業活動の手順や確認すべき事項などのマニュアル化、分析ツールの作成、組織的な業務効率化や営業力強化に向けた施策を多角的に取り組んでおり、顧客との会話や提案のための時間の創出や、属人的スキルを見える化して全体品質を向上する、いわゆる「営業戦略の高度化」の実現を目指してきた。そのなかで課題となったのが、顧客との関係性や営業活動の履歴情報が属人化しており、異動などの際に引き継ぎが困難になっていたことだったという。また、全国に支社を持つ顧客に対して横断的に営業活動を行う際に、都度各拠点の営業担当者を調べ、電話やメールで連絡を取り情報連携をしていたため、時間と手間がかかってしまうことも「営業変革」の妨げとなっていた。
「建設業の営業活動にとって技術力や実績の訴求は当然必要ですが、長期に渡り培われてきたお客様との関係性も重要です。当社では、営業担当者の転勤や退職などの際に、これまで築き上げてきた信頼関係や人脈、取引履歴なども含めた顧客の情報を引き継いでいけるようになることが、最も優先して取り組むべき課題でした」(久保田氏)
これらの課題を解決し、顧客との関係性強化、営業業務の効率化による負荷軽減および、営業現場のチーム力強化を図るため、同社では2019年に CRM システムの導入に向けて検討を開始した。
Microsoft 365 との親和性、柔軟なカスタマイズ性が採用の決め手
CRM システムを選定するにあたり、顧客の情報や営業活動の履歴、物件や建物の情報が一元管理できることを要件としていた。また、営業案件のプロセス管理や、会議等で使う資料のシステム化も要件に含めることにしたが、何よりも高砂熱学工業の業務に合わせることができる CRM であるかが重要であった。
同社はコンサルティング会社と協力し、CRM 導入に必要な要件をまとめた RFI を作成、複数のベンダーに展開した。その中で、以前から利用している Microsoft 365 と親和性が高い『Dynamics 365』も検討に加えることになり、以前 Microsoft 365 の導入に携わった SBテクノロジー(以下、SBT)へも提案依頼を行うことになった。
「比較検討した他社のシステムは、機能は豊富でしたが、当社の業務に合わせたカスタマイズができませんでした。一方、SBT が提案する『Dynamics 365』は、柔軟なカスタマイズが可能であることが当社の要件と合致しており、なおかつすでに導入していた Microsoft 365 との親和性も高いため、予定表やメールとの連携、アカウント管理の容易性を考慮し導入を決定しました」(菊地氏)
業務内容や課題を深く理解した提案から、導入後の保守対応まで評価
自社の業務にあわせた CRM の導入を目指していた高砂熱学工業では、RFI に機能要件のほか営業本部の業務内容を詳細に記載していたが、業務内容の理解度において SBT は他社を圧倒していたという。
「SBT は膨大なページ数の RFI を読み込み、営業本部の課題や業務内容をより深くまで理解した提案で、当社からの質問に対しても的確な回答であった点を評価し、採用を決定しました」(菊地氏)
導入プロジェクトを開始したのは2019年7月のこと。初期のアセスメントフェーズにおいて、SBT は要件整理とあわせて実現イメージを実際の画面を用いて説明を行ったことで、その後の工程で大幅な手戻りがなく進めることができ、当初の予定よりも2ヶ月早い2020年7月に、3支店の主要ユーザーを対象にパイロット展開をスタートさせた。その後、2ヶ月間のトライアルを経て、3支店の全営業担当者に展開、2021年1月には全拠点(東京本店および9支店)での利用を開始している。
導入後には SBT が利用定着の支援も担当し、利用開始に伴う説明会に向けて、取扱説明書や利用イメージ動画を用意。保守に関しては、現在も週に1回の定例ミーティングで要望などをヒアリングし、改善活動を行っている。
「『Dynamics 365』の社内展開にあたり、SBT には多くの取扱説明書や利用イメージ動画を作成してもらいました。導入後の保守対応では、定例ミーティングで出た要望に対してスピード感をもって機能改善をしてもらっていますし、またユーザー目線での意見や改善提案もあるため、信頼感に繋がっています」(菊地氏)
顧客情報や営業活動内容を蓄積することは、お客様との歩みを知ることができる“企業の財産”
日々の活動を『Dynamics 365』に入力し、営業担当者の活動内容や深耕状況の情報を蓄積・一元化し、見える化する仕組みができあがったことで、引き継ぎ時や、拠点間とのスムーズな情報共有・連携を実現した。また、営業担当者からの報告に対して上司から指示やアドバイスなども行っており、営業担当者自身が登録してメリットを感じられるツールとなっている。さらに各拠点の営業活動が“見える化”されたことで、営業担当者同士の刺激になることを相乗効果として期待しているという。
「実際に『Dynamics 365』の利用を開始してから、登録した営業活動履歴を見た別支店の同じ顧客担当者から問い合わせがありました。従来は、担当者を探すことに時間がかかっていたので、スムーズに横の連携が取れたことを実感しました」(木村氏)
現在は各拠点に展開リーダーを設け、営業統括部と展開リーダーとの間で月に2回の定例ミーティングを実施している。その中で想定していなかった副次的効果として、既存の業務を『Dynamics 365』上で実現したいという要望が持ち上がるなど、ユーザー同士で積極的な意見交換や議論が交わされるようになったという。
「『Dynamics 365』の活用により、営業担当者の業務が効率化され業務負荷が軽減されることで、顧客について“考える”ための時間が増えていくのではないかと考えています。当初の目的であった、営業戦略の高度化にも繋がることを期待しています」(畠山氏)
同社は今後、営業活動で得られた情報を技術部門へ共有することで顧客対応の質を向上できると考え、技術部門へも『Dynamics 365』の閲覧権限を付与する予定だ。さらに新たな機能リリースや改善、利用促進のための教育も継続的に行っていく。
「今後情報を蓄積していくことで、お客様と当社の間にどのような歩みがあったのかは『Dynamics 365』を見れば分かるようになる、というのが一番の楽しみでもあります。お客様との繋がりや、どのような話をしてきたのか、お客様のある担当の方の応援があってこの仕事が受注できたのだという情報を残し、当社の財産になっていくことを願っています」(久保田氏)
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