SB テクノロジー CX ユニットの児玉です。
UI / UX 関連のニュースを見ているとサイトやアプリの UI 刷新というニュースをよく見かけます。時にはサービスの UI を刷新してユーザーから不満の声が上がっているという話題も少なくありません。なぜ、多くのサービスが UI 刷新を実施するのでしょうか。デザイナーの私が最近ニュースを見て思うことをお伝えいたします。この記事を通して UI/UX についての新しい視点を増やしていただければ幸いです。
まず、そもそも UI 刷新とは何でしょうか。UI
刷新というとボタンの位置とかナビゲーションが変わった、という印象を持つかもしれませんが大きく見た目の印象も変更される場合がありますのでデザインリニューアルという言葉が UI
刷新に変わったと考えていただいて問題ありません。理由としてはデザインという言葉が広義なため、デザインより狭義な UI
という言葉が浸透してきたためと考えられます。
私も特に何をしたというわけではありませんが、昔は Web デザイナーで今は UI デザイナーという肩書になるようです。Web
という言葉もかなり意味合いが広いですね。
では私の年代的に馴染みある言葉のデザインリニューアルとして考えます。デザインリニューアルの効果は陳腐化したデザイン、古いテイストのデザインを今のトレンドに合わせて改変するという目的でよく語られます。
しかし、テクノロジーが進歩しデータに基づいたマーケティング施策が策定される昨今、闇雲に今のトレンドと思われるデザインに変更するのは得策ではありません。いやいや、うちのサイトは古臭いから新しいデザインにしたい!という場合であっても、ただデザインを変更しただけでは予算ばかり膨れ変更後に何か違う、こんなはずではなかった、と考えてしまう可能性が高いです。
何か施策を実施する前は、現状の課題を捉えることが大事です。例えば車が走らないときにとりあえずタイヤを交換してみるか、という方は少ないのではないでしょうか。まず、何故車が走らないのか、タイヤに問題があるのか、ガソリンはあるか、エンジンは不調ではないかと原因を探っていくかと思います。
Web
サイトであれば、お問い合わせが少ないのか、コンテンツは足りているか、古い記事はないか、そもそもあまり見られてないのではないか、と原因を調査したうえで、それに対する施策を検討します。つまり正確に課題を抽出できなければ、無意味な施策を実施してしまう可能性が高いということです。そう考えると施策のひとつである
UI 刷新の前の課題抽出も同様に大切なのだということがわかっていただけるかと思います。
ではどのように課題抽出を実施すればよいのでしょうか。これに関して多くの人が試行錯誤し、多くのフレームワークが開発されています。4C 分析、SWOT
分析、5W1H、MECE、ヒューリスティック調査、ペルソナ、カスタマージャーニーマップなど挙げていくときりがありません。
また、アクセス解析ツールで多くの情報が取得できるためこれらのフレームワークはさらに正確性を増しているといえます。昔はこれほど多くのフレームワークは浸透していなかったですし、アクセス解析ツールも今ほど高性能ではありませんでしたので、ある程度、人の感覚にもとづく仮説から
UI 刷新を実施していたと言えます。ということは、これらのフレームワークやアクセス解析ツールを有効活用しないで UI 刷新をするということは昔の古いやり方で UI
刷新するということになります。ぜひフレームワークを活用したいところです。
しかし、突然フレームワークを使用して課題抽出しなさい、と言われても学習コストや実施の手間など考えると難しいところかと思います。手前味噌になりますが、弊社ではヒューリスティック調査を実施しています。弊社のヒューリスティック調査はアクセス解析も実施し、定性定量の両面から評価する多角的なスコアリングと課題抽出を行います。
では、なぜ UI 刷新のニュースが多いのでしょうか。前述しました通りフレームワークやアクセス解析ツールの充実で課題抽出、仮説立案が比較的容易になったことと、アクセス解析ツールの性能向上や
CDP などの充実で結果がわかるまでの期間がかなり短縮されたことが挙げられるかと思います。
また多くの会社が高性能な CMS や MA
ツールを導入しており施策の実施スピードも上がっています。課題抽出、仮説立案、施策実施、結果評価、このサイクルを速く回せるため施策実施の回数が全体的に増えていると考えられます。結果として UI
刷新が施策として実施される回数も増え、UI 刷新がニュースとして取り上げられる機会が多くなっていることがひとつの要因かと思います。
実は世界的に大手コンサルティング企業や IT
企業がデザインエージェンシーを買収している動きがあるのをご存知でしょうか。ポジティブに見ればデザイナーの価値が上がっているという見方もできますが、前述のようなサイクルを速く回すためには UI
デザイナーの役務を内製化する必要性があるという見方もできます。
施策ごとに外部ベンダーに制作をお願いする場合、案件インプットや予算、スケジュール調整などコミュニケーションコストが馬鹿にならずなかなかスピード感をもった運用は難しいです。そうはいっても
UI デザイン領域を内製できる体制を構築するのも予算と時間が必要です。そこで、弊社では継続的なコンテンツ運用支援をご提案させていただいており、UI
デザイン領域の役務を内製化に近い形でご支援することが可能です。こちらも是非お問い合わせいただけますと幸いです。
いかがだったでしょうか。Web サイトを改善するアプローチが日進月歩で進化していることを感じていただけたのではないかと思います。
CX
ユニットでは記事内にありましたヒューリスティック調査、コンテンツ運用のご支援をしておりますのでご検討いただけますと幸いです。また、一緒に働いていただける方も募集しておりますのでこちらも興味がある方はお問い合わせいただけますと幸いです。
ご相談がありましたら、是非お問い合わせください。
関連ページ |