SB テクノロジー CX ユニットの児玉です。
UI / UX が重要視され始めた要因のひとつに情報のタッチポイントが増えたことが挙げられます。スマホは情報のタッチポイントのひとつでありますが、普及率は PC を超え、しかもスマホユーザーの1日の平均利用時間は2時間から3時間というタッチポイントの多くの部分を占めるデバイスとなっています。
そのため、UI / UX
のトレンドを知るために、スマホアプリの成功事例を調査することが多いかと思います。しかし、実際に使用して確かめる時間はなかなか持てない方も多いのではないでしょうか。この記事では成功事例として話題のアプリを実際に使用して、評価される理由をより深くお伝えできればと思います。
まずは、清涼飲料水自動販売機に UX で革命をおこした「Coke ON」です。多くの記事では「Coke ON」対応の自動販売機で清涼飲料水を買うたびにスタンプがたまり15個たまると無料で清涼飲料水1本と交換できます。キャンペーンに参加してスタンプを集めることもできます。」と紹介されています。
実際にアプリをインストールして立ち上げるとコカ・コーラ社関連の広告やキャンペーン情報が表示され賑やかな印象を受け、高揚感があります。ちょっと操作してみるとスタンプ機能だけでなく清涼飲料水のサブスクリプションサービスや
IC カード、「Coke ON」専用の決済サービス「Coke ON Pay」などが存在することがわかります。このアプリを起点としてヘビーユーザーを満足させる仕掛けが多く評価が高いのもうなずけます。
実際に使用しているときに自動販売機の前でスマホアプリを立ち上げている方をちらほら見かけました。おそらく「Coke ON」を立ち上げているのだろうと思います。
毎日、缶コーヒーを飲む習慣がある、営業回りの途中などにジュース、お茶を買うことが度々ある方には断然メリットがあるアプリだと思いました。このアプリを持っていれば自動販売機が並んでいるような場所ではコカ・コーラ社の製品を選ぶ確率は高くなるのでコカ・コーラ社の
UX 戦略は素晴らしいと思いました。
マッチングアプリということもあってなかなか表立って成功事例と上がることは少ないかもしれません。革新的な UI で UX も大きく向上させた例になります。アプリを立ち上げると異性の写真が表示されます。好みであればハート側にスワイプ、好みでなければバツ側にスワイプするだけでお互いに好みであればマッチングするというシンプルさです。これは専門的な観点でも「認知的負荷最小化」や「無意識に起こる認知」などを実現していて評価が高いものとなっています。
「認知的負荷最小化」は画面の情報量を極力少なくし、ユーザーへの負担を減らす試みです。これはアプリだけではなく統一感のある UI を Web
サイトなどで実装することで実現できます。極端な話ですが、ページ毎にグローバルナビが上に行ったり左に行ったり、色が青になったり黒になったりするとユーザーはページを遷移するたびグローバルナビを探さなければならずストレスになります。
UI
には統一感が無ければならないとされていますが、なぜ統一感が必要なのかまで考えると認知的負荷を減らすためという理由もひとつあるといえます。デザイン作成・提案の際に活かしたい知識です。
また、立ち上げ後スワイプするだけで目的が達成されるシンプルさはその後多くのアプリが取り入れており、TikTok も立ち上げて下にスワイプするだけで様々な動画を閲覧できます。TikTok の隆盛を見ると「認知的負荷最小化」がいかに重要か理解できます。
「無意識に起こる認知」は熟考するより直感で即断した方が正しい判断を下せるという説です。これはすべての事柄に当てはまるわけではないそうですが、男女の出会いという観点で見ると説得力があります。
実際に使用するのは妻子がある身としては恐怖でしかないですが軽く使用してみました。立ち上げ直後の画面はシンプルで使いやすいですが、メッセージを送信する画面になると課金システムなども絡んでくるので急に UI が複雑になる印象を受けました。選択が多くなるとどうしても
UI が複雑になるのと、トップの UI がシンプルなので余計そう感じるのかもしれません。
使ってみると UI とは関係ないのですがユーザーの方がアップしている写真がきれいでスマホの進化を感じました。
あまり聞きなれないかもしれませんが登録者数2万人を超える、AI でビジネス展望の近い人をマッチングさせ、ユーザーのビジネス的な人脈を広げる目的のアプリです。ポイントは AI というところでしょうか。なぜ UI / UX の事例として上がってくるかといいますと、Yenta が運用しているブログでリリースまでの UX 設計の過程を紹介しているのが大きいのかと思います。
実際に使ってみると UI は Tinder を参考にした部分が多いように感じます。面白いと感じたのは1日10人しか興味あるかないかの選択ができないというところです。10回スワイプしたら1日使えません。実際にこの数字が多いのか少ないのかというところですがこちらは Tinder と違い画面にプロフィールが表示され、実際にその人がどのような仕事をしているか、どんなビジョンを持っているか読み解くには結構エネルギーを消耗します。10人みると意外と疲労感があります。
昨今、習慣化したければ目標を低く設定するとよい、という話をよく目にします。例えば筋トレを始めるのであれば1日1回腹筋をする、本を読むのであれば1日1回本を開く、というような目標を設定した方が長く続き、結果として成果が大きくなるというのです。このアプリの10人という制限は頑張りすぎてしまうユーザーのエネルギーの消耗を抑える効果があります。
もしマッチングがうまくいってやりとりが始まると、タスクが増えてユーザーへの負荷が高くなるのは容易に想像できます。通常、ネガティブな印象を受ける制限をあえてかけることでユーザーへの負荷を減らしアプリへの印象を良いものにしようという試みと感じました。
使っている人はベンチャー企業の経営者から学生、有名企業勤務の方など様々でした。マッチングだけではなく、自分の適性を判断するテストなどもありその結果をマッチングのデータとして使用する、というような工夫もされているようでした。
スマホアプリとなると遠い存在と感じるかもしれませんが、Web サイトもスマホでどのように訴求するか、どのように見せるかはプロジェクト成功の大きな鍵となっています。
CX ユニットでは Web サイトはもちろん、スマホアプリのヒューリスティック調査も手掛けています。Web サイトの診断とあわせてご検討いただけますと幸いです。
ご相談がありましたら、是非お問い合わせください。
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