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UI デザインツールの現状と今後

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SBテクノロジー CX ユニットの児玉です。

UIデザインツールは何を使用されていますでしょうか?従来から Adobe の Photoshop や Illustrator を利用していた延長で、Adobe XD を使用されている方も多いかもしれません。また最近ではブラウザベースで利用できる Figma についてもよく耳にするようになりました。今回の記事ではデザインツールの現状と今後について、Adobe XD と Figma を中心に取り上げていきたいと思います。

Figma とは

まず Figma について説明させていただきます。Figma は2012年に設立され、Web デザインや UI/UX デザインに特化したデザインツールとして急速に成長を遂げました。ソフトウェアのインストールが不要で、Web ブラウザを通じてクラウド上に保存されたデータを編集できるため、複数のユーザーによるリアルタイム編集に非常に適しています。また、Windows や Mac などの PC 環境に左右されることもありません。インターフェースやプロトタイプ作成機能も Adobe XD と遜色ない使い勝手を提供しています。その利便性と柔軟性の高さがリモートワークでの共同作業にマッチし、デザイナーだけでなく、他の職種の人々からも高く評価されるようになりました。

複数人でデザイン作成しているイメージ画像

Adobe による Figma 買収計画は撤回

2022年9月、Adobe が約200億ドルで Figma を買収するというニュースが報じられました。Adobe はこれまでも競合企業や未進出分野の企業を数多く買収し事業規模を拡大してきましたが、Figma という強力なライバルを手に入れることで、Adobe XD から Figma への乗り換えを防ぐ狙いがあったと考えられます。
しかし2023年12月にはこの買収計画は撤回されることになります。Adobe が Figma を買収したことに対して、「競争を妨げ、競合他社を排除する可能性がある」との懸念が示され、アメリカの司法省や EU の独占禁止法関連当局によって独占禁止法に関する調査が行われることになりました。Adobe は独占禁止法違反の疑いを払拭するために、「Creative Cloud のパッケージに Figma を含めない」「Figma の競合である XD を売却する」といった提案をしていたようですが、最終的には買収を断念し、10億ドルの契約解除手数料を支払うことが決定しました。

裁判所のイメージ画像

Adobe XDの今後

Figma の買収計画に伴ってか、Adobe は2023年1月に XD の単体プランの販売を終了し、今後は開発の継続や新機能の提供に投資を行わないと発表しました。Figma の買収が断念された現在も、XDはメンテナンスモードとして既存ユーザーへのサポートを続けていますが、今後はサポートを終了する可能性が高いと予想されています。Adobe の UI/UX デザインツールの今後については、XD が再び主要なツールとして開発の対象になるのか、それともまた違った選択肢が登場するのか、引き続き動向を見守りたいところです。

デザインツールのシェア率

それでは現在、デザインツールのシェア率はどのようになっているのでしょうか。日本における具体的な調査データは存在しませんが、世界各地のデザイン関係者約3,000人を対象に行ったアンケートによると、「2023年に最も人気のある UI デザインツール」では、Figma が1位を獲得し、2位の Photoshop の5倍以上の票を集めました。また、「2024年に最も使いたいツール」でも Figma が圧倒的な1位という結果が出ています。
さらに、米国 Figma の日本法人である Figma Japan によれば、日本は2023年度においてFigma が最も成長した地域となったとのことです。世界的な人気に加え、近年では日本でもFigma の利用者数が増加していることが伺えます。

参照:
Most Popular UI Design Tools
Which tools are you most excited to try in 2024?

右肩上がりのグラフ画像

デザインツールの今後

2024年、Figma はベータ版の Figma AI を公開し、2025年には課金を開始する予定であると発表しました。このベータ版では、コンポーネントの提案やデザインの微調整が簡単に行え、プロンプトに基づいてアプリ画面が数秒で生成することも可能なようです。また、既存デザインの複製を瞬時に作成したり、レイヤー名の統一を AI が自動で行ったりする機能もあり、Web 制作の完全自動化が目前に迫っているとの声も上がりました。
このような AI の活用に加え、クラウドベースであることや直感的なインターフェース、ノーコードでデザインの専門知識がない人にとっても使い勝手がいいことなども、今後のデザインツールに求められる重要な要素です。プロジェクトの規模や目的、チームのスキル、サポートの充実度、価格、他のツールとの統合性なども考慮しながら、どのデザインツールを利用するかを慎重に検討するのがいいでしょう。

今後のデザインツールのイメージ画像

さいごに

今回の記事では Adobe XD と Figma の現状や、デザインツールの今後の展望について見てきました。デザインツールの選択は業務の効率化に大きな影響を与えるため、この記事が各ツールの特性を理解し、適切な選択をするための一助となれば幸いです。

CX ユニットでは UI / UX / CX の改善や支援など行っています。ご相談がありましたら、是非お問い合わせください。

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