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入社2年目による MA ツール「Eloqua」を使った DX 推進(9)~施策の効果測定・運用フローの明確化~

T澤

はじめに

こんにちは、デジタルマーケティング担当の T 澤です。
約1年前に始まった本ブログですが、今回がついに最終話となります。ご購読いただいた方々がもしいらっしゃるのであれば自分としても大変幸せでございます。MA(マーケティング・オートメーション)とはそもそも何か、導入の際にはどのような点に気を付けるべきかなど、このブログを通して少しでも理解が深まったという方がいらっしゃれば本望です。
さて、前回は MA(マーケティング・オートメーション)施策を実施するにあたっての「7つの基本ステップ」のステップ6【ツールの準備】をお届けいたしました。


7つの基本ステップ

新入社員による MA ツール「Eloqua」を使った DX 推進(2)」でご紹介した MA ツール導入をより効率よく、効果的に施策を実施するための7つの基本ステップは次のとおりです

前回の【ツールの準備】では、世界中にある様々な種類の中から自社に最も適した MA ツールがどれなのか判断するための基準や、実際に導入するときに必要な技術的な準備とツール内の準備に分けて説明しました。知名度や値段のみでツールを選定してしまうと、社内にある既存の別ツールやメールサーバの影響で本来の機能が使用できないケースや、そもそも選択したツールの機能では目的を達成できないケースなどがあります。
今回の最終フェーズでは、実際に MA ツールを使った施策の効果測定を行います。その結果に基づいて、運用フローや施策のアップデートを行います。それが今回最後にお話しするステップ7【施策の効果測定・運用フローの明確化】となります。

施策の効果測定・運用フローの明確化 目次

ステップ7:施策の効果測定・運用フローの明確化

ステップ7-1:MA における KPI と KGI

そもそも KPI と KGI とは何なのか説明します。KGI とは簡単に言えば目指すべきゴールに該当します。ゴールに到達できたかを明確にするために売り上げなど定量化できるものを設定することが多いです。次に KPI の説明になりますが、こちらは KGI を最終ゴールとするならばゴールの進捗を表す指標すなわち中間地点というイメージです。KPI では 特定のページ(商品詳細ページなど)の PV やお問い合わせ数などが設定される場合が多いです。これらを設定せずにマーケティング活動をしてしまうと何を求めた活動なのか不明瞭になってしまい PDCA を回しても評価基準がなければ、アップデートをすることもできません。

■MA 導入の目的を整理する。

すでに設定している方もいらっしゃると思いますが、ここで改めて MA の導入目的から逆算して KGI と KPI を設定しましょう。では一般的にどのような目的が多いのでしょうか。
よく挙げられる例としては以下のようなものです。

  1. 創出した商談の質の向上
  2. リードナーチャリングによる既存顧客の有効活用(クロスセル)
  3. 営業活動の生産性向上
  4. 商談創出数(マーケティング部門から営業部門へ譲渡した数)の増加

根源にあるのは売上の向上になるかと思いますが、MA に求めるものはこの4つに該当することが多いでしょう。これを基に KGI と KPI を設定していきます。

■MA における KGI

MA における KGI としては以下のような例が挙げられます。

  • マーケティング施策から創出した売り上げ、またその比率
  • マーケティング施策から創出した商談数、案件化数
  • ナーチャリングによって創出された商談数、案件化数
  • 顧客獲得に費やした工数の合計

こちらで申し上げたいのは企業の目的によって KPI に該当するものを KGI に設定することもあるということです。傾向としては数字に直接関係するものが多くなるでしょう。

■MA における KPI

MA における KPI としては以下のような例が挙げられます。こちらでは MA の特徴にもあるスコアリングを利用したものもご紹介いたします。

  • リードのスコアが一定以上になった数
  • ホットリードとして営業部門に譲渡して商談化、案件化した数
  • マーケティング施策によるお問い合わせ数
  • メール配信数、開封率、クリック率
  • リード獲得数

スコアリングを用いた KPI の設定は部門間での共通言語のすり合わせが必須となります。基本的に MA ツールを用いるのはマーケティング部門かもしれませんが、「新入社員による MA ツール「Eloqua」を使った DX 推進(3)~ゴール設定は計画的に~その1」でもお伝えした通り、MQL(Marketing Qualified Lead)と SQL(Sales Qualified Lead)の定義は人によって認識が大きく異なります。正しく評価するためにも、共通言語の基礎がしっかり整ったうえで KPI の設定は行い効果測定を行いましょう。
MA に限らずマーケティング活動において、目標にあたる KGI と KPI の設定は非常に重要な要素です。しかし、企業や担当者の持っているリテラシーは様々だと思います。その結果、正しい目標が設定されずに施策そのものの目的がブレてしまう可能性もあります。どのような目的でどのような目標を設定したいのか自信がない場合は、早い段階でプロに依頼するのが良いでしょう。

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ステップ7-2:運用フローの見直しと振り返りの設定

目標となる KGI と KPI の設定が完了したら、実際に MA ツールを使って施策を実施して PDCA を回します。しかし、すでに様々な業務がある中で新しく MA の導入や運用について社内でかけられるリソースが足りない、知見がないのでそもそも成功しているのかよくわからないというケースもあるかと思います。とはいえ、現実問題として十分な体制を整えられないまま MA の運用に進まざるを得ないケースは少なくありません。
新入社員による MA ツール「Eloqua」を使った DX 推進(4)~体制構築・役割分担~」でも説明した通り、体制がしっかり整ってこその MA です。しかし、早急に結果を出さなければいけない場合は、必要最低限の施策に絞り込んだ上ミニマムでスタートし、短期間で PDCA を回して知見を貯めながら戦略を検討するのも方法の一つです。またそれでも結果に結びつかない場合は外注してしまうか、一時的にコンサルを受けることでテクニックを学ぶというのも良いでしょう。
これらの判断をするタイミングを創出するために、定期的に「振り返り会」を設定しましょう。施策を打つことに夢中になり、最終的にメールを送信するだけのツールにならないようにツールの導入後は定期的に最適なタイミングで施策や運用の改善に努めましょう。例えば、隔週に1回は承認フローなど運用上のルールを見直す、月次で施策の成否を KPI に基づいて評価した上で改善ポイントを洗い出し、次月の施策に反映させるなど振り返りの目的を分けると整理しやすいと思います。

最後に

今回は、「7つの基本ステップ」における最後のフェーズである【施策の効果測定・運用フローの明確化】についてご説明しました。
企業によって MA に求める目的は様々です。しかし、失敗するケースは似たようなケースが多いと思います。カスタマージャーニーの設計が曖昧だった、提供できるコンテンツが足りなかった、ターゲットの策定が中途半端だった、運用体制が構築できていなかったなど準備なしで成功できるほど、MA は簡単ではありません。導入の際には今までご説明してきた数多くのステップが必要になることはご理解いただけたと思います。やはり、早期に結果が出にくい、改善の繰り返しが面倒など、ネガティブな印象もありますが、各ステップを丁寧に実施することで必ず有効的なマーケティング施策を打つことができるようになると思います。特に BtoB 企業では営業部門のリソースの改善や新規案件の獲得、クロスセルのきっかけにもなります。ぜひ MA を有効活用して売り上げ拡大を目指しましょう。
導入したいけれど自社だけでは難しいという方、導入しているけれどなかなか結果に結びつかないという方がいらっしゃるのであれば是非お問い合わせください。

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以上、T 澤からでした。


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