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入社2年目による MA ツール「Eloqua」を使った DX 推進(6)~コミュニケーションフローの策定~

T澤

前回の振り返り

こんにちは、デジタルマーケティング担当の T 澤です。
残暑が続き、外出自粛ムードはまだまだ継続の一途をたどりますが、皆さまはどうお過ごしでしょうか。
一連の新型コロナの影響で、BtoB 企業にも大きな影響がでています。近い将来、BtoB 企業においても、MA ツール導入、MA ツールによる施策実施は必要不可欠になるかもしれないと思いながらも、まずは、この難しい局面を切り抜けるため、引き続き、3密を避けて生活しようと思います。
さて、前回は MA(マーケティング・オートメーション)施策を実施するにあたっての「7つの基本ステップ」のステップ3【ターゲットの設定】その2をお届けいたしました。


7つの基本ステップ

新入社員による MA ツール「Eloqua」を使った DX 推進(2)」でご紹介したMA ツール導入をより効率よく、効果的に施策を実施するための7つの基本ステップは次のとおりです

前回の【ターゲットの策定】では2回にわけて、カスタマージャーニーマップを作成するために必要となる、セグメンテーション、ターゲット設定。そして、ペルソナについてお伝えしました。
カスタマージャーニーとは、「顧客が製品・サービスの契約に至るまでのプロセス」であるとご説明しました。それを共有できるように明文化したものがカスタマージャーニーマップです。では、カスタマージャーニーマップをどう生かせばいいのでしょうか。それが今回、お話しをするステップ4【コミュニケーションフローの策定】となります。

コミュニケーションフローの策定 目次

ステップ4:コミュニケーションフローの策定

ステップ4-1:BtoB マーケティングのコミュニケーションとは

少しだけおさらいをさせてください。
ひと昔前、「マーケティング」とはBtoC 企業のものであり、BtoB 企業は営業担当者が足しげく通い、関係性を築き、手厚いフォローをして商談を成立させるものという考えが多かったと思います。それが今、なぜ、BtoB 企業にも「マーケティング」が必要であると言われるようになったかの要因をこれまでいくつかお伝えしていますが、一番は、やはり、顧客の購買行動の変化が一番にして最大の理由だと思います。その変化に対応するためには、顧客に合わせて「最適なコンテンツ」を「最適なタイミング」、「最適なチャネル」で提供することこそが肝であることは、ここまでこのブログにお付き合いくださった方ならば、すぐに浮かぶことだと思います。それを実現するために必要な材料として、ペルソナの作成まで実施したのが前回の記事です。
「新入社員による MA ツール「Eloqua」を使った DX 推進(5)~ターゲットの策定~その1」でご紹介したカスタマージャーニーマップのフレームワークを思い出してください。ペルソナの項目である「欲しい情報」と「コンテンツ(媒体)」はペルソナ対象が各段階の状況に応じて欲する情報とコンテンツを記載する項目です。ペルソナ作成時、もし、自分が顧客の立場、担当者ならば、どんな情報が欲しいかを考えて項目が記載されているかと思います。

次は各ステップで行うコミュニケーション例です。このペルソナは、製品選定担当者となります。プロセスごとの顧客ニーズを整理しています。

BtoB マーケティングにおけるコミュニケーションとは、どのタイミングでどのような情報を「担当者、意思決定者、ユーザー部門が欲しているかを整理し、社内の意思決定必要となり得る情報を、それぞれの相手の立場に立ってタイムリーに提供する」ということです。まさに、BtoB マーケティングの肝である顧客に合わせて「最適なコンテンツ」を「最適なタイミング」、「最適なチャネル」で提供するためには、何が必要であるかの洗い出しが行われていることがおわかりいただけるかと思います。

ステップ4-2:コミュニケーションフローを決める

ペルソナにより各タイミングで必要としている情報が明確になりました。次は、それを提供するために、自社では何が必要なのかを明確にします。
下記はその一例となります。

自社のコミュニケーションアイテムとして必要なる資料やコンテンツが明文化されています。その上で、新規で作成する資料、すでに作成されている資料、最新情報にアップデートしなければならない資料はどれかを明確にします。顧客の満足度を高めるために、各タイミング・ステップで想定される顧客とのコミュニケーションを策定・立案するだけではなく、自社の各部門の役割、担当を明確にする必要があります。それがコミュニケーションフローとなります。

MQL とSQL の社内定義を明確にする

「新入社員による MA ツール「Eloqua」を使った DX 推進(3)~ゴール設定は計画的に~その1」の「ステップ1-1:リードの定義を知る~ MQL と SQL ~」と、「新入社員による MA ツール「Eloqua」を使った DX 推進(3)~ゴール設定は計画的に~その2」の「ステップ1-2:顧客のステージと課題を把握する」のそれぞれで、MQL(Marketing Qualified Lead)と SQL(Sales Qualified Lead)の定義を明確とすることをお伝えしています。MQL からSQL へ移行するタイミングは、見積もりや提案の相談などとなるのですが、その定めた、MQL とSQL を改めて、コミュニケーションフローを用いて、明確にしましょう。
ここまでで、どのタイミングで何の情報を顧客が求め、それに対して、何を提供するかが明確になっているはずです。顧客行動と、スコアリング、それにプラスして、どのコミュニケーションが発生したら、MQL からSQL へと移行するのかを明らかにし、MA 施策に関わる人すべての共通認識としましょう。

コミュニケーションフローも PDCA をまわしましょう

これまで何度か、MA 施策を実施するに必要なルールや定義を決める際は、完璧を求めず、まずは、シンプルにし、実施しながら修正、改善をできるような体制を作る必要性をお伝えしてきました。またか……、と思われそうですが、コミュニケーションフローにおいても同じです。顧客が望むもの、それに対し提供するものは変化していきます。何件か対応をする中で、策定したコミュニケーションフローが的確に当てはまる時もあれば、失敗することも、例外がでてくることもあるでしょう。そのタイミングこそ、コミュニケーションフローの見直しに最適です。このような取り組みにもとづくコミュニケーションの流れは、お客様にとっては「一貫した顧客対応」としてお客様の安心感につながります。
コミュニケーションフローの PDCA は、ここまで策定してきた、ペルソナ、カスタマージャーニーマップにも影響を与えるため、ちょっと面倒くさい印象を抱いてしまいそうですが、ぜひ、PDCA をまわして日々アップデートしていきましょう。

コミュニケーションフローの重要性

ここまで、ペルソナ、カスタマージャーニーマップ、コミュニケーションフローとお話ししてきたものが、いよいよ、MA 施策につながります。
「新入社員による MA ツール「Eloqua」を使った DX 推進(1)~顧客の購買プロセスの変化とMAの実態~」の「MA はそもそも何を自動化するものなのか」でも記載しましたが、MA ツールを導入し、顧客に合わせて「最適なコンテンツ」を「最適なタイミング」、「最適なチャネル」で提供することを、MA ツールによって自動化することで、以下が実現できます。

顧客の興味関心に沿ったコンテンツを自動的に送信されるようにセットすることで、送信作業の時間が大幅に削減され、企業は本来の戦略や分析といったところに時間を割くことができるようになります。また、自動化を行うことで迅速に PDCA を回し品質の良いマーケティングキャンペーンを実行することも可能


顧客の興味関心に沿ったコンテンツ……、それこそが、今回、コミュニケーションフローで洗い出した内容となり得ます。ここまで一連の流れで策定してきたペルソナ、カスタマージャーニー、コミュニケーションフローが曖昧なまま MA 施策を実施した処で、望んだ結果は得られないでしょう。MA 施策を策定する時に、コミュニケーションフローが重要であることは、ご理解いただけるかと思います。

最後に

今回は、「7つの基本ステップ」における【コミュニケーションフローの策定】についてご説明しました。

7つの基本ステップも折り返しとなり、ここまでいくつものルール、定義を策定してきました。今回もまた、コミュニケーションフローの PDCA を実施していただきたいことをお伝えしましたが、MA ツールを用いたMA 施策実施を成功に導くための秘訣は、「複雑にしすぎない」ことと、共に「更新・修正しやすい運用にする」ことも大切だと思います。運用というのは、体制や更新・修正ルール、承認ルールなどです。ぜひ、これらのことも考慮していただければと思います。

絶対的な正解のない MA 施策です。実際に施策を実施して、分析し、また実施して、を繰り返して結果がようやく見えてきます。その間にも、顧客の購買行動は常に変化していきます。新型コロナウイルスの影響も尾を引くところかとは思いますが、今後の情勢も加味して常にアップデートすることを意識しながら MA に取り組みましょう。

次回は、MA 施策の大きな山場【顧客リストの用意】です。

以上、T 澤からでした。


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