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DX station

新入社員による MA ツール「Eloqua」を使った DX 推進(5)~ターゲットの策定~その1

T澤

はじめに

こんにちは、デジタルマーケティング部の T 澤です。

前回は MA(マーケティング・オートメーション)施策を実施するにあたっての「7つの基本ステップ」のステップ2【体制構築・役割分担】をお届けいたしました。

7つの基本ステップ

新入社員による MA ツール「Eloqua」を使った DX 推進(2)」でご紹介したMA ツール導入をより効率よく、効果的に施策を実施するための7つの基本ステップは次のとおりです。

前回の【体制構築・役割分担】では、MA ツール導入における体制を構築するために必要なステークホルダーの洗い出し、役割の明確化についてお伝えしました。
さて、今回は「7つの基本ステップ」のステップ3【ターゲットの設定】についてご説明したいと思います。これまでの「課題の把握・ゴール設定」「体制構築・役割分担」はMA ツールを導入し、施策を実施するために必要となる前準備が中心でした。今回からはいよいよMA 施策の真髄に迫っていきたいと思います。

ターゲットの策定 目次

「ターゲットの策定」は全2回。今回は「カスタマージャーニー」についてご説明します。

ステップ3:ターゲットの策定

新入社員による MA ツール「Eloqua」を使った DX 推進(1)」でもお伝えした通り、現在のデジタルマーケティングは「顧客」ひとりひとりに対して「最適なコンテンツ」を「最適なタイミング」「最適なチャネル」で提供することが必要不可欠となりました。そのためには、カスタマージャーニーを作成することが重要です。

ステップ3-1:カスタマージャーニー

カスタマージャーニーとは

カスタマージャーニーの直訳は「顧客の旅」です。「顧客が製品・サービスの契約に至るまでのプロセス」と訳すのがいいでしょうか。
カスタマージャーニーとは、顧客が購買に至るプロセスの中で、どのような行動、思考・心理をたどるのかを時系列に並べ、わかりやすく可視化したものです。

なぜカスタマージャーニーが大切なのか

カスタマージャーニーという言葉は、実は過去の記事で一度でてきています。「ステップ1 課題の把握・ゴール設定」の「ステップ1-1:リードの定義を知る~ MQL と SQL ~」です。この中で、MQL(Marketing Qualified Lead)が SQL(Sales Qualified Lead)としてマーケティング部隊から営業部隊に引き渡せるタイミングを判断するためにも、リードがカスタマージャーニーのどこに位置しているか把握する必要があることをお伝えしています。
カスタマージャーニーを作成することで、顧客への理解が深まり、MQL と SQL などのリードの定義も明確になります。明確になれば、精度の高い、効果的なマーケティング戦略を立てることができます。「最適なコンテンツ」を「最適なチャネル」で提供する「最適なタイミング」が見えてきます。
企業目線で一方的に立てられたマーケティング戦略では、往々にして企業の独りよがりになることがありますが、カスタマージャーニーによって顧客目線のマーケティングが実施できるのです。マーケティングには必要不可欠であることがご理解いただけるのではないでしょうか。

カスタマージャーニーマップで図式化

例えば、一人旅ならば、計画も立てず気ままにあっちにふらり、こっちにふらりと旅を楽しむのもよいものです。ですが、MA 施策においてはどうでしょうか。カスタマージャーニーが共有されないまま、戦略的で効果的なMA 施策の実施ができるのでしょうか。
これまで、何度か、MA ツールの導入、ならびに、MA 施策実施を成功に導くためには、関わる人すべてが共通認識を持つことの大切さをお伝えしてきています。そこで重要となるのが、カスタマージャーニーマップです。カスタマージャーニーマップは、営業部門、マーケティング部門など部署を横断したマーケティング戦略の認識のずれによるトラブルを防ぐことができる大変に役立つツールです。
では、カスタマージャーニーマップを作成するために必要なことはなんでしょうか。

ペルソナの作成

ペルソナとは、自社が提供する製品・サービスに対して、潜在的な関心を持つ顧客がどのような人物か、実際にその人物が実在しているかのように個人の属性や趣向性をモデル化したものを言います。
購買目的が明確であるBtoB のマーケティングの場合、「誰の」「何を」解決するサービスなのかを明確にすることが重要です。明確にするためには、「業種」「企業規模(従業員数、資本金、売上)」「部署」「役職」「課題」「実現したいこと」などが必要な項目だと思います。
BtoB の場合、留意していただきたいことがあります。
BtoB では、契約・購買決定に複数人・複数部署が関わることが一般的です。企業規模、部署で、課題、実現したいことが異なってきます。それらは、同企業であっても、別のペルソナとして複数設定をする必要があります。
ペルソナは詳細になればなるほど戦略が立てやすいと言われています。もちろん、的確なペルソナ設定ができることはとてもよいことですが、完璧なペルソナ設定を目指すあまり設定が複雑化し、手に負えない状態になり得る可能性もあります。最初から完璧を目指すのではなく、まずは、シンプルな項目でペルソナを設定し、ブラッシュアップをしていきましょう。

フレームワークを決定する

さて、次にカスタマージャーニーマップを作成するためのフレームワークを作ります。フレームワークもペルソナと同じく、高度にもシンプルにも作成ができます。ここでもやはり、複雑なフレームワークを使いこなすよりも、まずは、シンプルなフレームワークからはじめて、慣れていくのがよいでしょう。
カスタマージャーニーマップは、一般的に、「認知」「検討」「決定段階」の各段階におけるリードの状態や感情、情報のニーズ、行動などがわかるよう縦軸、横軸を設定しましょう。次の図は、一例となります。

顧客行動を想像して地図を作る

フレームワークが決定したら、項目を埋めて、カスタマージャーニーマップを作成していきます。ペルソナの行動を具体的に想像しながら明文化します。 この作業はあくまでも想定となります。本来であれば、想定したカスタマージャーニーマップが正しいかを検証したいですよね。検証をするならば、顧客から直接意見を聞くことができれば望ましいのですが、それを実施するのは、なかなかハードルが高いかと思います。
そこで重要となるのは、部署や役職を飛び越えて、多角的な視点で「地図」を完成させていくということです。ひとりで多角的な視点を持つことは難しくても、営業部隊、マーケティング部隊、もしかしたら、技術者チーム、カスタマーサポートチーム、経営層……など、多様なメンバーで作ることができれば、多角的な視点も生まれやすく、より顧客理解が深まり、社内の認識も統一できます。

最後に

今回は、「7つの基本ステップ」における【ターゲットの設定】の「カスタマージャーニー」についてご説明しました。
顧客の理解を深めるために、カスタマージャーニーマップが必要で、マップを作成するためには、ペルソナ設定が重要であることはご理解いただけたでしょうか。
ペルソナについてはしれっと、
ペルソナとは、自社が提供する製品・サービスに対して、潜在的な関心を持つ顧客がどのような人物か、実際にその人物が実在しているかのように個人の属性や趣向性をモデル化したもの
と、書いたのですが、そもそも、その「自社が提供する製品・サービスに対して、潜在的な関心を持つ顧客」をどうやって決定するのでしょうか。
実は、カスタマージャーニーマップを作成する前に、大変重要なことがあります。それが、「セグメンテーション」と「ターゲット」になります。では、「セグメンテーション」と「ターゲット」とはいったいどのようなものでしょうか。

それについては、次回の【ターゲットの設定】のその2でお話しできればと思います。
以上、T 澤からでした。


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