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メールアーカイブの必要性と導入検討ポイント

原田 豊久

システムやデータのバックアップは企業存続における重要な要素となっています。以前はシステム障害時における復旧対策の側面が強かったのですが、最近ではコンプライアンスやセキュリティの対策として大きな役割を果たしています。特にメールのアーカイブには顕著にその傾向が見られるのではないでしょうか。

今回はメールアーカイブの必要性について、その背景と実際にメールアーカイブを導入する際に気を付けるポイントを、コンプライアンス対策の側面からご紹介します。

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メールアーカイブ導入増加の背景

近年、メールアーカイブを法的対応として導入するケースが増えています。
まずは、改正公益通報者保護法への対応です。直接的にアーカイブへの対応を法律で求められている訳ではありませんが、コンプライアンス・訴訟対応として、結果的に対応が求められていると言えます。
次に、関税法改正への対応です。こちらはご存知の方も多いかと思いますが、法律で直接的に電子メール保存を義務化されるということになります。
この2点をもう少し掘り下げていきましょう。

改正公益通報者保護法への対応

2022年6月1日より、改正公益通報者保護法が施行されました。この法律の中では、内部通報に適切に対応するために必要な体制の整備義務が含まれており、従業員300人を超える企業に対して「内部通報窓口の設置」と「運営体制の整備」が求められています。そのため訴訟対応を想定し、時効を考慮した10年間のメールをはじめとするデータの保持が必要であると言えます。

関税法改正への対応

2012年7月1日、関税法が改正されました。改正のポイントは、輸出入に係る取引の関係書類を電子メールでやり取りした場合、輸出入許可日の翌日から輸出は5年、輸入は7年保存することが定められている点です。
また、メールの保管についても要件が定められました。

  • 過去やり取りされたメールを漏れなく保管できる
  • 必要に応じて素早く抽出・提出・報告できる
  • メールの内容が改ざんされていないことを担保できる

これらの法律に対して適切な対応を講じる必要がありますが、データのやり取りの中心となるメールについては、適切かつ安全に保存できるメールアーカイブの導入が必然と考えられるのではないでしょうか。

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Microsoft 365 のメールアーカイブ導入時に気を付けるポイント

さて、実際にメールアーカイブを導入検討する際に注意しておくべき幾つかのポイントを、メールシステムとして多くの企業が採用している Microsoft 365 を通してご案内します。

アーカイブの設定

Microsoft 365 では、メールアーカイブの機能を各種プランで提供されていますが、全ての機能を提供している Microsoft Exchange Online Archiving から注意点を簡単に見てみましょう。
まず、Microsoft Exchange Online Archiving は、導入時に設定するだけでなく、ユーザーが増える度に設定をする必要があります。設定のし忘れや設定ミスなどにより、いざ利用しようとした時に設定がされていなかった、とならないように注意が必要です。
また、既定の設定では全体管理者は全てのメールボックスが閲覧できますが、監査担当者に検索対象を指定して検索させたい場合は 、「Office 365 セキュリティ/コンプライアンス」にアクセスし、厳密なアクセスコントロールと権限設定が必要となります。

アーカイブの容量

次に、アーカイブの容量についてです。
Microsoft Exchange Online Archiving は1メールアカウント毎に 1.5TB と十分な領域を提供しますが、お客様の運用方法によっては足りないケースも出てくるかと思います。領域を使い果たしてしまうと、過去のデータを削除するなどして空き領域を作らないとアーカイブされないので注意が必要です。
導入の際は、実際の運用イメージを想定して予測をする必要がありますが、導入後に利用方法が変わる可能性もあるため、予測は難しいかもしれません。

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さいごに

Microsoft 365 ではメールアーカイブ機能を提供していますが、事前に設定ポリシーや権限付与など適切に設定し、アーカイブ容量を定期的に確認する必要があります。
そこで当社では、Microsoft 365 利用企業向けに「Mail Vault」というメールアーカイブサービスを提供しています。
Mail Vault は、初期設定のみでユーザー追加時の設定なども不要のため、運用負荷をかけずに利用することが可能です。また、検索ユーザー毎に検索対象とするメールアドレスを指定することが簡単にできるため、権限管理がしやすい仕組みとなっています。
アーカイブデータは、1年間はクラウド上に容量無制限でデータ保持し、1年経過したデータはメディアでお客様に納品される仕組みのため、事実上無期限にデータを保持することが可能です。

今お使いのメールサービスでは機能が足りない、設定が難しく運用が煩雑で業務負荷が高いなどの場合には、簡単に導入・運用開始ができ、必要な時に素早くほしい情報を検索できる Mail Vault をぜひご検討ください。

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