SBT シニアコーポレートアーティストの岸です。先日、イベントの合間に投影するための素材を作りたいという依頼がありました。内容は SBT で提供しているサービス紹介とのことなのですが、動画ソフトで作成してしまうと編集に専門の担当者が必要だったり、修正依頼を出してから出来上がるまでにそれなりの時間がかかります。
また、今後も編集を加えて別のイベントでも使用したいとのことでしたので、ベースを PowerPoint で作成し、それを動画にする方法を試してみました。今回はその時の様子をご紹介したいと思います。
通常の資料を作る場合でも同じですが、まず全体の大まかな構成を考えます。今回は SBT の提供するセキュリティサービス全体の紹介とのことでしたので、はじめに全体像を示し、次にそれぞれの目的のサービスを紹介するという構成にしています。当初の原稿にはシステムの構成図なども含まれていましたが、あまり詳細な説明をしてしまうと全体のペースが乱れてしまうため、各サービスの名称とその概要の紹介にとどめています。
大体の流れが決まったら、先頭と末尾に会社のロゴを入れたスライドを追加しましょう。特に複数の企業紹介が連続して上映される場合には、どこからどこまでが自分の会社の紹介かを明確にすることも重要です。
必要に応じて、2 枚目以降に簡単な企業紹介などを入れるのもよいでしょう。
1ページごとのスライド切り替えだけでは見ている側も飽きてしまうため、ページ内の各オブジェクトにアニメーションを付けてみましょう。アニメーションを付けることで、見た目に動きが感じられるのはもちろん、順を追って要素を表示させ、見る人の理解を促進することもできます。
アニメーションのタイミングは速すぎても読めませんし、遅すぎてもテンポを崩してしまいます。一度全体に設定を付けた上で、他の人に通して見てもらうのもよいかもしれません。作業をしていて何度も見続けると、内容が既に頭に入ってしまっているため、切り替えのタイミングが速くなる傾向があります。今回も指摘を受けて当初よりゆっくり表示されるように修正しました。
また、絶えず動き続けていると見る側も息切れしてしまいます。ところどころに動きの間を入れると「ここで内容が区切れるんだな」と分かるので、よりよいでしょう。
なお、全ての要素はクリックなしでアニメーションする必要があるため、開始の設定は全て「直前の動作と同時」か「直前の動作の後」にしています。そのため、アニメーションの再生順番を示す数字は、全て「0」になっています。
今回の動画は、最終的にはナレーションも BGM も不要とのことだったのですが、当初は BGM を付けたいという話があったため、テストで BGM の追加も試してみました。挿入＞オーディオの「このコンピューター上のオーディオ」から BGM ファイルを選んで先頭のスライドにオーディオファイルを埋め込み、上映中ずっと再生されるよう「バックグラウンドで再生」を選択します。
しかし、PowerPoint としてループで上映する場合はこれでよいのですが、動画として書き出すと、映像の終了と同時に BGM も「ブツッ」と切れてしまいます。そこで、全体のアニメーション再生時間に応じ、BGM のファイルをトリミングしてみました。
「オーディオのトリミング」を押すと、BGM ファイルのどこからどこまでを再生するかが設定できます。動画の再生時間を指定してトリミングし、フェードアウト（必要に応じてフェードインも）を設定すれば、最後の場面で BGM もフェードアウトされるようになります。
PowerPoint が完成したら、「別名を付けて保存」で、「MPEG - 4 ビデオ(.mp4)」を選んで書き出しすれば、動画が完成します。
「映像作品」としての表現が求められるのであれば、専門のスタッフや専用の映像制作ソフトが必要ですが、「現場でも編集できる手軽さ・利便性」を重視する場合は、動画作成手段の候補として PowerPoint を考えてみるのもよいのではないでしょうか。最近の PowerPint では画面切り替えやアニメーションの動きも様々なものが用意されているので、プリセットだけでもなかなか見ごたえのあるものが作れると思います。
