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Azure の IaaS サービスを徹底解剖|IaaS でできることや導入のメリット

Microsoft が提供するクラウドサービス「Azure」では、主に IaaS と PaaS サービスを提供しています。特に Azure IaaS はサービスの種類が多く、業務の効率化やコストの最適化を実現するツールとして広く利用されています。

この記事では、Azure IaaS の導入によりできることやメリット、主なサービスを解説します。クラウドサービス導入のタイミングに迷っている場合や、Azure IaaS の導入や変更を検討している担当者は、ぜひ参考にしてください。

Azure は IaaS と PaaS を提供する

一般的にクラウドサービスには、「IaaS」「PaaS」「SaaS」の3つの提供形態があります。Azure では、このうちの IaaS と PaaS のサービスを提供しています。IaaS と PaaS のおさらいも含めて、Azure が提供するサービスについて解説します。

Azure とは

Azure は、Microsoft 社が提供するクラウドサービスのことで、正式名称を「Microsoft Azure」といいます。2010年にサービスを開始して以降、トップシェアのAWS(Amazon Web Services)を猛追するほど急成長を遂げています。

Azure はMicrosoft 社のサービスのため Office や Microsoft 365 などと親和性が高く、連携しやすいことが最大の特徴です。また、政府機関や企業と連携したサイバー犯罪対策の研究拠点を全世界に展開するなど、セキュリティの高さにも定評があります。

Azure が提供するのは IaaS と PaaS サービス

Azure の IaaS と PaaS サービスの違いは、どこにあるのでしょうか。

IaaS と PaaS の違い

一般的にソフトウェアサービスに必要な構成要素は、大きく「ネットワーク」「ハードウェア」「OS(オペレーティングシステム)」「ミドルウェア」「アプリケーション」の5つに分類できます。この5つは順に依存関係にあり、ハードウェアはネットワークがないと動作できず、アプリケーションはミドルウェアがないと使えません。

IaaS、PaaS、SaaS の違いは、クラウド事業者が提供する構成要素の範囲の違いです。IaaS は、ネットワーク・ハードウェア・OS までのレイヤーを提供するサービスであり、情報システムの稼動に必要な仮想サーバーやネットワークなどのインフラを提供します。

PaaS はそれに加え、ミドルウェアまでを提供するサービスです。IaaS が仮想マシンやサーバーなどの開発に必要なインフラのみを提供するのに対し、PaaS は、開発ツールやデータベースなどのプラットフォームまでカバーします。さらに SaaS は、アプリケーションまで提供するサービスです。

3つのサービスは、クラウド事業者が提供する範囲の違いであり、クラウド事業者とユーザーの責任分界点の違いともいえます。SaaS よりも PaaS、PaaS よりも IaaS の方が、クラウド事業者の管理する範囲が少なく、ユーザーが自由に使える要素が増えるので、カスタマイズ性が高まります。

仮にシステム構築を自社で行おうとすると、サーバーやソフトウェアの購入から運用、メンテナンスに至るまで、全てを行わなくてはなりません。そこで自社の状況やニーズに合わせて IaaS や PaaS、SaaS を選択します。

例えば IaaS を導入すると、自社でハードウェアを用意する必要がなくなり、ネットワークやストレージを必要な分だけ選択できるようになります。つまり、IaaS や PaaS を利用することで、柔軟にソフトウェアを構築できるようになり、運用管理の負荷を軽減できるのです。

Azure が提供する IaaS サービス

Azure が提供する IaaS サービスとは、仮想マシンを Azure 上にインターネット経由で作成して利用するサービスのことです。サーバーやストレージ、ネットワークといったインフラストラクチャまでのレイヤーは Azure 側で管理し、OS やミドルウェア、アプリケーションは利用者が管理します。

IaaS のサービスである Azure 仮想マシンでは、Windows Server または Linux の好みの OS を選択でき、サーバー環境を構築して利用できます。

Azure が提供する PaaS サービス

Azure の PaaS サービスでは、Azure IaaS をベースに、データベースや開発環境、プログラム実行環境、ランタイム、データベースなどの OS やミドルウェアまでを Azure 側が提供します。利用者はアプリケーションやデータのみを管理することになります。

Azure PaaS の導入で、モバイルを含む複数のプラットフォームに対応した開発が容易となり、業務の効率化につながるのです。

Azure の IaaS サービスでできること

Azure IaaS のサービスを利用すると、オンプレミス環境では実現できないことが可能となります。

自社のニーズを満たすイノベーションを実現

Azure IaaS は、自社の環境やニーズに合ったリソースを、必要な分だけセレクトできます。自社向けのカスタマイズも容易にでき、目的を達成するアプリ開発なども可能となります。

業務パフォーマンスの向上

Azure IaaS を導入することで、ハードウェアの管理やメンテナンス、リプレースなどから開放されます。これにより、業務の効率化と最適化が可能となり、1人あたりのパフォーマンスも向上することでしょう。

あらゆる環境と柔軟に整合する

Azure IaaS は、オンプレミス、マルチクラウド、エッジ環境に柔軟に対応し、同等の高いパフォーマンスを発揮します。データの中にはクラウド移行することが難しいものもあり、Azure IaaS の Azur Virtual Network をオンプレミス ネットワークに接続することで、両方のプラットフォームを活用できるようになります。

常に最新のサービスを利用できる

Azure IaaS を活用することで、最新の開発環境を利用できるようになります。劣化しないシステムのため、常に最高のパフォーマンスを実現でき、業務の効率化や生産性向上につながります。

Azure IaaS のメリット

ここでは、Azure IaaS を導入することで、どのようなメリットを得られるのか解説していきます。

コストを最適化できる

Azure IaaS の活用で、自社にサーバーやネットワーク機器が不要になり、導入・更新コストの削減や、ハードウェア運用・管理の負荷軽減などにつながります。従量課金制のため、使用者の増減に左右されることなく、必要なリソース分だけの支払いで済むのも魅力です。このほか、12ヶ月間無料で利用できるサービスや「Azure ハイブリッド特典」などを有効活用すると、一層のコスト削減につながることでしょう。

高い拡張性とパフォーマンス

Azure IaaS は、高い拡張性を有することから、リソース需要の急増に対応できます。緊急なリソース拡張にも迅速に対応でき、アプリケーションのパフォーマンスを向上できるのもメリットのひとつです。

充実したサポート体制

Azure IaaS には、サポートプランが複数用意されており、必要に応じて選択できます。トラブルが起きても、修理や保守・保証はもちろんのこと、トレーニングを受けられるプランもあり、IT リテラシーが低くても、安心して利用することができるでしょう。

ディザスターリカバリーや BCP 対策になる

Azure IaaS の活用でクラウド上にデータを保存するため、自然災害時や感染症拡大時も、データ破損や消失を防ぐことができます。ディザスターリカバリーも強化でき、ビジネスの継続性を担保することで、BCP 対策にもなります。

自社のセキュリティ対策を強化できる

Azure IaaS は、セキュアな構造で内部・外部からのサイバー犯罪やリスクに備え、万全なセキュリティ対策を構築しています。導入することで、自社のセキュリティシステムよりも高性能のセキュリティとなり、あらゆる脅威から保護することができます。

スピーディな事業促進を実現できる

Azure IaaS により、必要なコンピューティングインフラストラクチャを数時間で構築できるので、スピーディなイノベーションや事業促進を可能にします。また、今まで管理にかかっていた時間や予算を、重要な開発などの業務に集中させることができるので、新たな事業やサービスのリリースを、より迅速に高い頻度で行えるようになります。

Azure IaaS の主なサービス

ここからは、Azure IaaS の主なサービスの特徴を紹介します。

コンピューティングサービス

仮想マシンのプロビジョニングや、アプリのコンテナ化を行うためのサービス群です。何千もの仮想マシンを規模に応じて作成および管理できる「Azure Virtual Machine Scale Sets」や、ビルド済みのアプリケーションを簡単にデプロイできる「App Service」などが含まれます。

ストレージサービス

ストレージの確保や、データ移行の際に利用するサービス群です。Azure Virtual Machines と組み合わせて使用する堅牢なストレージの「Azure Disk Storage」や、ビッグ データ分析用の「Azure Data Lake Storage」などがあります。

ネットワークサービス

オンプレミスとの接続や、Azure 環境内で構築された VM などの、各種リソースを接続するためのサービス群です。オンプレミスサーバーや Azure の各サービスとの接続ができる「Azure Virtual Network」や、仮想ネットワークと VPN 接続をするための「Azure VPN Gateway」などが含まれます。

セキュリティサービス

Azure IaaS のセキュリティサービス群は、サイバー攻撃対策やセキュリティ管理を統合するためのサービスです。クラウドとオンプレミスのワークロード全体を保護でき、セキュリティ体制を強化できる「Security Center」や、社内と社外の両方で共有する機密情報に、分類やラベル付け、保護を追加する「Azure Information Protection」などがあります。

管理サービス

Azure IaaS の管理サービス群は、大規模なサーバー管理を一元化できるサービスです。「Azure Monitor」は、Azure 上の仮想マシンやオンプレミス環境のアプリケーション、インフラの統計情報の収集・可視化、分析・対処方法の提供までを統合的に行います。また、「Network Watcher」は、IaaS 系統のネットワークの正常性を、監視・修正するように設計されています。

まとめ

Microsoft 社が提供する Azure は、Office や Microsoft 365 などと親和性が高いことから、急成長をしているクラウドサービスです。Azure では IaaS と PaaS サービスを提供しており、特に Azure IaaS では、業務を効率化しコストの最適化を実現する、多数のサービスを用意しています。そのため、自社の目的やニーズに合ったサービスを見つけやすく、有効活用しやすいシステムといえます。

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