ビックデータという言葉が広まりつつある現代ですが、プログラミング技術がなくとも扱えるツールである Power BI が人気です。Power BI とは何か、特徴的な機能やメリットや使い方の事例などを解説します。機能的なデータ分析ツールやグラフ制作ツールなど、他にもっとよいものがないかと探している方はぜひ参考にしてください。
Power BI とはビジネスインテリジェンスといい、Microsoft 社が提供している BI ツールの製品の総称です。個人、法人に向けて統合型データ分析プラットフォームを提供しています。
従来のデータ分析ツールとは異なり、プラグラミング技術がなくとも直感的に扱えるため、IT リテラシーさえあれば誰でも使うことができる利点があります。そのため、データ社会とも言える著しい情報変化の時代で、迅速なデータ収集と分析を叶えてくれるツールとして多くの企業が利用しています。
BI(ビジネスインテリジェンス)とは組織がビジネス分析やデータ分析などをして、データに基づいた意思決定がしやすいように支援をすることです。特定のものを BI と呼ぶのではなく、ビジネス活動から得られる情報の収集や保存、分析を含めた総称として使われています。
BI はここ数年で多くのプロセスが登場し、一般的に聞いたことのある、レポート作成やクエリ実行から、統計学や AI を用いた分析を使い「ビックデータ」をビジネス活用する、データマイニングといった手法も BI の一つです。
Power BI は現代の情報社会において、迅速に分析して、ビジネス活用するために企業で役立てられています。インターネットや SNS が当たり前の現代では、日々新しいデータが出ており、消費者の行動も変化します。
加速度的に変化し続ける現代社会では、データを用いて分析し意思決定を行えるツールが必要となります。また、Power BI は、社内データベースに蓄積されているデータであれば様々な形式でのアウトプットが可能であり、その後の活用方法も幅を広げてくれます。
Power BI の特徴とメリットについて、以下にて解説していきます。
Power BIの最大の特徴はセルフサービス BI 製品である点です。セルフサービス BI とは、データ分析をする際に大部分は BI ツールで自動化してくれ、重要な判断だけを使用者が実行をします。そのため、非 IT 系担当者では扱えないかもしれませんが、一般的な IT に対してのリテラシーがある方であれば使うことができます。
データを分析する際に必要なシステムや構築するためのプログラミングは、全て Power BI が担っているため、プログラミングの知識や技術がなくとも扱うことができます。一般的なリテラシーさえあれば、データ分析に対する専門知識がなくても使える点は大きな利点です。
Power BI はデータの接続環境が自由で、様々なデータにアクセスが可能です。企業によって管理・保存してあるデータがクラウド、オンプレミスと違う場所にあっても、接続して共有することができます。
また、データ作成には時間をかけずに、数クリックでの操作でデータの変換・結合・消去が可能です。そのため、リアリタイムでのデータ共有を実現してくれます。デスクトップアプリだけではなく、スマートフォン向けのアプリケーションもあるため、外からの利用もできます。
Power BI では、二重暗号化をして、エンドツーエンドでデータ保護状況を把握しています。Power BI を使うためにサインインする際、ユーザーは Azure Active Directory(AAD)を使用します。
ユーザーがアクセスするたびに、Power BI ログイン資格情報が使用されています。また、リスクが高い行動を分析してくれるために、前もってセキュリティリスクが高い行動を防いでくれる機能もあります。
Power BI を構成している2つのアプリケーションについて解説をします。
Power BI Desktop は各種データを変換や抽出、結合することができ、レポート設計をするためのデスクトップアプリケーションです。実際に使用するのは「Power BI Desktop」のため、個人用とも言われています。UI や UX は Microsoft office から出ているエクセルやワードと似ているため、普段から使用している人であれば問題なく扱えます。
Power BI Service はレポートの編集や共同作業をサポートするアプリケーションです。クラウドベースのシステムであり、組織用とも言われています。デスクトップ(パソコン)用だけでなく、エクセルのアドインタイプやモバイルアプリもあり、外出先でも容易に扱える点が特徴です。
Power BI Desktop の使い方の例について、以下にて解説をします。
エクセルを使って、データを取得する場合の手順を解説します。
以上でデータを取得できます。
Power BI Desktop では、Web ページのデータも読み込むことが可能です。Web ページの場合のデータ取得方法を解説します。
以上でデータを取得できます。
エクセルの場合の、データ整理方法を解説します。
以上でデータを整理できます。
なお、エディター内で編集を行う際は、元データの Excel ファイルを変更せずに編集が可能です。
Web ページの場合のデータを整理する手順を解説します。
以上の手順でデータを整理できます。
Power BI を使ってできることは複数あります。例えば以下のような作業が可能です。
上記の作業は基本的にはノーコーティングであり、担当者がプログラミングスキルを持っていなくとも可能です。エクセルやワードが扱えれば、同じく直感的な操作で Power BI を使うことができます。また一部の機能はエクセルよりも簡単なものもあり、Power BI の方が作成時間を省くことができ、効率的に業務が行えます。
Power BI を使った企業の事例についていくつか挙げていきます。
K 社では、アナログ管理からの脱却を目指していて、たどり着いたのが、ローコード開発ツールです。ローコード開発ツールは、Power BI の基盤となる、開発プラットフォームのことです。Microsoft パートナーからのコンサルティングの末、K 社は独力で「内装工事進捗管理システム」を開発することに成功しました。
電機メーカーK 社では、クラウド化をいち早く推進した企業でもあります。問い合わせに対して業務の集約と自動化をするため、「問い合わせ対応チャットボット」の開発をスタートしました。ノーコーディングで精度の高い分析が可能な Power BI 分析によって短期間で AI の質を向上することができました。
化粧品会社、K 社では、Azure と Power BI を組み合わせることによって、効率的にデータ集計と分析をしています。膨大なデータを迅速に分析できるようになり、データ分析にかかるコストの低減にも成功しています。
Power BI ツールは IT リテラシーさえあれば使える便利なシステムです。これからの時代、インターネットやSNSの利用者数はますます増えていくでしょう。IoT の導入などによって企業が取得できるデータは増えていきます。
しかし、取得データが増えても、分析できなければ意味がありません。誰でも扱える Power BIのようなツールがあれば、データのビジネス活用が容易になります。ビジネスに使えるデータ収集・分析ツールを検討の方は、無料お試しがある Power BI を検討してみてはいかがでしょうか。
SBテクノロジーの「Power BI 利活用支援」では、CRM や AI など、他ソリューションと合わせて、Power BI の導入・開発をワンストップで提供可能です。導入のご相談から、お客様によるレポート開発(内製化)の支援まで幅広く行っています。