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Office 365 の導入に失敗しないための5つの注意点!メリットとデメリットも解説

Office 365 とはサブスクリプション型のグループウェアです。この記事では、自社における Office 365 の導入を検討している情報システム部の人に向けて、Office 365 のメリットやデメリットを解説します。あわせて Office 365 の導入で失敗しないためのポイントも解説するので、導入検討の際の参考にしてください。

Office 365 とは?

Office 365 とは、業務に必要不可欠なツールを一カ所に集めたプラットフォームのグループウェアです。グループウェアとは、情報共有やコミュニケーションなどを円滑にし、業務効率化を図るためのソフトウェアの総称です。

具体的には、チャット機能やオンラインミーティング、ファイルの共有や管理、個人ストレージやスケジューラーといった機能がクラウド上に集約されています。また、オフィスワークでは欠かせないアプリである Word や Excel、PowerPoint はもちろんのこと、メーラーや ToDo、チャットといったコミュニケーションをとるためのアプリなど豊富にそろっています。

Office 365 にアクセスするだけですべての業務が行えるといわれるほど、多種多様な機能があることが特長です。

Office 365 を導入するメリットは?

Office 365 を導入するメリットは大きく分けて7つあります。ここでは、各メリットについて詳しく解説します。

1.コストが適正

Office 365 クラウド型かつサブスクリプション型のサービスです。サブスクリプション型とは、料金を支払えば一定期間利用できるタイプのサービスを指します。サブスクリプション型の場合、必要なコストはライセンスあたりの月額料金のみです。

買い切り型の場合には初期費用が必要になりますが、Office 365 では購入費用などが必要なく初期費用が安く済みます。また、ライセンス管理が一元化でき、ユーザーの増減がある場合でも適正コストの維持が可能です。Windows、Mac 双方で利用できることもメリットでしょう。

2.煩雑なライセンス管理がない

従来のような買い切り型の場合、誰がどのライセンスを利用しているのかといった情報をしっかりと確認し、管理する必要がありました。しかし、Office 365 ではそのようは煩雑なライセンス管理は必要ありません。

Web ブラウザから社内の「ライセンス数」や「Office アプリ利用者数」の確認が簡単に行えます。また、ライセンスの追加や削除、ライセンスの割り当てなどもブラウザからすぐに行えるため、OS やパソコンを変更する際の移行も楽にできます。

3.自動アップデートされる

Office 365 は自動でアップデートされることも大きなメリットです。従来の買い切り型の場合には、新バージョンに対応させるには新バージョンのソフトウェアを購入しなければいけません。しかし、アプリであれば自動でアップデートされるため常に最新版の利用が可能です。

買い切り型の場合には Office バージョンが古くなり、サポートが終了してしまうケースもありますが、サブスクリプション型の Office 365 ならそのような心配はありません。

4.マルチデバイス対応でどこでもできる

Office 365 はマルチデバイス対応のためパソコン以外のデバイスからでも利用できます。例えば、社内のパソコンで作成したファイルを、外出先でノートパソコンやスマートフォン、タブレットなどのモバイル機器から確認・編集できるため、場所を選ばずに利用できることがメリットです。

また、Office 365 はマイクロソフト社製です。Windows の開発企業であるマイクロソフト社によるアプリのため、不正アクセスや情報漏えいなどに対するセキュリティ対策もしっかりしています。

5.大容量のオンラインストレージが使える

Office 365 ではオンラインストレージの「OneDrive」に、1ユーザーあたり 1TB という大容量の領域が提供されます。そのため、オフィスで作成したファイルの編集や、容量の大きなファイルの保存などを行う際にも、容量が足りなくなるといった心配がありません。

多くのファイルや大容量ファイルの保存が可能になることで、オフィス以外の場所からでも資料の編集や共有がしやすくなり、場所や時間を問わない自由な働き方の実現にも役立ちます。

6.5台のデバイスで同時使用ができる

Office 365 では、1ユーザーにつき5台の Windows パソコンもしくは Mac、5台のタブレット、5台のスマートフォンにインストールしてサインインできます。さまざまなデバイスで同時使用ができるため、例えば営業職の社員に、オフィス用のデスクトップパソコン、外出時のノートパソコンとタブレットというように、複数のデバイスを貸与している企業でも便利に使うことができます。
働き方改革としてテレワークを推進している企業にもよいでしょう。
一方、買い切り型である Office Professional Plus 2019 の場合、インストールできるのは1ライセンスあたり Windows パソコン1台となっています。

7.多彩なツールが使える

Office 365 にも種類があり、その中でも「Office 365 Business Premium」や「Office 365 Business Essentials」を導入すれば、業務効率化に役立つさまざまなツールを利用できるようになります。

具体的な例としては、ファイル共有アプリケーションである SharePoint や、コミュニケーションツールの Teams、社内 SNS ツールの Yammer などが挙げられます。さまざまなツールを活用することで、業務効率化だけでなくコミュニケーションが活性化するため、生産性向上なども期待できるでしょう。

Office 365 のデメリットは?

多くのメリットがある Office 365 ですが、デメリットも存在しています。どのようなデメリットがあるのか、詳しく解説します。

障害発生時は使えない

何らかの障害が発生して、Office 365 にログインできなくなるケースもあります。社内でシステムを構築するオンプレミスとは異なり、自社で状況の確認や原因の把握、改善などができないため、障害が発生した場合は復旧を待つしかありません。

仕様変更時の対応が面倒

Office 365 の場合、仕様変更があったときや機能追加や削除などが行われた際には、自動で更新されるようになっています。そのため、自分でアップデートする必要がなく手間はかかりませんが、今まで使っていた仕様とはがらりと変わってしまうケースもあります。

オンプレミス型の場合は、一度マニュアルを作っておけば当分変更がなく利用者の負担も少なくなります。しかし、Office 365 では自動でアップデートされるため、仕様変更後の対応が負担になるケースもあるでしょう。システム要件の変化にも注意が必要です。

Office 365 の導入で失敗しないための5つの注意点

Office 365 の導入で失敗しないためには、5つのポイントを押さえましょう。

1.自社にあった導入プランを検討する

Office 365 にはビジネス向けとして複数のプランが用意されています。そのため、自社にとってどのプランが最適なのかしっかりと検討しましょう。十分な検討を行わずに導入してしまうと、失敗するリスクが高まります。

プランを選ぶ際には、自社にとってどのような機能やサービスが必要なのか、ユーザーの規模は300名以下かそれとも以上か、セキュリティ機能の充実度はどの程度必要かといった流れで検討するとスムーズに進みます。

2.小規模からスタートする

Office 365 に限ったことではありませんが、業務フローが変わるようなシステム、ソフトウェアを導入する際には、スモールスタートを心がけましょう。

Office 365 はユーザー数の増減は自由で、管理センターから権限設定をすれば利用サービスの制限も可能です。そのため、初めはトライアルといった意味合いで、一部の部署やチームに限定し機能制限をかけた状態で利用していくとよいでしょう。得られたノウハウなどをもとに徐々に利用を拡大していくと失敗が少なくなります。

3.セキュリティーポリシーを変える

ノートパソコンやタブレットの社外持ち出し禁止や外出先からのアクセス禁止など、厳しすぎるセキュリティーポリシーがあると、円滑なコミュニケーションや業務の妨げになる可能性もあります。

Office 365 で提供されるサービスは、マイクロソフト社が運営している国内データセンターで運用されているため、高いレベルのセキュリティ要件を維持しています。そのため、Office 365 を導入する際に、セキュリティーポリシーを変更しておくとよいでしょう。よりスムーズな業務やコミュニケーションが可能になり、生産性アップが期待できます。

4.ネットワーク帯域を事前検証する

従来のシステムでは、組織内に構築したプライベートネットワークである「イントラネットワーク」を利用します。しかし、Office 365 はクラウド型のため外部ネットワークのインターネットを利用しなければいけません。

イントラネットワーク内で閉じられていたトラフィックが、インターネットアクセスに代わることで大量のインターネットアクセストラフィックが発生します。これにより、インターネットが繋がりにくくなる、フリーズする、重くなるといった影響がでる恐れがあります。Office 365 の導入では、ネットワークが重要になるため事前検証は欠かせません。

5.リーダーを配置する

Office 365 はさまざまなツールが集約されており、うまく使えばすべての業務をこなせることがメリットです。しかしその一方、ツールが多すぎてどのように活用すればよいのかわからない、使いこなせるようになるまでに時間がかかるという課題があります。

この課題を解決するために、各部署から数人のリーダーを選んで Office 365 に関するトレーニングを行うとよいでしょう。これにより、利用が浸透しやすくなりトラブルシューティングも迅速にできます。

まとめ

Office 365 はさまざまな機能やツールを一カ所に集約したグループウェアです。何も考えずに導入すると失敗するリスクが高まりますから、Office 365 を導入する際には自社に最適なプランをしっかり検討することやスモールスタートなどを意識しましょう。

SBテクノロジーは、Office 365 に関するエンタープライズ企業への豊富な導入実績があります。また、高い技術力を誇り、難易度の高い要件にも対応可能な上、、検討から利活用までワンストップで提供できることも魅力です。Office 365 の導入をお考えなら、ぜひ資料をご請求ください。

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