こんにちは、デジタルマーケティング部の T 澤です。
前回は MA(マーケティング・オートメーション)施策を実践するにあたっての「7つの基本ステップ」から、最初のステップ【課題の把握・ゴール設定】その1をお届けいたしました。
「新入社員による MA ツール「Eloqua」を使った DX 推進(2)」でご紹介したMA ツール導入をより効率よく、効果的に施策を実施するための7つの基本ステップは次のとおりです。
さて、その2でも、課題の把握・ゴール設定を行うための重要となる定義、基準についてご説明できればと思います。
前回のその1では、MA の導入効果とリード定義について説明をし、絶対な正解がないことについて、MA 施策に関わるすべての人たちが共通認識を持つことが重要であることをお伝えしました。
今回は、「ステップ1-2:顧客のステージと課題を把握する」と「ステップ1-3:ゴールを設定する」となります。
MQL(Marketing Qualified Lead)と SQL(Sales Qualified Lead)の定義を行ったら、リードがどのステージにいるかを定量的に測り課題を把握します。
一般的に顧客ステージは「認知」「検討」「決定」の3つのステージから成り立ちます。
認知のステージではまだ、顧客は課題を認識した段階ですので潜在顧客に過ぎません。企業の提供する製品・サービスが課題解決につながると認識されはじめたときに MQL が創出されます。
そして、顧客が、課題の解決策として企業の提供する製品・サービスを検討しはじめたときに MQL から SQL へと移行されます。ここではじめて営業部隊がアプローチできる段階となったと言えます。
この MQL から SQL に移行するタイミングを判断するためには何かしらの「基準」が必要になります。その基準となるのがスコアリングです。
メールのクリック、Web サイトの訪問状況、資料請求、セミナーの参加状況など見込み顧客のアクションを自動でスコアリングすることで、それぞれの興味関心のある領域にアプローチすることができます。
上の図を例とします。
MQL から SQL への移行するタイミングは、見積もりや提案の相談などです。もし、それらの依頼があれば SQL
に移行するタイミングと判断してもよいでしょう。基準となるスコアリングまで明確になれば、マーケティング部隊から営業部隊に受注確度が高いリードのみを提供することができます。
しかし、これらの基準を決めるスコアリング設計を行うのは企業にとって大きな壁になることも事実です。
自社の Web サイトの1ページずつにそれぞれ厳密なスコアを設定しようとしたものの膨大なページ数に頓挫するケース、反対にコンテンツが足りず断念するケース、統計解析の観点から条件を定義しようとしたもののデータ数が足りず判断材料が不十分となり破綻するケースなどがあります。
基準となり得るスコアリングはとても大切です。しかし、あくまでもスコアリングは、処理しきれなかったリードのステージを確認し、優先順位付けの判断を手助けする基準です。必ずしも絶対の評価基準でありません。
それでも、顧客ひとりひとりに対してメールのクリック数、Web サイト訪問回数などの行動すべてを数値化して基準を設けることは、今までのセミナー参加有無といった評価以外の新たな“ものさし”になることは間違いないでしょう。
自社にとって本当に“正確なスコアリング”の設定が必要なのか、スコアリングを絶対の評価基準にしてもいいのか、適切な判断が求められます。
ここまでの話で見込み顧客のリードの成熟度を分析し、適切なコミュニケーションをとることの重要性をご理解していただけたかと思います。
設定したゴールが「受注」である場合、常に意識すべきなのは「自社製品・サービスが、見込み顧客の情報収集の段階で忘れられずに、決定段階に至るまでの選択肢の1つとして認知されていること」です。
そして、「MQL から SQL にナーチャリングし、本当に確度の高い見込み顧客リストをマーケティング部隊から営業部隊に提供できること」が MA ツールの導入における効果と言っていいでしょう。
2回にわたって「7つの基本ステップ」の最初のステップである【課題の把握・ゴール設定】についてご説明しました。
非常に難しい判断と設計が必要になるものですが、MA ツール導入によって得られる効果はそれ以上となる可能性を秘めています。
次回は【体制構築・役割分担】についてお話できればと思います。
以上、T 澤からでした。
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