SharePoint Online(以下、SharePoint)上でいざ社内ポータルサイトを作るとなった際、どんなデザインにするか、どこにどの Web パーツを配置するかなど、頭を悩ませることも多いかと思います。
そんな時に利用できる SharePoint の標準機能として、サイトテンプレート機能があります。SharePoint のサイトテンプレート機能を使うと、事前に Web パーツなどが設定されたページが作成されるので、その内容をたたき台として効率的に社内ポータルサイトの作成を始めることができます。
今回は、SharePoint 標準のサイトテンプレート機能と、当社の SharePoint 向け社内ポータルサイト構築サービス「OnePortal Modern」のサイトテンプレート機能についてご紹介します。
SharePointのサイトテンプレート機能
SharePoint のサイトテンプレート機能の概要と、SharePoint のサイトテンプレートを使って社内ポータルサイトを作成する方法をご紹介します。
SharePoint のサイトテンプレート機能とは?
SharePoint のサイトテンプレート機能とは、SharePoint で社内ポータルサイトを構築する際のレイアウトや構成の土台となるものです。テンプレートには「コミュニケーションサイト」と「チームサイト」の2タイプがあります。
コミュニケーションサイトは、組織全体や部門ごとなど広く情報を発信したい場合に適しており、社内全体への情報共有を目的としたサイトに向いています。
一方、チームサイトは、特定のチームやプロジェクトに関わる情報を管理したい場合に適しており、少人数のメンバーで情報を共有しながら業務を進めたり、共同作業をしたりすることを目的としたサイトに向いています。
それぞれのサイトのテンプレートには Web パーツなどの要素があらかじめ用意されており、選択するテンプレートによって見た目や配置が異なります。
SharePoint のサイトテンプレート機能を使って社内ポータルサイトを作成
SharePoint で新たに社内サイトを作成する場合、チームサイトとコミュニケーションサイトの選択をします。社内ポータルサイトにおいてはコミュニケーションサイトを選択することが多いため、今回はコミュニケーションサイトのテンプレートを使って社内ポータルサイトを作成する手順をご紹介します。
手順は以下の通りです。
①SharePoint 上でサイト作成ボタンを押下し、サイトを作成します。
ここではコミュニケーションサイトを選択します。

②コミュニケーションサイトを選択後、サイト名やサイトアドレスなど必要な内容を入力します。
なお、ここで入力した内容は、後で SharePoint 管理センターからも変更が可能です。

③サイトが作成されたら、「テンプレートを参照」を選択します。
なお、「後で」を選択した場合は、「設定アイコン」→「サイトテンプレートサイトを適用」からサイトテンプレートを適用することも可能です。

④サイトテンプレートは SharePoint が持っている9種類のサイトテンプレートから選択可能です。

⑤サイトのトップページが、選択したサイトテンプレートのデザインに変わります。
変更されたトップページを基にコンテンツやリンクなどを適宜作成し、社内ポータルサイトを作成します。

以上のように、SharePoint のサイトテンプレート機能を利用すれば、一からデザインや構成を考える必要がなく、効率的に社内ポータルサイト作成することができます。
SharePoint 向け社内ポータルサイト構築サービス「OnePortal Modern」とは
「OnePortal Modern」とは、SharePoint 上で稼働する SaaS 型の社内ポータルサイト構築サービスです。SharePoint の社内ポータルサイトを作成・利用する際に感じる「こんなこともできたらもっと便利なのに」を実現し、SharePoint の社内ポータルサイト活用をさらに活性化させます。
OnePortal Modern には3つの特長があります。
- 豊富な独自 Web パーツ
- 画像スライダーやタブ形式表示、未読・既読表示など、SharePoint 標準にはない当社独自の Web パーツを多数ご用意しています。SharePoint 標準では実現できない、または開発を伴う機能も OnePortal Modern の Web パーツを使うことですぐに実現できるため、簡単に見やすく情報を探しやすい社内ポータルサイトを作成できます。
- Microsoft Teams との連携
- 社内ポータルサイトを Microsoft Teams(以下、Teams)にカスタムアプリとして登録でき、Teams 上で社内ポータルサイトを参照できます。これによりユーザーはブラウザーと Teams を行き来する手間がなくなり、シームレスに情報を取得できます。また、社内ポータルサイト上で掲示板やファイルの更新があると Teams のチャット通知でお知らせでき、情報へのアクセス数向上につながります。
- さまざまな便利機能
- サイトテンプレート機能により、社内ポータルサイトの新規作成が簡単に行えるほか、既存の社内ポータルサイトをテンプレート化することが可能です。他にも、いつ、誰が、どのページを見ているのか詳細なデータまで確認できるアクセス解析機能や、社内ポータルサイト上に掲載されたお知らせをお気に入り登録できる機能など、ユーザーと社内ポータルサイト運用者の両者にとって便利なさまざまな機能を搭載しています。
OnePortal Modern のサイトテンプレート機能
OnePortal Modern に搭載されている便利機能のひとつとして、SharePoint 標準のサイトテンプレート機能とは別に、独自のサイトテンプレート機能があります。
OnePortal Modern のサイトテンプレート機能には、以下の2つの用途があります。
- サイトテンプレートを適用してサイトを払い出す
- 既存のサイトをサイトテンプレートとして利用し、新たなサイトを作成する(サイトのテンプレート作成)
この2つの用途についてご紹介します。
1.サイトテンプレートを適用したサイトの払い出し
まずは、「サイトテンプレートを適用したサイトの払い出し」についてご紹介します。
OnePortal Modern では、サイトの払い出しなどを行うためのプロビジョニング用のサイトをご提供しています。
お客様の Entra ID 連携を行っており、AD 認証を行ったアカウントのみがアクセス可能です。
アカウント認証が完了すると、サイトの作成が行えるようになります。
①サイト作成においては、サイトの種類、サイト名、テンプレートなどを選択します。
テンプレートは、SharePoint 標準のサイトテンプレートとは別に当社から3つのテンプレートをご提供しています。

②入力が完了し確認ボタンを押下すると、設定したサイトが払い出されます。

③実際にお客様環境に払い出されたサイトを基に作成したイメージは以下の通りとなります。

以上のように、プロビジョニングサイトでいくつかの設定をするだけで簡単にそして素早くサイトを払い出すことが可能です。
2.サイトテンプレート作成
続いて、「既存のサイトをサイトテンプレートとして利用し、新たなサイトを作成する(サイトテンプレート作成)」についてご紹介します。
お客様の中には既に SharePoint の社内ポータルサイトの作成が完了していて、その作成済みサイトをコピーして新たなサイトを作成していきたい、というご要望をお伺いすることも多いです。そのようなご要望に応えた機能として、OnePortal Modern の「サイトテンプレート作成」機能があります。
こちらは既に作成している SharePoint の社内ポータルサイトを選択すると、すぐに選択したサイトをもとにしたサイトテンプレートが作成される機能となっています。
サイトテンプレートとして以下の要素をコピーして作成することができます。
- コンテンツタイプ
- 列情報
- リスト情報
- ナビゲーション
- ページ内容
- ページ情報
- 地域情報
- Web 設定(ウェルカムページ)
実際の簡単な流れを下記にご紹介します。
①プロビジョニングサイトにアクセスし、サイトテンプレート作成画面に遷移します。

②サイトテンプレート作成においては、既存の SharePoint のサイト情報を検索することが可能です。
SharePoint にて作成済みのサイト名の一部を入力し検索するとサイト名/サイト URL から横断検索を行います。

③検索にヒットした一覧からサイトテンプレートを作成します。
この際、テンプレート名を入力します。

④サイトテンプレートはサイト作成画面のテンプレートから選択可能です。

SharePoint 標準機能でもサイトテンプレートの作成は可能ですが、PowerShell などを利用した複雑な設定が必要な場合もあります。しかし OnePortal Modern であれば少ない手間で簡単にサイトテンプレートの作成が可能です。
自社で作成したサイトをテンプレート化できるため、1つもととなるテンプレートを作成し、各部門ごとに同じ構成のサイトを展開したいときなどにも便利です。
さいごに
今回ご紹介した SharePoint 標準のサイトテンプレート機能と OnePortal Modern サイトテンプレート機能をまとめると、以下の表の通りとなります。
左右にスクロールしてご覧ください。
サイトのテンプレート | サイトテンプレートの適応 | サイトのテンプレート作成 |
---|---|---|
SharePoint 標準 | 9種類 |
― ※PowerShell などを利用した 複雑な設定が必要 |
OnePortal Modern |
3種類 + お客様独自の サイトテンプレート ※SharePoint の サイトテンプレートも利用可 |
画面から既存のサイトを 選択するのみ |
社内情報を共有する方法として SharePoint や Teams を利活用することは非常に有効です。
特にこれから SharePoint 上で社内ポータルサイトを構築したいとお考えのご担当者様にとっては、サイトテンプレートを利用したたき台から始められることは、リリースまでのリードタイムを短くできる一つの手段かと思います。
社内ポータルサイト運用についてお困りごとがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。