IT 技術の進化により、グループウェアが注目されています。グループウェアに搭載されている機能も増加中です。どのような機能が開発されているのかを、把握しなければならないシステム部門の管理者も多いのではないでしょうか。今回はグループウェアの基本から、機能や導入ポイントなどを解説します。グループウェアの導入・活用に役立ててください。
グループウェアについて
グループウェアの機能を把握する前に、グループウェアの基本をおさらいしましょう。基本を知ることで、自社に役立つ機能も知ることができます。
グループウェアとは
グループウェアとは情報共有やコミュニケーション機能など、ビジネスで必要なツールが、ひととおり揃っているソフトウェアの総称です。さまざまな機能が搭載されていますので、活用できれば業務の効率化を実現できます。
グループウェアによって、搭載されている機能や使い勝手、細かな設定が異なります。どのような機能があるのかを網羅し、自社に必要とする機能を見定めなければなりません。グループウェアの導入を検討しているのであれば、慎重に見極める必要があります。
グループウェアの背景
グループウェアは、インターネットの普及とともに1990年代の後半から普及しています。当時は莫大なコストと専門知識が必要であったため、大企業を中心とした導入に止まっていました。しかし、IT 技術の進化・加速により、現在では中小企業であってもグループウェアの導入が進み、大幅な業務改善を遂げている企業も増えています。
グループウェアの導入目的
グループウェアを導入する目的の1つは、従業員間の情報伝達の正確なスピードアップやコミュニケーション向上です。また、加速するビジネススピードに対処しながら、自社のパフォーマンスを向上させることも大事な目的となります。競合他社に打ち勝つための競争力を得るためにも、生産性の向上、業務効率向上が求められているのです。
グループウェアの機能1【情報伝達・コミュニケーション】
グループウェアの機能の中でも、情報伝達・コミュニケーション機能は大切です。どのような機能があるのか見ていきましょう。
メール
メールは、多くの人に浸透している情報伝達・コミュニケーションツールです。ブラウザで利用できるメール機能なら、だれでも使用できます。メールの特徴は認知度が高いため、社内にとどまらず、社外での情報伝達やコミュニケーションツールに利用されることです。
社内 SNS
社内 SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)は、コミュニケーションを深めることに適したツールです。多くの従業員が気軽に利用できることがポイントになります。SNS を活用することで、従業員間のコミュニケーションを深められるでしょう。
グループチャット
グループウェアにチャット機能があれば、複数の従業員との連絡やメッセージのやり取りが可能です。社内で組織したグループやプロジェクトチームに限定すれば、メンバー間での送受信やファイルのやり取りが簡素化されます。
掲示板
掲示板は、承認されたメンバーであれば、だれでも書き込める機能です。伝達事項を掲示板に載せれば、メンバーに必要事項の周知も可能となります。意欲をかきたてるような書き込みは、メンバーのモチベーションをアップさせます。
グループウェアの機能2【情報共有】
社内で組織された、チームやグループのメンバーと同じ情報を共有することは、企業活動にとって大切です。
ファイル共有
グループウェアには、ファイル共有ツールが標準装備されているツールが少なくありません。購買記録を集約したデータや売上推移データなどを共有できれば、組織の活性化につながります。チームやグループごとに必要な資料や画像、動画などを共有することも可能です。
プロジェクト管理
プロジェクト管理機能では、グループやチームのタスク管理や進捗状況の把握が可能です。プロジェクトの可視化もグループウェアでは可能となります。この機能を駆使すれば、適切なアドバイスや指導でさらなる業績向上を狙えます。
議事録
会議やミーティングにおいて、議事録を残し内容を周知させることは、企業活動にとって欠かせません。このプロセスを曖昧にすると、会議やミーティングは意味をなさなくなります。自動的に議事録を残せれば、大切な決定事項を保全できて、周知に役立ちます。
Web 会議
グループウェアの Web 会議機能を活かせば、参加者は場所を選ばずに会議に参加することができます。会議は情報の共有だけでなく、各リーダーや各マネージャーの意思統一も図れるのです。アクセス制限により、参加できるメンバーも設定できます。
グループウェアの機能3【業務効率化】
グループウェアを導入するのであれば、業務効率化は必須条件となります。業務効率化に役立つ機能を見ていきましょう。
スケジュール管理
グループウェアのスケジュール管理は、個人のスケジュールだけではなく、メンバー間や従業員間でのスケジュール共有も可能です。スケジュールが共有できれば、会議や打ち合わせの日程を決めるのに役立ちます。
経費精算
経費精算機能は、交通費や領収書の精算に役立つ機能です。従業員が出張する先の交通経路を検索すれば交通費を計算できます。領収書は、画像と合わせて記録できて、精算業務の効率化が図れるのです。
タイムカード
タイムカード機能を利用すれば、従業員はどこにいてもモバイルなどで打刻することが可能です。打刻データはグループウェアで集計できるため、給料計算の基本データを簡単に作成できます。人事や経理の業務の改善が可能です。
ワークフロー
社内の申請業務などを、ワークフローに組み込むことでペーパーレス化に役立ちます。定型業務をワークフローとして定めておくことで、作業ミスが軽減されるのです。属人化を防ぐのにも役立ち、従業員が誰でも簡単に利用できます。
グループウェアのメリット
多くの企業がグループウェアの導入を進める理由は、たくさんのメリットがあるからです。代表的なメリットを4つ紹介します。
全従業員を対象とした情報共有
グループウェアを導入すれば、全従業員が対象となる情報共有スペースを作ることが可能です。情報共有スペースを活用すれば、社内の意思統一や情報の周知に役立ちます。
改正された法律の遵守促進やコンプライアンスの促進なども可能です。テレワークを含めた多様な働き方に従事している従業員に対しても、オフィスに出勤している従業員と同様の情報共有ができます。
コミュニケーションを活性させる
グループウェアを活用すれば、コミュニケーションを活性化させることに役立ちます。グループウェア機能の社内 SNS を利用すれば、従業員間でちょっとした雑談などが気軽にできるのです。
アイデアを共有できれば、新商品や業務改善のヒントになるかもしれません。国内のテレワーカーだけではなく、海外で勤める従業員とのグローバルなコミュニケーションも可能です。
情報共有によるスケジュール調整の効率化
グループウェアのスケジュール機能や情報共有機能を活用すれば、スケジュール調整も効率的に進めることができます。役員を含めた全従業員のスケジュール共有が可能であるため、会社行事の日程調整がスムーズに決められるのです。チーム内や部署内でのスケジュール調整も簡単になります。シフト勤務を採用している企業では、シフト調整の効率化が図れます。
業務の効率化を図れる
ファイル共有機能や回覧機能、ワークフロー機能などを活用すれば、バックオフィス業務の効率化が図れます。ワークフローにより、申請などの進捗が可視化され、決裁者は社外や出張先など、どこからでも決済できます。代理承認も可能となるため、生産性の向上も図れるのです。
グループウェア導入のポイント
自社に適したグループウェアを導入するためには、導入ポイントを理解しておくとよいでしょう。ここでは、3つのポイントを解説します。
導入の目的を明確にする
グループウェアを導入するには、まず、グループウェア導入の目的を明確にして、導入までの目標を立てましょう。グループウェアを導入しても、使いこなせなければ意味はありません。「グループウェア導入プロジェクトチーム」などを立ち上げて、多彩な機能を持つグループウェアの中から、自社の目的に適したものを選ぶことが大切です。
従業員への説明と周知
グループウェアを導入すれば、これまでの作業プロセスが変更となる可能性が高くなります。明確な目的とともに、プロセスが変更になる点も含めて従業員に説明し、理解を得るようにしましょう。設定した目標も周知し、全社を挙げて取り組む必要性を従業員に浸透させなければなりません。
必要性・導入プロセスの確認
グループウェアの導入を決定する前に、自社にとって本当に必要なのかどうかを再確認します。グループウェアにより、どれだけ業務が効率化されるのかも再検証が必要です。グループウェアの導入が必要となれば、導入までの工程を確認します。これまでの作業プロセスが変更となる従業員については、グループウェアの理解度の確認が必要です。
おすすめのグループウェア「Microsoft Teams」とは?
おすすめのグループウェアは、Microsoft 社が提供している Microsoft Teams です。Microsoft 365・Office 365 などに提供されているツールですが、チーム内チャットやグループ会議、スケジュール機能など、多くの機能が搭載されています。
プロジェクトチームや部署内での作業に必要なツールが備わっており、無料で利用できる無償版も公開されています。有償版と比較すると一部機能が省略されているため、ビジネスで利用する場合には、有償版の利用をおすすめします。
Microsoft Teams をより効率化させるツールとは?
Microsoft Teams をより効率化させられるツールが、Provisioning Flow です。Provisioning Flow は、Microsoft Teams や Office 365 のメーリングリストなどの払い出しを自動化できます。
Microsoft Teams は、これまで分断されていた社内の情報や作業を横断的に共有することが可能です。チーム間のコラボレーションも実現できます。
Microsoft Teams には運用課題もありますが、Provisioning Flow を利活用すれば課題を解決可能です。ワークフローを介した自動設定で、申請の見落としや作業遅れを防止するなど、結果としてグループウェアの効率的な運用を実現できるでしょう。
まとめ
グループウェアは、ビジネスで必要とされる多種多様な IT 関連ツールがパッケージになっているソフトウェアです。グループウェアによって、搭載されている機能や設定が異なるため、よく調べて自社に適したグループウェアの導入を目指しましょう。
おすすめのグループウェアは、Microsoft Teams です。グループやチーム、部署内での作業に必要なツールが備わっています。さらに進化した利用を求めるのであれば、SBテクノロジーのクラウド設定自動化ツール「Provisioning Flow」の活用をご検討ください。日本企業が必要とする複雑なワークフローを、かんたんに作成・管理できます。