データ管理が増えた分だけ不正アクセスや情報漏えいリスクは高まります。そのため、セキュリティ強化はどの企業でも目をそらすことはできません。この記事では、セキュリティ強化についての重要性や方法、メリットなどについて紹介します。セキュリティ強化の必要性について考え、セキュリティ強化を検討の方はぜひ参考にしてください。
企業のセキュリティ強化の必要性
企業が持っているデータは膨大であり、機密情報や個人情報も多いためセキュリティ強化が必要です。セキュリティ強化の必要性について、以下の見出しに沿って解説をしていきます。
セキュリティ強化とは?
セキュリティ強化とは、アクセス制御などを使い、情報漏えいや外部からの侵入などのリスクからシステムや情報を守ることをいいます。手法には、通信データの暗号化、パスワードや ID の認証、データのバックアップ、クラウドセキュリティなどがあります。
アクセス制御は、ユーザーごとに行動制限をすることで、外部からアクセスされた場合でも情報流出を防げます。識別とは、ユーザー自身が誰であるかをユーザー名や IP アドレスから識別することです。認証はユーザーしか持ち得ないパスワードや指紋、顔などでチェックをする方法です。そのほかのセキュリティ強化についても、以下で解説をしていきます。
強化する必要性
今やほとんどの企業で、業務の際にインターネットを使っており、情報システムを利用しています。情報システムやインターネットは業務を効率化できる反面、セキュリティが甘ければ、どこからでもアクセスでき、事故のリスクも大きくなってしまうことが課題です。情報漏えいの発生を防ぐためには、時代に合わせたセキュリティ強化が必須であるといえます。
セキュリティ強化のための対策
セキュリティ強化のための対策にはどのようなものがあるのでしょうか。以下の見出しに沿って解説をしていきます。
通信データの暗号化
インターネットを使うからには、常にどこからかデータの盗聴や改ざん、不正アクセスをされる可能性があります。そのため、通信データを暗号化し、外部からでは読み取れないデータにするセキュリティを行うとよいでしょう。
公共の Wi-Fi などを使うと、暗号化されておらず、外部からの不正アクセス経路となりかねません。社外で PC を使う場合には、高度なセキュリティ状態をつくり、安全な場所からアクセスするようにしましょう。
パスワードや ID の認証
ID やパスワードが流出してしまうと、不正アクセスを受けて機密情報の流出リスクを大きくしてしまいます。複数のサービスを使っている場合には、それぞれの ID とパスワードを別のものにしましょう。
また、パスワードは誕生日や自分の出身など自分が思いつくものにしてしまうと危険なため、自らの意思が介入しないツールにて作成するなど工夫をしましょう。認証の強化には、ID とパスワードを入れ終わった後に、さらに個人しか知らないツールや端末でのワンタイムパスワードなどがあります。
データをどこで保管するか
データを保管する場所を国外ではなく国内にしましょう。データセンターが国外の場合は、設置する国の法律が適用されるために、何か問題が起きた時になすすべがありません。データの検閲や差し押さえ、サーバーの停止などを実行されてしまう可能性があります。
また、国内の場合でも、保管場所をしっかりと把握し、暗号化やバックアップ、HSM といった機能を用いて、鍵管理や秘密分散処理をしておくとよりセキュリティ強化が可能です。
データのバックアップ
データのバックアップをした際に、サーバーが外部であった場合や、不具合や障害が起きた場合にデータ消失などの問題が起き復元できなくなる可能性があります。管理する従業員の操作ミスによってデータを消失させてしまったり、停電などの人的ミスではないものが原因でデータを失うこともあります。万が一のことを考えて、データを別の場所にもバックアップしておき、すぐに復元できるようにしておきましょう。
クラウドセキュリティについて
クラウドサービスを使う場合もセキュリティ強化が必要です。クラウドセキュリティとはどういったものなのか、以下の見出しに沿って解説をします。
クラウドセキュリティとは?
クラウドセキュリティとは、クラウド環境の特有のリスクへの対策のことを指します。クラウドセキュリティは、クラウドサービス事業者とクラウドサービス利用者、それぞれがセキュリティ対策を行う必要があります。
クラウドとは、今まで PC 環境にソフトウェアをインストールして、自社で独自の内容に合わせて制作し管理していたものを、必要に応じて「必要な分だけ」オンラインを経由して利用するサービスです。便利な反面、インターネットを多く使用するためハッキングや情報漏えいのリスクがあります。そのため、クラウドセキュリティは非常に重要です。
ネットワークセキュリティとの違い
ネットワークセキュリティとクラウドセキュリティの大きな違いは、自社で保有し運用するかどうかです。ネットワークセキュリティの場合は、オンプレミスであることが多く、設計製作を行い、自社で管理をします。一方、クラウドセキュリティの場合は外部サービスを必要なシーンに必要な分だけ利用する形となります。
インターネットに安全に接続をして利用するという目的ではどちらも同じ役割を担っていると考えてよいでしょう。一般的にネットワークセキュリティの場合は、社内ネットワークでの運用となるので、外部からのアクセスや攻撃も少ないため、セキュリティ面でのリスクはクラウドよりも低いといえます。
クラウドサービスセキュリティのメリットとデメリット
クラウドサービスキュリティのメリットとデメリットはどういった面があるのでしょうか。以下の見出しに沿って解説をします。
メリット
クラウドサービスセキュリティのメリットは、パソコンなどの端末そのものに保存をしなくても作業が可能な点です。また、セキュリティを専門的に行っている企業に依頼をして実行してもらうため、自社での部門をつくり管理するのと同等、またはそれ以上の強固なセキュリティ環境で業務に取りかかれます。そのため、ハッキングのリスクなどを減らすことができます。一般的に24時間体制であることが多く、不正アクセスがあった際にはすぐに検知が可能です。
また、不正アクセスやウイルス感染、データ改ざん、情報漏えいなどといったセキュリティ事故が発生した場合にも、すぐに復旧を支援してくれます。万が一の状況に対応が可能な点も大きなメリットといえます。
デメリット
クラウドセキュリティのデメリットは、インターネットに必ず接続をして、外部でのセキュリティ管理となるため、オンライン環境が必要となってしまう点です。また、自社での監視ができないため、外部の環境にどうしても依存してしまうこともデメリットの一つです。
さらに、セキュリティポリシーの徹底が難しく、企業が統一しても、従業員がミスしてしまう可能性もあります。社内のパソコンではなく、私物のパソコンからクラウドサービスを利用してしまい、情報漏えいにつながるなどの危険性もあります。
セキュリティ強化のための注意点
セキュリティ強化のための注意点には、どういったものがあるのでしょうか。以下の見出しに沿って解説をします。
従業員教育を定期的に行う
高機能であるセキュリティサービスを利用したとしても、業務を行うのは自社の従業員です。セキュリティ強化するためには、従業員の定期的な教育が必須ともいえます。社内外の担当者が定期的に勉強会などを開き、知識を身につけ意識づけをする機会を設けることが大切です。
また、セキュリティ関しての e ラーニングを義務づける方法もあります。学んだ内容を行動に反映できているかをチェックする仕組みも用意しておくとよいでしょう。
退職者のアカウント管理
クラウドサービスを使用していた社員が退職する際、ログイン情報やアカウントの処理が必要です。また、個人のパソコンやスマートフォンからアクセスできないように、権限の変更や削除を即座に行うようにしましょう。
ただし、給与情報は年末調整や確定申告などに使います。退職後も必要となる情報に関しては、アカウントからアクセス可能にするなどをして、適切なタイミングで削除を行うように注意しましょう。
指定の端末外からのアクセス
クラウドサービスはインターネット環境がある場所であればアクセスが可能なため、指定の端末外からアクセスをしないように注意をしましょう。従業員個人のパソコンやスマートフォンを業務に使用する場合は、セキュリティ対策が万全でないことも多くあります。そのため、企業側から指定する、配布するなどして、アクセスをするルートを制限しましょう。
また、個人のアカウントと IP アドレスが一緒でなければ利用不可にし、さらに二段階認証などを導入することで、情報漏えいリスクをより減らすことができます。どうしても個人のパソコンを使う場合には、VDI を利用してオフィス環境と同じ状態を保つことで、セキュリティ強化が可能です。
まとめ
インターネットを使い業務効率化するなら、セキュリティ強化が必要です。クラウドセキュリティなら社内のセキュリティ環境よりもよい状態で管理ができるため、検討してみるとよいでしょう。
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