社内の情報共有が不十分な場合、業務効率や生産性が低下するおそれがあります。効率化アップのためには、時間や場所の制限を受けず、社員が情報を活用できるようにしておくことが重要です。
情報共有ツールは、個人同士でのやり取りに加え、大人数のグループでの運用ができるものもあります。ファイルの共有やコミュニケーションに関する課題を解決する方法として活用しましょう。
情報共有とは
ビジネスにおける情報共有とは、個々の社員が持つ情報をメンバー間で共有することです。人・時間・場所の制限がないため、同じ情報を共有し、活用できます。また、情報共有を確立することにより、社員同士のコミュニケーションが活発になり、業務の効率化が期待できます。
情報共有ツール導入のメリット
情報共有ツールの導入は、社内にさまざまなメリットをもたらします。ここでは、代表的なメリットについて解説します。
業務の効率化
情報共有ツールを導入すると、必要な資料や情報を各自で探し出して作業を進められるため、書類の受け渡しに時間をかけずに済みます。オンラインで共同作業できるツールは、複数メンバーで同時に作業することも可能です。チャットツールなどの活用で、メンバー同士のやりとりも簡素化できるでしょう。
コミュニケーションの活性化
テキストによるチャットは、メールや電話よりもシンプルで、気軽に使用できます。過去の会話のログをたどることで、伝達漏れも少なくなります。ビデオチャットのオンライン会議を利用すると、離れた場所にいる人とも顔をあわせて話せるため、社内のコミュニケーション活性化につながるでしょう。
検索性の向上
資料や議事録などの情報をオンラインで保存すると、誰でも必要な時に情報を取り出せます。口頭やオフライン会議で情報を伝えても、共有できるのはその場にいた人のみになりがちです。あとから探しだすことも難しいケースも多いですが、データとして記録されると、必要な情報を検索して、簡単にアクセスできるようになります。
ノウハウの社内蓄積
情報共有ツールの活用により、社内におけるさまざまなノウハウや知識が蓄積されます。それらは企業にとって、大きな財産となるでしょう。また、社員同士でノウハウを共有することで、業務の属人化を防ぎ、社員の急な退職にも対応できるようになります。
情報共有ツールの種類
情報共有ツールには、さまざまな種類があります。それぞれどのようなツールなのか解説します。
ビジネスチャット・社内 SNS
個人同士もしくはグループで、テキストチャットやビデオチャットができるツールです。大人数でも素早く確実に情報を伝えられます。グループでのビデオチャット機能を使用して、オンライン会議や、複数人でのファイル共有も可能です。
ファイル共有・管理
オンラインでファイルやデータを保存し、共有するストレージサービスです。ファイルの一括管理や、複数メンバーによる編集もできます。アカウントごとに権限を変えて、一部の人だけが編集するという使い方も可能です。社外からもアクセスできます。
社内 wiki
「社内情報に特化したウィキペディア」という意味です。ノウハウ、情報、議事録などのデータをまとめて保管することにより、社員が読むべきマニュアルとして蓄積できます。オンライン上でまとめると、検索性も向上し、オフラインで紙の書類を探すよりも早く、目的の情報にたどりつきます。
グループウエア
グループウエアとは、情報共有ツールのさまざまな機能を、ひとつのパッケージにしたものです。社員のスケジュールやタスクの管理、社内向け掲示板、ビジネスチャット、ToDo リスト、ファイル共有など、情報共有に必要とされる機能がそろっています。
情報共有ツールの選び方
情報共有ツールを選ぶときには、機能性、使用人数や費用、操作性、検索機能などに注目するとよいでしょう。
機能性
機能の多さではなく、自社に必要な機能がそろったツールを選ぶことが大切です。コミュニケーション重視ならチャットツール、資料の保存や共有ならファイル共有ツールといったように選ぶといいでしょう。
使用する人数と費用
情報共有ツールは、使用人数により、保存するデータ量も変わります。そのため、ツールの多くは、使用人数によって料金が決まります。無料でできる範囲や、自社の人数での料金などを確認しましょう。
操作性
情報共有ツールのなかには、IT の知識がないと操作が難しいものもあります。自社の社員の IT スキルにあわせて、使用する社員全員が使えるものを選びましょう。操作が難しかったり操作性が悪かったりすると、導入しても浸透せず、使う人が限られてしまいます。
検索機能
情報共有ツールを使うなら、検索機能は必須です。大量のデータのなかから、必要なものをすぐに見つけられると、データを探す手間や時間が省けます。検索方法の種類や速度、検索精度などを確認しましょう。
情報共有ツールを運用する際の注意点
ここでは、情報共有ツールを運用する際に気を付けるべき注意点を解説します。
目的の不一致
現在の課題を把握し、どのような目標を定めるべきかを全員で共有します。情報共有ツールでどう解決していくべきか理解しましょう。情報共有ツールを導入する目的があいまいなままでは、ささいなこともチャットで報告するようになります。その結果、業務に支障をきたすといった、本来の目的とは違った使用方法になる可能性もあります。
対面でのコミュニケーション不足
情報共有ツールでは、対面しなくてもコミュニケーションをとれます。しかし、企業においては対面でのコミュニケーションも大切です。テキストチャットのやり取りが標準化すると、直接会話する機会が減ってしまいます。すべてツールを介して会話をするのではなく、適宜顔を見合わせて会話する機会をつくるようにしましょう。
情報過多
情報共有ツールでは、複数人で運用していくうちに大量のファイルや資料、ログなどのデータが蓄積されていきます。そのため、いざ必要なデータを探そうとしても、時間がかかってしまうかもしれません。逆に作業効率が落ちてしまうこともあります。検索機能が充実しているツールを選んだり、記録するデータを取捨選択したりするなど、上手にツールを使いましょう。
おすすめの情報共有ツール
数ある情報共有ツールのなかから、おすすめなものを機能別に紹介します。自社の課題を解決するためのツールを見つけましょう。
ビジネスチャット・社内 SNS
ビジネスチャットや社内 SNS は、社内のコミュニケーションの問題を解決し、活発化させるためのツールです。
Microsoft Teams
Office の製品と連携して活用できるチャットツールです。GIF やステッカーを駆使したチャット機能、ビデオ会議、通話に加えて、Word や PowerPoint などの Office ソフトを、リアルタイムで共同編集できるなどの機能があります。
slack
Google カレンダーをはじめとする、1500もの外部サービスと連携できるツールです。ビジネスチャットツールとして高い人気を誇り、日本国内でもかなりの利用者がいます。音声通話も可能で、よく利用するコードを保存しておくスニペット機能があり、とくに IT 企業に人気が高いです。
chatwork
容量の制限がなく、大容量のファイルも送受信できるチャットツールです。通話もビデオ通話も無料でできるため、内線を引く必要もなくなります。それぞれのタスクを登録するタスク管理機能もあり、現在何をすべきかを一目で把握できます。
社内 wiki
社内 wiki とは、社内のナレッジを蓄積しマニュアル化するツールです。おすすめの社内 wiki ツールを紹介します。
esa
esa(エサ)は、はじめから完璧に作るのではなく、早めに情報を共有して、チームで育てていくというコンセプトのツールです。編集履歴が残るため、修正作業の多い環境では便利です。チャットの気軽さと、社内 wiki の情報蓄積能力のメリットを掛けあわせたサービスです。
Qiita Team
Qiita Team(キータチーム)はプレーンテキストによる簡単な文書を登録し、社内で共有するためのツールです。Markdown 記法に対応しているため、エンジニアの利用が多い傾向にあります。コメントに「いいね!」機能があり、投稿に対して気軽に反応できます。
DocBase
DocBase(ドッグベース)は、複数の場所に保存されていた情報をまとめて、必要なものをメンバー内で共有するためのツールです。メモの作成は、リアルタイムで表示されるため、同時に作業が可能です。タグ機能がついており、情報の検索やグループ分けも簡単にできます。
ファイル管理
ファイル管理として、クラウドでファイルを一括保存、管理ができるツールを紹介します。
SharePoint Online
Microsoft が運営するファイル共有サービスで、オンライン上でファイルを保存することができます。また、複数のメンバーによる共同作業も可能です。場所や時間に関係なく使用できるため、テレワークでよく活用されているサービスです。
SharePoint Online は、パソコンだけではなく、スマートフォンやタブレットからもアクセスが可能です。ファイルによってダウンロード禁止にするなどの制限機能があり、個々の端末から機密情報が漏れないように対策できるため、セキュリティ性も高いといえます。リストという機能を使えば、ファイル内のデータも検索できます。
box
ドキュメントや画像など、さまざまなファイルをクラウドに保存できるサービスです。外部からの脅威に備えた高度なセキュリティ制御や、ファイルごとに権限を変更できるなど、安全性はかなり高いでしょう。ファイル名、タグ、更新日など、さまざまな検索アプローチが可能です。
ASTRUX SaaS
オンライン上で文書を一括管理して、業務効率を上げるツールです。ファイル名、更新日、ファイルサイズ、コメントなど、多様な検索方法があります。アクセス履歴閲覧機能により、不正アクセスが起きないよう監視も可能です。
グループウエア
グループウエアとは、ビジネス向けの情報共有ツールの機能を包括したパッケージです。そのなかから、おすすめのものを紹介します。
Google Workspace(旧 G Suite)
Google が提供するグループウェアツールです。Gmail、オンラインで文書作成ができるドキュメント、表計算ができるスプレッドシート、オンライン会議の Google Meet など、ビジネスに必要な機能が揃っています。
Microsoft 365(Office 365)
Microsoft が運営するソフトウェアで、複数のメンバーがオンライン上で Office ファイルを共有したり、編集したりできます。ファイル共有をはじめ、共同作業やコミュニケーションを円滑に進めるために活用されています。また、テレワークを導入する、多くの企業が採用しています。
導入すると、パソコンのほか、スマートフォンやタブレットでもアクセスできるため、自宅やカフェなど、会社以外の場所でも作業ができます。ただし、ウィルス感染による情報漏えいなどを防ぐためには、セキュリティ対策をしっかり行いましょう。
まとめ
社員間での情報共有、ノウハウや知識の蓄積と活用には、情報共有ツールの導入がおすすめです。さまざまな機能や特徴があるため、自社の目標を明確化したうえで、問題解決に役立つツールを選びましょう。
情報共有ツールとしておすすめのサービスは、SharePoint Online です。SharePoint Online の運用を楽にするサービスとして、SBテクノロジーが提供する、SaaS 型のオールインワンテンプレートサービス「OnePortal Modern」を利用してはいかがでしょうか。
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