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Sitecore Streamによる、ブランドの一貫性と創造性を両立したAIコンテンツ生成

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岩本 成葉

デジタルマーケティングの現場では、複数チャネルにわたる一貫したブランド体験の提供が求められる一方で、コンテンツ制作には膨大な時間と労力がかかります。

こうした課題に対し、Sitecore社が提供するのが「Sitecore Stream」です。
Sitecore Streamは、Sitecore製品群に統合されたAI機能群であり、マーケター向けに設計されています。Microsoft Azure OpenAI Serviceを基盤に構築されたSitecore Streamは、マーケターの創造性と効率性を両立させる新たな可能性を提示しています。

本記事ではSitecore StreamにおけるAI機能の中から、長文コンテンツの生成にフォーカスして「Brainstorming」機能をご紹介します。


AIイメージの図

Brand Assistant機能で一貫性を保つ

Sitecore Streamは大きく分けて以下の3つの機能群で構成されています。

  • Brand-aware AI:ブランドに即したコンテンツ生成
  • Copilots and Agents:マーケティング支援AIアシスタント
  • Agentic Workflows:AIによる自律型ワークフロー管理
機能の詳細についてはこちらよりご確認ください。
Sitecore Streamの3つの機能群の図
出典元:サイトコア社からの提供資料から掲載

今回は、Copilots and Agentsの一部である、Brand Assistant機能およびBrainstorming機能について、長文コンテンツ生成の観点からご紹介します。

Brand Assistantを使用するとコンテンツの作成、キャンペーンの開始、ガイドラインの確認など、ブランド情報への迅速なアクセスが可能です。
Brand-Aware AIに分類されているBrand Kitに対し、あらかじめブランドデータを登録しておくことで、Brand Assistant機能は、ブランドに合わせたコンテンツの生成や管理、もしくはQA対応を行うことができます。

これにより、さまざまなチャネルにわたってブランドのトーンとスタイルを反映したコンテンツを作成できます。さらに、マーケティング戦略・トレンド・競合他社・顧客の洞察調査や、目標・対象ユーザー・主要メッセージを含むキャンペーン概要の草案作成が可能です。

Brand Assistant機能は以下のようなプロンプト(質問や指示など)入力によりさまざまな指示を与えて機能させるものです。

Sitecore Streamのプロンプト入力画面

これらを踏まえ、ブログ投稿用の文章や記事などのより長く詳細なコンテンツを生成してくれるのが、次章でご紹介するBrainstorming 機能です。

Brainstorming機能で長文コンテンツを生成する

Sitecore Streamの中でも特に注目すべき機能の一つが「Brainstorming」機能です。

「Brainstorming」機能は、ブランドのメッセージやアイデンティティに沿ったブログ投稿や記事など、長文コンテンツの生成を支援し、マーケターのアイデア創出をAIが伴走する形で支援します。

Brainstorming機能に切り替える画面

Brainstorming機能の特徴と仕組み

プロンプトを入力し、ブレインストーミングオプションを選択するとAIがアウトライン作成、質問生成、情報収集、応答生成までを段階的に実行します。また、Brand-aware AI機能群に分類される「Brand Kit」機能を通じてブランドデータを登録していた場合、そのデータに存在するトーンや文法ガイドライン、チェックリスト部分の内容を参照して、ブランド整合性を保ったコンテンツを生成します。

Brainstorming機能の思考プロセス

Brainstorming機能を有効にした状態でユーザーが、Brand Assistantにプロンプトを入力すると思考プロセスが開始され、一連のAIエージェントを活用します。本機能の特徴の一つは、AIエージェントが「思考の連鎖ワークフロー」を用いて定義された順序で作業を進め、推論を説明し、関連性のある包括的な回答を生成可能な点です。この段階的な思考アプローチによって、AIは複雑なタスクをより小さく、管理しやすいステップに分割することができます。「思考の連鎖ワークフロー」の流れは以下の通りです。

  • AIエージェント1:プロンプトを確認し、トピックに基づいて構造化されたコンテンツのアウトラインを作成する。
  • AIエージェント2:コンテンツ生成に必要な情報を収集するために、質問リストを生成する。
  • AIエージェント3:ブランドナレッジ、ウェブから質問への回答を検索する。
  • AIエージェント4:回答がユーザーの最初のプロンプトに完全に対応しているか確認する。対応していない場合は最大3回まで概要確認・質問・検索をやり直すことが可能。

 

上記のワークフローを経て、Brand Assistantが要約と編集可能なコンテンツブロック(アーティファクト)を含む最終的な応答を生成します。これにより、生成される長文コンテンツは単なる文章ではなく、ブランドの価値や世界観を体現したものとなります。

AIイメージ図

ブログ記事生成例

最後にBrainstorming機能を活用した、ブログ記事生成例をご紹介します。

例えば以下のように「Sitecore Streamの概要を説明するブログ記事を日本語で入力してください。」とプロンプトを入力します。

プロンプト入力画面

 数十秒後には、以下のようにBrand Assistantがブランドデータを考慮したうえで、ブログ記事を生成します。

出力されたコンテンツの画面

成されたコンテンツのテキストは直接手動で編集することができ、インラインで編集・強調表示・書き換え・削除を行います。

インライン編集中の画面

また、編集後は「Quick Action」と呼ばれる、長文化・短縮・簡略化・言い換えを行えるAI支援オプションを使用して、コンテンツの更なる最適化を可能にします。

Quick Actionの表示画面

まとめ

ここまでご紹介してきたように、Sitecore StreamのBrainstorming機能は、マーケターが戦略的な業務に集中できる環境を整えると同時に、ブランドの一貫性と創造性を両立させる強力なツールです。AIが単なる補助ではなく、思考のパートナーとして機能することで、コンテンツ制作は新たなフェーズへと進化しています。

SBテクノロジーでは、長年の Sitecore製品導入実績を活かし、最適化された移行プランをご提示可能です。 Sitecore Streamを含むSitecore製品の導入に関する詳細情報につきましては、お気軽に以下リンクよりお問い合わせください。

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