こんにちは。データサイエンスチームの八木です。
皆さんは自社のデジタルマーケティング領域におけるデータ活用について課題に感じていることはありますでしょうか。基礎的な集計のみ、A/B テストなど基本的な効果検証の実施、統計学や機械学習を使った分析など、企業によってデータ活用の到達レベルに差があると思いますが、BtoB や BtoC を問わず、企業目標を達成するためには取得したデータからインサイトを見つけて施策を回していくことが重要です。そこで今回はどのような課題に対してどういったデータ分析を行い解決に導くのか、デジタルマーケティングの分野でいくつか分析例をご紹介しようと思います。すでに DX に取り組んでいる方やデータ収集のための基盤 (CDP) 構築をこれから実施される方もぜひ参考になさってください。
デジタルマーケティングで施策を実施する意義として、本記事では「営業活動負荷を軽減し、ユーザーのステータス/志向に適合したきめ細やかな営業施策を実施すること」とします。
その中で、以下のような課題をお持ちではないでしょうか。
これらの課題に対し、解決策の一つとして統計学や機械学習による分析を実施することで、課題解決へと導くことができます。次の節で詳しく見ていきましょう。
前節であげた「メルマガ・クーポンの送付、Web ページ・広告」や「営業アプローチ (電話、メール) 、ユーザー問い合わせの対応」に対する課題から、メルマガ施策、Web /広告、ユーザーアンケート/レビューの 3 つの解決策を考えてみます。
解決方法となる分析と得られる効果を整理してみると、以下の図のようになります。
今回ご紹介した分析での解決方法以外にも以下のような解決策を実施することもできます。
また、その他のテーマの分析例だと、例えば製品の将来の需要量について可視化できておらず、製品販売計画が非効率であるという課題に対して、時系列モデルによる需要予測を行い製品販売計画の精緻化を実施するといった分析ができます。これにより、製品やサービスの費用対効果向上を狙えます。
ここまで見てきたように、機械学習・AI は課題解決のための一手段として、現場が抱える様々な状況に応じた分析を行うことが可能です。本節ではデータ分析によってどのように課題を解決するかを中心に見てきました。次の節では、それらの分析に使用するデータについて見ていきましょう。
使用するデータとしては、先ほどの分析例で考えると以下のデータが挙げられます。例としてデータのイメージを載せていますので、参考になさってください。
Marketo などのマーケティングオートメーションのデータや顧客属性データ
Web アクセスログ (Adobe Analytics や Google Analytics) やサイトマップなどのサイトに関わるデータや、広告出稿費データや広告ログといった広告費用や配信結果
ユーザーから集めたアンケートデータやレビューサイトの口コミ情報、SNS データ
プロジェクトの進め方としては、まず、これらの分析に使用したいデータが社内にあるかどうかの確認が必要です。その上で、社内にこれらのデータがない場合は、代替可能なデータがあるかどうか、補完できる情報があるかなどを確認して分析を進めることになります。
また、統計・機械学習の技術を活用して課題を解決するだけでなく、Microsoft 社が提供する可視化ツール (Power BI) を導入する、データ基盤を統合するなど、他の手段によって課題を解決できないかについても同時に検討する必要があります。
例えば、Web訪問、マーケティング情報、営業活動情報を収集し、顧客嗜好や傾向を多面的に分析したいといった場合、顧客データ基盤 (CDP) を構築して様々なデータを統合し、Power BI で各情報を可視化します(データはダミーです)。これにより、マーケティング施策結果やプロジェクト数、受注件数などの結果を簡単に把握することができ、業務改善に活用することが可能となります。
実際のプロジェクトですと、将来的なデータ活用を見据えて、データの収集基盤構築プロジェクトを進めながら機械学習モデルの検証 PoC を進めることも多いです。実施してみたい分析があるお客様もどのように課題を解決すればよいか迷われているお客様も、ぜひ一度 SBT にご相談ください。
本記事では、現場の課題に対して機械学習・AI を用いた解決策や使用するデータをご紹介しました。SBT では各種デジタルマーケティングツールで実施可能な施策に対するコンサルティングサービスはもちろんのこと、高度な予測モデルの作成や BI ツールによる可視化の支援、分析活動の深化や予測結果を利用したアクションの最適化についてもサポートしています。
しかし、こういった分析を一足飛びで行うことは難しく、まずは数値やエビデンスをベースにして判断できる組織文化を醸成することが大切です。そのためには、まず小さなところから検証を行い、少しずつエビデンスベースの施策効果の検証を行ったり、数値ベースでの評価を行ったりといった、実績を積み重ねていくことが重要です。また、これらは解決策の一つにすぎず、Excel での簡易分析を行うことができるようになる、可視化ツールを使ってレポーティングできるようになるといった解決策も十分に効果を発揮することがあります。環境の整備と機械学習・AI の活用を両輪で進めるケースもありますし、どのような解決策を選択するかはお客様の方針やゴール、期間によっても異なります。そのため、分析前に将来の全体像から逆算して分析の目的を明確にし、課題解決につながる分析プロジェクトを推進していきましょう。
SBT では、このようなデジタルマーケティング分野での AI 活用支援をはじめ、様々な分野での機械学習モデル構築を承っております。現行の作業を軽減してより重要な作業に時間を当てたい、取得しているデータを活用して課題解決を行いたいなど AI 活用を検討中のご担当者の方がいましたら、ぜひお問い合わせください。まず何から始めればよいか悩んでいるといったお客様も、お気軽にご相談いただければと思います。
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