DX station

Marketo のエンゲージメントプログラムって? ー顧客育成設定についてー

human01

志村 拓哉

こんにちは、SBテクノロジー(以下、SBT)デジタルマーケティングブログチームの志村です。

今回の記事では、マーケティングオートメーションツール Adobe Marketo Engage(以下、Marketo)の代表的な機能の1つである 『エンゲージメントプログラム』 についてご紹介します。
この機能は、顧客の興味関心や検討段階に応じて、適切なタイミングで、最適な情報を訴求することができる機能です。
この記事を通じて、マーケティングオートメーション(MA)ツールを使用した見込み客の育成(ナーチャリング)施策について、少しでもご興味のある方にお役に立つ情報をお伝えできればと思います。

MA ツールってそもそもなに?という方は、まずこちらの記事から読んでいただくことをおススメします!

MA ツールっていっぱい種類があるけど、どこが違うの?~ Marketo Engage 編~





Marketo プログラムについて

エンゲージメントプログラムについてご紹介させていただく前に、まず Marketo にて設定可能なプログラムについて簡単にご説明します。
プログラムとは Marketo 上で施策設定する際、その施策内容を定義する構成要素のことを指し、1施策につき基本的に一つ設定する必要があるものです。プログラムの種別ごとにできることが異なります。Webinar・イベント施策や、ニュースレターなどの施策ごとの目的によって適切なプログラムを作成の上、施策設定を進めていただく形になります。
Marketo で設定できるプログラムは以下の4つです。

  • メールプログラム
  • イベントプログラム
  • エンゲージメントプログラム
  • デフォルトプログラム

メールプログラム

単発でのメール配信時に利用するプログラムとなります。
主に、ニュースレターや、告知・集客の一斉メール配信等を行う際に使用するプログラムとなります。
件名や配信日時で A/B テストを実施したい場合も、このメールプログラムにて行います。

イベントプログラム

Live イベントや、Webinar などのイベント集客時に使用するプログラムとなります。
イベント招待、登録通知、フォローアップメールなど配信や、スケジュール機能を使用してイベント当日までに行うべき施策などのタスク管理も可能です。
外部のイベントプラットフォームとの連携も行うことができます。(例:Zoom、WebEx、Adobe Connect など)

エンゲージメントプログラム

顧客の興味関心度合いや、コンバージョンまでのステータスに応じて、適切なタイミングで、最適な情報を顧客へ訴求してナーチャリングを行う場合等に利用されるプログラムとなります。 顧客育成プログラムとも呼ばれたりします。
詳細については後ほどご紹介させていただきます。

デフォルトプログラム

スコアリングの制御や、リストインポート等、上記1~3のプログラムに該当しない場合に利用できる汎用的なプログラムとなります。 こちらのプログラム内でもメール送信を行うことが可能で、分岐型のフローシナリオを実施する際に使用したりします。


今回の記事では、上記のプログラムの中の、『エンゲージメントプログラム』についてご紹介します。



エンゲージメントプログラムとは

エンゲージメントプログラムとは、カスタマージャーニーをもとに事前に定義した顧客ステージ応じて、訴求したい内容を自動で配信する仕組みとなります。
Marketo 上では、顧客ステージを「ストリーム」という単位で管理しており、ストリーム毎に訴求したいコンテンツを設定いただくことで、対象顧客がどのストリームに所属しているかによって適切な内容を訴求することができます。
そのため、MA ツールでよくある分岐型フローシナリオとは異なり、顧客体験を中心としたカスタマージャーニーに沿った施策設計が可能となります。

marketo engagement program


それでは次に、エンゲージメントプログラムを実施する際に、どのような情報と設定が必要となるのかご紹介します。



エンゲージメントプログラム設定について

エンゲージメントプログラムでは、以下大きく4つの要素の設定が必要となります。

  • ストリーム
  • コンテンツ
  • ケイデンス
  • 遷移ルール

ストリーム

ストリームとは、エンゲージメントプログラム内で顧客のステージを定義する要素となります。 ストリームごとに訴求したいコンテンツを設定しておくことで、各顧客が該当ストリームに遷移してきたタイミングより、特定の間隔でコンテンツが自動で送信がされます。
ストリーム数は最大15個まで設定が可能となり、各ストリームの名称は任意で設定できます。
施策目的より、カスタマージャーニーに沿って、訴求すべき内容が異なるステージごとにストリームを用意し、顧客にとって適切なコンテンツを適切なタイミングで訴求することで、エンゲージメント強化を図り、リードを創出などのコンバージョンに繋げることが重要となります。

marketo stream


コンテンツ

コンテンツは、言葉の通り各ストリームで訴求したい内容を設定する要素となります。主にメールが該当します。
設定したコンテンツは、ストリームの上から順に配信され、顧客に対して1度配信されたコンテンツは消費済みとなり、再度送信されることはありません。
各ストリーム内に最大200個までコンテンツを追加することができ、コンテンツごとに有効期限を設定することも可能です。有効期限を設定することで、季節性のあるキャンペーンコンテンツ等は指定の期間以降は配信されないよう制御することができます。
またエンゲージメントプログラム施策開始後からでも、コンテンツは随時追加することができます。ストリーム内に設定したコンテンツがすべて送信済みとなった場合は、顧客への訴求はそれ以上行われないため、コンテンツ追加予定までを施策設計段階である程度想定しておくことをおススメします。

marketo content


ケイデンス

ケイデンスとは、各ストリーム内でのコンテンツ配信スケジュールを制御する要素となります。配信間隔や初回のメール送信日、何曜日の何時に訴求するか設定することが可能です。
ケイデンスの設定にて、祝日などの特定の日付を除外することはできません。
(※補足:スマートキャンペーンという機能を利用することで、一時的にエンゲージメントプログラムプログラムを停止することで祝日等の除外対応は実現することができますが、スマートキャンペーン詳細については次回以降で機会がありましたら紹介していきたいと思います)

marketo cadence


遷移ルール

遷移ルールとは、各ストリーム間での遷移ルールを定義する要素となります。
CRM などと連携することで顧客のステータスにあわせてストリームを遷移させることも可能ですし、特定のアクション(フォーム提出)や、スコアリングの点数をもとにストリーム間の遷移条件を指定することもできます。
この遷移ルールをもとに、顧客がどのストリームに属するかが決定されるため、実際に受注など成果につながった顧客の行動データをもとにルール定義を行う、またはチューニング対応を定期的に実施して最適化していくことが重要となります。

marketo transition rule



まとめ

今回のブログではエンゲージメントプログラムにて、カスタマージャーニーに沿った顧客の興味関心に応じた施策が実施できることをご紹介させていただきました。
MA ツールは様々な機能がございますが、施策目的・目標の観点を忘れず、お客様にとって最適なアプローチ方法を、PDCA を通して最適化することで成果につながるよう、ぜひ本機能の活用もご検討頂ければと思います。

もっと詳しく知りたい、現在の運用に不明な点がある等、疑問点やお困りごとがございましたら、以下よりお気軽にご連絡ください。

Marketo Engage に関するお問い合わせはこちら


関連ブログ記事

覚えておきたいMAツール「Marketo」用語解説集
MA ツールっていっぱい種類があるけど、どこが違うの?~ Marketo Engage 編~

関連ページ

マーケティング業務の効率化を実現 - Marketo Engage
デジタルマーケティング・コンサルティングサービス

お問い合わせ

製品・サービスに関するお問い合わせはお気軽にご相談ください。

ピックアップ

セミナー情報
クラウドエンジニアブログ
clouXion
メールマガジン登録