こんにちは、SB テクノロジー(以下、SBT )デジタルマーケティングブログチームの志村です。
この記事ではアクセス解析ツール『Adobe Analytics』について、実際にどんなツールなのか、特徴についてご紹介させていただければと思います。
(ネット上ではあまり情報が載っていないことも多いので・・・)
『Adobe Analytics』は、アドビ社が提供するアクセス解析ツールとなります。
お客様の様々な行動データを可視化して、簡単に分析・ボトルネックを発見できるソリューションとなります。
アドビ社では、『Adobe Experience Cloud』と呼ばれるクラウド基盤にて、様々なアプリケーションを展開しております。
CXM(顧客体験管理)をキーワードに、顧客理解と魅力的な顧客体験の向上を目的として、インサイト獲得、コンテンツ配信、エンゲージメントなどの最適化を図るためのアプリケーションを提供しており、その中の1つに『Adobe Analytics』が存在する形になります。
(機会があれば、別のソリューションについても紹介していきたいなと思ってます)
今回のブログでは、顧客理解に重要となる『Adobe Analytics』アクセス解析ツールの特徴について、いくつか触れていきたいと思います。
アクセス解析ってなんだっけ?という方はこちらのブログを参照いただければと思います。
サイト、アプリのアクセス解析が必要な理由とは? ~アクセスログから分かること~
それでは、Adobe Analytics の特徴について、6つご紹介していきたいと思います。
以下、データの可視化から分析、データ出力までの機能の特徴となります。
Adobe Analytics でのメイン機能となるのが、レポート作成・分析時に利用する分析ワークスペースとなります。
ドラッグ&ドロップでスピーディーかつ直感的な操作が可能となり、短時間でレポート作成及び、更新対応が可能となります。
もちろん SQL などの専門的な知識は不要となり、深堀分析したい項目に対してディメンション、セグメントを追加するだけでクロス集計が可能となり、価値のあるデータの早期発見につなげることができます。
個人的な感想となりますが、Google Analytics カスタムレポートや、Google データポータル等にも触れたことがありますが、分析の容易さ・操作性については、分析ワークスペースに分があるかなといった印象です。
Google Analytics には無償という大きな利点がありますので、手始めに分析してみたいといった方はまず Google Analytics から導入をご検討いただくのも良いかと思います。
実際にワークスペースでの操作詳細については、別の記事で紹介していきたいと思います。
セグメントについては、皆さんご存知でしょうか?
セグメントは任意のデータを絞って取得する機能となります。
例えば、『特集・キャンペーンページを閲覧した訪問』や、『2回以上資料請求を行ったユーザー』など特定条件をもとにデータ抽出して分析することが可能となり、セグメントに合致しなかった情報と比較することで、課題発見(コンバージョンにつながるセグメント)や、仮説検証を行うことが可能となります。
セグメントでは、以下3つの切り口でデータを抽出することが可能となり、かなり自由度の高い条件でデータの絞り込みが可能となっております。
また、Adobe Analytics には『計算指標』という機能も備わっております。
計算指標とは、任意の既存指標から四則演算等で新しい指標(カスタム指標)を作成する機能となります。計測コードの実装変更なく、指標を作成することが可能となりますし、より詳細は数値を算出の上、分析に活かすことができます。
計算指標の利用例をいくつかご紹介したいと思います。
【例】
・1訪問あたりの PV 数
・CVR(CV [購入回数] ÷ 訪問回数) ※1訪問あたりの購入回数
・CVR(CV [購入回数] ÷ 訪問者数) ※1訪問者あたりの購入回数
※設定例『CVR ( CV [購入回数] ÷ 訪問回数)』
Adobe Analytics では、Adobe Sensei と呼ばれる人工知能(AI)とマシンラーニング(機械学習)を組み合わせた機能を利用することができます。
こちら利用した機能を3つほどご紹介していきたいと思います。
Adobe Sensei を活用した『貢献度分析』は、分析ワークスペース上の異常値をワンクリックするだけで、異常値に関わるデータの特徴を自動的に抽出することができる機能となっております。
Adobe Sensei が蓄積された全てのデータを網羅的に計算し、異常値の原因とみられる特徴を抽出することで、手作業では発見できなかった観点をはじめ、分析時間を短縮し最短で適切なアクションにつなげることができます。
上述した『異常値検出』を組み合わせて利用することで、分析担当者へのデータの気付きから原因の発見までツール上でのサポートが可能となります。
Adobe Sensei を活用した『アトリビューション分析』とは、ラストタッチ等の直接コンバージョンにつながった接点だけの評価軸で貢献度を分析するのではなく、間接的な接点を含め、複数の評価軸(アトリビューションモデル)を利用することにより、顧客行動を分析・評価することが可能となります。
例えば広告施策評価の際に、直接貢献(ラストタッチ)のみで貢献度を見てしまうと、コンバージョンの刈り取りに貢献したリタゲ広告系の施策が高評価となり、ユーザーの認知に貢献していた広告があまり評価されないといった課題がよくあったりします。
このような場合、アトリビューション分析を利用して、モデル『ファーストタッチ』でブランドの認知や顧客獲得の促進となった広告や施策を把握したり、モデル『パーティシペーション』(均等配分)で、コンバージョンが発生するまでに経由したタッチポイントすべてに成功指標を割り振ることで、間接貢献を含めた評価が可能となります。
Adobe Analytics の『アトリビューション分析』では、10個程のアトリビューションモデルが用意されており、多彩な評価軸にてデータ分析が可能となります。
Adobe Analytics は、計測したデータを様々な形式にてエクスポートが可能となります。分析ワークスペース上でも、PDF や CSV にてデータ出力が可能ですが、Data Warehouse・DataFeed を利用して膨大なデータを取得することもできます。
Data Warehouse では、Adobe Analytics で計測されている形式にて特定のデータをフィルタリングして抽出することが可能となります。
DataFeed においては、Adobe Analytics からローデータを取得するための方法となり、FTP や API の利用もできるため、他の BI ツールとのデータ連携に活用することも可能となっております。
今回の記事では、Adobe Analytics 特徴として大きく6つご紹介させていただきました。このような様々な機能を活用してユーザーデータを分析・可視化して、インサイトを発見するための1つのソリューションとなります。
他ツールとの比較や製品情報の収集に少しでもお役に立てばとても嬉しく思います。
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