みなさん、こんにちは! E 木です。
早速ですが、皆さんは「Dynamics 365 Customer Insights」をご存知でしょうか。
Customer Insights とは、さまざまなソースに散在する顧客データを統合・分析することで、カスタマーエクスペリエンスの提供を支援する Microsoft の Customer Data Platform ( CDP 、日本語では「顧客データ基盤」と呼ばれることもある) です。
Customer Insights では、さまざまな顧客データソースからデータを取り込むためのコネクタが提供されています。多様なデータソースから取り込まれたデータを顧客プロファイルとして統合することで、高度な分析が可能になります。
また、プロファイリングされた顧客データをエクスポートするためのコネクタが多数用意されており、他システムへのデータ連携なども可能です。
そんな、顧客や市場のニーズを的確に理解するために役に立つ Customer Insights ですが、一部の機能がプレビュー版であることや日本ではまだ提供されていないものもあるため、実際に触れたことがある方は少ないのではないかと思います。
そこで本シリーズでは Customer Insights の概要や現在の Customer Insights が提供する機能についてご紹介します。
☑ 本記事は 10 分で読めますので、 Customer Insights に興味がある方は、是非最後まで読んでみてください。
本シリーズは全 2 回に分けて Dynamics 365 Customer Insights に関する内容をご紹介していきます。
前編
後編
Microsoft Dynamics 365 (Dynamics 365) は、クラウドで提供される、Customer Relationship Management ( CRM 、日本語では「顧客関係管理」と呼ばれることもある) および Enterprise Resources Planning ( ERP 、日本語では「企業資源計画」と呼ばれることもある) 機能の統合ソリューションです。
Customer Insights では、データソースからインポートされた顧客データを統合し、顧客プロファイルを作成することができます。
また、プロファイリングされた顧客データを分析し、顧客プロファイルや分析結果をエクスポートするためのコネクタが多数用意されており、他システムへのデータ連携なども可能です。
Customer Insights の機能を利用するには、以下のライセンスを購⼊する必要があります。なお、詳細は Microsoft Dynamics 365 ライセンスガイドを参照してください。
「Microsoft Dynamics 365 ライセンスガイド」はこちら
区分 | 月額料金(円) | 備考 |
---|---|---|
基本 | 163,070 円 | 基本機能 + 10 万 プロファイル含む |
追加プロファイル | 108,720 円 | 10 万 プロファイルキャパシティの追加購入 |
必要なライセンスを購入すると、次のような Customer Insights の管理画面にアクセスすることができるようになります。
また、下記のページから無料試用版を利用することも可能です。
Customer Insights | Microsoft Dynamics 365
Customer Insights ホーム画面
本シリーズでは、Customer Insights に標準で備わっている以下の機能についてご紹介します。
※現時点ではプレビュー段階のものや日本テナントでは利用できない機能もありますが、提供されるコネクタや利用できる機能が日々増えています。
※本記事でご紹介する内容は 2021 年 2 月時点での検証結果をもとにしています。
機能名 | 機能概要 |
---|---|
インポート | 提供されたコネクタを利用して、さまざまなデータソースからデータをインポートすることができます |
マップ・照合・統合 | インポートした顧客データから、顧客プロファイルを作成することができます |
スケジュール | 顧客プロファイルの自動更新スケジュールを設定することができます |
メジャー | Web アクセスや購入履歴などのトランザクションデータを顧客ごとに集計することなどができます |
活動 | 顧客の活動内容を顧客プロファイルのタイムラインに表示することができます |
セグメント | 顧客の属性(性別や年齢など)を定義し、合致する顧客データのみを抽出することができます |
レポート | Customer Insights のデータをもとに、表やグラフを作成することなどができます |
インテリジェンス | Customer Insights のデータをもとに、機械学習や予測を行うことができます Dynamics 365 Customer Insights > 対象者に関するインサイト > 予測 |
エンリッチメント | 顧客とブランド(製品)の親和性を評価することができます Dynamics 365 Customer Insights > 対象者に関するインサイト > データエンリッチメント |
エクスポート | 提供されたコネクタを利用して、さまざまなソリューションにデータをエクスポートすることができます |
各機能の関連イメージは次の図のようになります。
顧客データの統合プロファイルを作成するためには、データソースのインポートとそれらデータのマップ・照合・統合を行います。
本章では、顧客プロファイルを作成するまでの機能についてご紹介します。
Customer Insights で顧客プロファイルを作成するための顧客データをインポートする方法は以下の 3 通りから選択できます。
インポート方法 | 機能概要 |
---|---|
データのインポート | 提供されたコネクタを利用したインポート |
Common Data Model フォルダーへの接続 | Azure Data Lake からのインポート |
Common Data Service への接続 | Common Data Service (Microsoft Data Service) を使用しているオンラインサービスからのインポート |
データのインポートで利用できるコネクタは以下の一覧になります。
インポートしたデータは、Customer Insights のエンティティ(テーブル)に登録されます。
Customer Insights には顧客プロファイル用のエンティティ(顧客エンティティ)が存在します。
データのマッピングが完了したら、顧客データを照合するためには、照合のルールを作成します。
照合のルールには、複数のデータソースからインポートされた顧客データが何をもって同一顧客のデータであるか、という条件を設定します。
今回の検証では、顧客の氏名とメールアドレスが一致した場合、それらは同⼀の顧客データとしました。照合のルールを作成したら、インポートした複数の顧客データを照合し、全体の顧客数や顧客データ間で一致したレコード数を確認します。
データの照合結果を確認したら、照合した結果を基にデータの統合を実施し、顧客プロファイルを作成します。
複数のデータソース間で競合する属性(フィールド)が存在する場合は、優先度の高いデータソースの値が採用されます。
作成された顧客プロファイルは次のように表示されます。
DataOfBirth や Gender は一つ目のデータソースにのみ、Telephone は二つ目のデータソースにのみ存在する属性ですが、一つの統合顧客プロファイルとして表示されます。
Customer Insights では、顧客プロファイルの自動更新スケジュールを設定することが可能です。
スケジュールの設定項目には、実行頻度、タイムゾーン、実行時刻があり、それぞれドロップダウンから選択します。
設定したスケジュールですべてのデータソースを自動更新した後、プロファイル作成(照合、統合)が自動で行われます。
前編では、 Customer Insights の概要と顧客データの統合についてご紹介しました。
後編では、 Customer Insights の 顧客データ分析と顧客プロファイルのエクスポートに注目して、それぞれの機能についてご紹介します。
☑ こちらも 10 分で読むことができる内容となっているので、興味がある方は
是非読んでみてください。
また、今回は Customer Insights について記事にしていますが、
Dynamics 365 に関するお悩みがある場合は、お気軽に以下のリンクから SBテクノロジーまでご相談ください!
それでは、 本ブログの後編でお会いしましょう!
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