みなさん、こんにちは! E 木です。
本シリーズの前編では、顧客データプラットフォーム Dynamics 365 Customer Insights の概要や、顧客プロファイルを作成するための機能についてご紹介しました。
まだ、前編の記事をご覧になっていない方は、以下のリンクから前編をお読みいただいてから本記事をお読みいただくと理解がより深まると思いますので是非ご覧ください。
顧客データプラットフォーム Dynamics 365 Customer Insights を検証してみた (前編)
本記事では、 Customer Insights の 顧客データ分析と顧客プロファイルのエクスポートに注目して、それぞれの機能についてご紹介します。
☑ 本記事は 10 分で読めますので、 Customer Insights に興味がある方は、是非最後まで読んでみてください。
前編
後編
本シリーズでは、Customer Insights に標準で備わっている以下の機能についてご紹介します。
※現時点ではプレビュー段階のものや日本テナントでは利⽤できない機能もありますが、提供されるコネクタや利用できる機能が日々増えています。
※本記事でご紹介する内容は 2021 年 2 月時点での検証結果をもとにしています。
機能名 | 機能概要 |
---|---|
インポート | 提供されたコネクタを利用して、さまざまなデータソースからデータをインポートすることができます |
マップ・照合・統合 | インポートした顧客データから、顧客プロファイルを作成することができます |
スケジュール | 顧客プロファイルの自動更新スケジュールを設定することができます |
メジャー | Web アクセスや購入履歴などのトランザクションデータを顧客ごとに集計することなどができます |
活動 | 顧客の活動内容を顧客プロファイルのタイムラインに表示することができます |
セグメント | 顧客の属性(性別や年齢など)を定義し、合致する顧客データのみを抽出することができます |
レポート | Customer Insights のデータをもとに、表やグラフを作成することなどができます |
インテリジェンス | Customer Insights のデータをもとに、機械学習や予測を行うことができます Dynamics 365 Customer Insights > 対象者に関するインサイト > 予測 |
エンリッチメント | 顧客とブランド(製品)の親和性を評価することができます Dynamics 365 Customer Insights > 対象者に関するインサイト > データエンリッチメント |
エクスポート | 提供されたコネクタを利用して、さまざまなソリューションにデータをエクスポートすることができます |
各機能の関連イメージは次の図のようになります。
顧客データの分析にはメジャーや活動、セグメント、レポートなどの機能を利用します。
各機能について簡単にご紹介します。
メジャー機能には、以下の3種類があります。
名称 | 概要 |
---|---|
顧客属性 | 顧客プロファイルに1つのフィールドとして作成するメジャーです。 各顧客毎のスコアや値、または状態を反映した単一のフィールドを定義することができ、定義に沿った顧客フィールドが作成されます。 集計結果は次の画像のように顧客プロファイルに表示されます。 例)生涯購入金額、ポイントなど |
顧客メジャー | 顧客毎の計測結果を項目として作成するメジャーです。 各顧客毎のスコアや値、または状態を反映したエンティティや複数のフィールドを定義することができます。 顧客属性とは Customer Insights の内部的なデータの持ち方が異なります。 例)生涯購入金額、ポイントなど |
ビジネスメジャー | 顧客ではなく組織全体の計測結果を項目として作成するメジャーです。 ビジネスのパフォーマンスを追跡でき、全顧客のスコアや値、または状態を反映したエンティティや複数のフィールドを定義することができます。 例)EC サイト全体での売上金額、Web ページ平均アクセス数など |
活動に関する定義を設定をすると、定義ごとに活動エンティティが作成され、
顧客の活動内容を次の画像のように、顧客プロファイルのタイムラインに表示することができます
例1)オンライン購入履歴
例2)ウェブサイトのレビュー履歴
セグメントに関する定義を設定すると、定義ごとに合致する顧客プロファイルのセグメントエンティティが作成されます。
例1)顧客プロファイルの内、住所が関東で、生涯購入費用が 100 万円以上
例2)顧客プロファイルの内、性別が女性で、年齢が 20 代
また、Customer Insights 管理画面のセグメントからは定義に合致する顧客プロファイル数(セグメントサイズ)をグラフで確認することができます。
Customer Insights 内のエンティティを基に Power BI と同じような機能を利用してレポートを作成します。
なお、レポートを作成するためには Power BI のライセンスは不要です。 ただし、レポート機能はプレビュー版での提供でした。
Customer Insights に登録されている顧客プロファイルやその他の情報を別ソリューションにエクスポートすることができます。
エクスポートには提供されているコネクタを利用します。
本章では、利用可能なコネクタの内、赤枠で囲っている以下 3 つのコネクタについてご紹介します。
Customer Insights のデータを Azure Blob Storage に CSV 形式でエクスポートが可能です。
出力可能なデータはエンティティ単位で選択することが可能なため、顧客プロファイルだけでなく、メジャーやセグメントなどもエクスポートすることができます。
また、エクスポートされる CSV ファイルは 4 分割された状態で出力され、出力形式やフォルダパスは指定することはできません。
Customer Insights で作成したセグメントの顧客プロファイルを、 Dynamics 365 のマーケティングリストにエクスポートすることが可能です。
ただし、前提として Dynamics 365 から取り込んだデータを基に統合された顧客プロファイルのみ、Dynamics 365 にエクスポートできます。
Dynamics 365 Sales Hub のコネクタを利用することで、Dynamics 365 に Customer Insights の顧客プロファイルを 表示することが可能です。
ただし、Dynamics 365 Sales コネクタと同様に、 Dynamics 365 から取り込んだデータを基に統合された顧客プロファイルのみ、 Dynamics 365 にエクスポートできます。
また、利用するためには、Dynamics 365 に 「Customer Insights Customer Card Add-in」をインストールする必要があります。
「Customer Insights Customer Card Add-in Dynamics」 をインストールすると Dynamics 365 の詳細設計に「Dynamics 365 Customer Insights 顧客カードアドイン」が追加されます。
表示する Customer Insights のインスタンスの選択、Dynamics の ID フィールドと Customer Insights の顧客プロファイル ID のマッピングを行います。
※”顧客プロファイル”が個人の場合は「取引先担当者」、企業の場合は「取引先企業」のフィールドを設定
Dynamics 365 営業ハブ の取引先担当者(もしくは 取引先企業)のフォームに表示したい Customer Insightsのデータに対応するコントロールを追加します。
選択できるコントロールは以下の 5 つです。今回は ① ~ ③ について検証してみました。
# | コントロール名 | 概要 |
---|---|---|
① | Customer Insights Demographic Control | 顧客プロファイル(Customer Insights の Customer エンティティ)の情報を表示 |
② | Customer Insights Measures Control | 顧客属性の分析結果を表示 |
③ | Customer Insights Timeline Control | 活動のタイムラインを表示 |
④ | Customer Insights Enrichment Control | エンリッチメント結果を表示 |
⑤ | Customer Insights Intelligence Control | インテリジェンス結果を表示 |
Dynamics 365 の一つのフィールドに選択した Customer Insights の Customer エンティティ(顧客プロファ イル)のフィールドを複数表示することができます。
タグ(範囲、ラベル、色)を設定し、選択した顧客属性の値によって、設定したラベルや色を表示することができます。
タグは増やすことができ、細かな設定をすることができます。
Customer Insights の顧客プロファイル表示画面と同様なタイムラインを表示することができます。
なお、グループでフィルタをかけることが可能です。
これまで、顧客データプラットフォーム Dynamics 365 Customer Insights についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?
利用できるコネクタも日々増えて来ていますので、今後どのようなサービスと連携できるようになるのか楽しみですね!
プレビュー版の機能やまだ検証できてない機能もありますが、少しでも Customer Insights のイメージを掴んでいただけたのであれば嬉しいです!
また、今回は Customer Insights について検証して記事にしてみましたが、Dynamics 365 に関するお悩みがある場合は、お気軽に以下のリンクから SBテクノロジーまでご相談ください!
ここまで、本ブログをお読みいただきありがとうございました!
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