クラウドエンジニアブログ

中国 Azure 概要 ~はじめの一歩、の前に~(後編)

human05

古林

みなさまこんにちは。クラウドアーキテクトの卵です。

スキルチェンジ後、現在の仕事に携わるようになって半年が過ぎました。
ある部分で全く知見の無い状態で入ってきて、よくここまでやって来れたのかと不思議に思います。曲がりなりにもここまで来たということは、少しは適正があったのかな…と思いたいです。

まだ不得意分野はありますが…。そこは同じチームのプロに任せます(笑)。



<目次>
  • 前回のおさらい
  • 中国 Azure を利用するまでに必要なこと
  • おわりに


前回のおさらい

前回の記事では、中国 Azure とグローバル Azure の違いについてまとめました。
前回の復習として、下表にまとめます。

中国 Azure とグローバル Azure の違い

なお、前回と同様、中国 Azure についての契約の流れについても、Microsoft の Docs にまとめられています。

 【参考: Azure China 21Vianet(英語)】
 https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/china/

中国 Azure を利用するまでに必要なこと

  • ICP 登録・ICP ライセンス

中国でインターネットサービスを開始するには、該当する中国のクラウドポリシーと法律を遵守する必要があります。これらの規制の下で、インターネットコンテンツプロバイダー(ICP)は、以下のタイプの ICP 番号の1つにつき、中国産業情報省(MIIT)に申請しなければなりません。中国特有の対応として、WEB サービスには ICP 登録、もしくは、ICP ライセンスの取得が必要となります。
ICP 登録、もしくは、ICP ライセンスが無いまま WEB サービスを立ち上げた場合、MIIT に取り下げられてしまいます。

<WEB サービスに必要なもの(再掲)>
ICP 登録(ICP 出願) コンテンツを無料で提供する非営利の WEB サイトに義務付けられている登録制度。
WEB 公開から30日以内に、所在地の公安局に届ける。
ICP ライセンス EC など営利目的サイトを運営するための許可証。 WEB サービスのコンテンツによって、様々な営業許可証が必要となる場合がある。

1. ICP 登録(ICP 出願) ICP 登録は、コンテンツを無料で提供する非営利の WEB サイトに適用されます。
非営利の ICP サービスを運用するには、ICP 出願と呼ばれる記録を MIIT またはその支社に提出する必要があります。ICP 出願番号は、京 ICPX12345678 号(京は北京を表します)の形式に従います。

非営利の WEB サイトの場合、まずホスティングとドメイン名を購入し、サイトが公開される前に ICP 申請を行います。ICP 出願番号が払い出されたら、WEB サイトに常に表示し、印刷時にフッター部分に表示されるよう設定を行う必要があります。

2. ICP ライセンス
商用 ICP サービスには ICP ライセンスが必要です。中国で商用 ICP サービスを提供しているすべての事業者は、MIIT またはその支社から運用ライセンスを取得する必要があります。ICP ライセンス番号は、京 ICPX12345678 号(京は北京を表します)の形式に従います。

商用サービスはオンライン広告、テキスト、画像、オーディオ、ビデオ、アプリの提供から直接的な収入を得る WEB サイトを含む、付加価値テレコムサービスの種類として定義されています。情報検索サービス、情報コミュニティプラットフォーム、インスタントメッセージサービス、および情報保護サービスを提供することも、商用サービスとみなされます。


  • 中国 Azure を利用するまでの流れ

中国 Azure を利用し、WEB サービスを運営するためには、前述した ICP 登録、もしくは、ICP ライセンスを取得する必要があります。企業が運営する WEB サービスのほとんどが営利目的となりますので、ここでは ICP ライセンスを取得し、WEB サービスを運営するまでの流れをまとめます。

※ 本記事は、Microsoft 提供のドキュメントに記載のある項目を元に作成をしています。実際の申請においては変更がある場合があります。

<ICP ライセンスを取得するまでの流れ>
前提条件:中国で合法的な存在を確立していること。

  1. 21Vianet のアカウント取得
  2. ICP 申請記入
  3. サイト情報アップロード
  4. 1次審査
  5. オンサイトのインタビュー
  6. 2次審査
  7. 最終審査

<WEB サービスを運営するまでの流れ>

  1. 公安登録
  2. オンライン審査
  3. オンサイト審査
  4. 認可

<ICP ライセンスを取得するまでの流れ>
前提条件:中国で合法的な存在を確立していること。
まずは、ICP ライセンスを申請する資格を得る必要があります。資格を得るには、以下の条件が適用される場合があります。

  • 中国のビジネスライセンスを取得した中国に登録された企業。合弁事業または完全に外国の企業など、あらゆるタイプの中国事業免許を有する一部または全部の外国企業(非中堅企業)。
  • 当局発行の ID カードを所持した中国国民。中国人以外の方は身分証明書としてパスポートを使用して申請することができますが、法的要件を満たすためには身分証明書が中国に物理的に存在する必要があります。

以下の場合、ICP に応募できない場合があります。

  • 中国に現地法人のない外国企業。
  • パスポートなしの外国人。中国に在住していない人。


上記の内容を加味すると、ICP ライセンスを取得する前に、中国に現地法人、もしくは支店が必須となりそうですね。


1. 21Vianet のアカウント取得
まずは、21Vianet が運営する 21Vianet application website(ICP の申請用 WEB サイト)にアクセスし、電子メールアドレスを使用して新しいアカウントを登録します。 アカウントを取得できたら、21Vianet application website にサインインします。

2. ICP 申請記入
ICP 申請に必要な情報を記入します。
会社情報等の基本的な情報以外にも、公開したい WEB サイトの情報も記載するようです。

3. サイト情報アップロード
WEB サイトに必要な材料のソフトコピーをカラースキャンまたは写真として、21Vianet application website にアップロードします。
ここまで登録したら、1次審査に進みます。

4.1次審査
21Vianet application website に記載した情報を基に、21Vianet 社による1次審査が実施されます。2営業日以内に、21Vianet application website に登録したメールアドレス宛てに最初のレビューフィードバックが送信されます。

5. オンサイトのインタビュー
1次審査に合格した場合、北京または上海の 21Vianet のオフィスに出向き、オンサイトのインタビューを実施する必要があります。21Vianet からメールでリクエストが来るので、都合の良い日にちを提示します。当日は 21Vianet のオフィスでインタビューを受けます。
もし、21Vianet のオフィスに出向いてインタビューを受けられない場合、サポート電話番号によるオフサイトのインタビューも可能であるようです。
この「インタビュー」で何を聞かれるのかは記載がありませんでした。気になる。。。

6. 2次審査
インタビューを基に、21Vianet による2回目の審査が実施されます。審査における所要時間は約1.5時間ほどです。
2次審査に合格した場合、最終審査に向けてすべての資料が MIIT に提供されます。
1次審査と異なり、2次審査は意外にすんなり、という印象ですね。

7. 最終審査
これまでの資料を基に、MIIT による最終審査が実施されます。
最終審査に合格した場合、ICP 免許証を受領することができます。
資料の不備等で MIIT に拒否された場合、修正して再提出となります。
MIIT による最終審査がどれぐらいの期間がかかるのか、明記されていませんでした。もしかしたら、ここで時間がかかるのかもしれません。


<WEB サービスを運営するまでの流れ>
1. 公安登録
ICP 免許証を受領してから30日以内に、地方警察署に提出する必要があります。公安登録用のポータルサイトを使用して直接申し込むことができます。(21Vianet のポータル画面とは異なるようです。)
オンライン申請を開始するには、公安登録用のポータルサイトで新しいアカウントを取得する必要があります。
「中国語では、英語の翻訳者が必要です」とあったため、登録用のポータルサイトは英語かもしれません。

2. オンライン審査
提出に必要な情報を記入します。ICP ライセンス取得の際に記載した、WEB サイトおよび ICP の詳細を記載するようです。
審査にかかる時間の記載はありませんでした。

3. オンサイト審査
オンライン申請の審査に合格した後、必要な資料のオンサイト審査を進めるように通知されます。このレビューには約2週間かかります。
「レビューサイトは、あなたがウェブサイトホスティングに使用した ID のエンティティの登録アドレスまたは個人の家庭登録アドレスによって異なります。」という記載があることから、実際のサイトについてもレビューされるのかもしれません。
この点については詳細な記載がありませんでした。

4. 認可
材料レビューに合格した後、認可されたコードが割り当てられ、www.beian.gov.cn から入手できます。


ここまでで、ようやく中国 Azure を使用して WEB サービスを運営できるようになります。

おわりに

中国 Azure は、使い初める際に中国特有の手続きが必要となるため、中国 Azure を検討する際には利用開始時期を逆算して準備を進めることをお勧めします。

※注意※
このような特殊性から、弊社における中国 Azure ソリューションについては、都度営業までお問い合わせください。



次回予告
  • Azure Storage 再入門


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