こんにちは!今回からはアプリケーションに焦点を当てていきます。これまで IoT プラットフォーム構築・データ分析と紹介する流れでいきなりアプリケーションと思うかもしれませんが、プラットフォーム構築・データ分析・アプリケーションは決して無関係ではありません。
IoT はもちろんのこと、目的のデータを「集めて」「分析して」から「行動を起こす」ことでデータは真の価値を生み出します。以前紹介しました IoT プラットフォームは「集めて」、PowerBI は「分析して」、アプリケーションは「行動を起こす」手段の一つに該当します。
今回は「行動を起こす」アプリケーションとして Microsoft が Azure を基盤に提供している PowerApps を紹介して参ります。
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2016年11月1日、Microsoft より企業向け Web アプリ開発ツール「Microsoft PowerApps」の正式版がリリースされました。PowerApps はオンプレミス等を含む社内環境下でモバイルから使えるビジネスアプリ開発を支援するツールです。
PowerApps は、専門のアプリ開発者対象はもちろんオペレータ/ユーザレベルの人、例えば社内サイト管理者でも開発ツールとして使えます。インターフェイスは Microsoft Office のように構成されており、コーディング知識がなくともアプリ開発ができます。Excel の関数程度の知識があるユーザであれば、1時間程度で業務に使用するアプリを作れてしまいます。
Power Apps は Microsoft の製品群(Office 365、SharePoint Online、Microsoft Azure、Dynamics 365、OneDrive)はもちろん、Twitter、Dropbox、Github 等、2016年11月の時点で58種類のサービスとの接続をサポートします。
PowerApps は「Dynamics 365」または「Office 365 (Enterprise/Business Premium/Essential Edition)」に含まれており、上記プランのライセンスを所持しているユーザは無料で利用できます。企業内で Office365、Dynamics 365を導入している場合、追加費用なしで PowerApps をアプリ開発ツールとして利用できる利点があります。
それ以外の場合、2つの有償プランが用意されております。
アプリ開発シナリオの例として、社内 SharePoint にサブサイトとしてプロジェクトサイトを利用するケースを挙げましょう。プロジェクトサイトとは、SharePointで提供するサイトテンプレートであり、作業計画、チームメートとの共同作業、プロジェクト関連ドキュメントの収集等に使えます。
プロジェクトサイトでは、プロジェクトメンバー一覧とタスクリストの SharePoint リストを利用しております。プロジェクトリーダはプロジェクトサイトの管理者として、プロジェクトメンバーにタスクを割り振りとタスクの進捗をチェックします。プロジェクトメンバーは割り振られたタスクの進捗を更新します。
プロジェクトリーダはプロジェクトサイト利用において以下の問題点を抱えています。
要望に対応するため、プロジェクトリーダは自ら PowerApps でアプリ開発を実施し、問題の解決に取り掛かります。
開発するアプリはモバイル用であり、プロジェクトサイトで利用している2つのリストを PowerApps にてデータソースとして読み込み、メンバー毎にタスクを表示させます。プロジェクトリーダは開発したアプリをメンバーと共有し、タスクの閲覧と更新を行います。
次回からは、具体的なアプリの開発手順について具体的に説明いたします。
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