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センサー選びとデータ収集(IoT活用事例 2/3)

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永井 寛之

Device の紹介と決定

前回、全体像が決まりましたので、今回は細部を詰めていきたいと思います。
まずは、最前線で活躍するセンサーのお話しです。

通常この様なシーンで利用されるセンサーの最有力候補は「人感センサー」になります。
多くが焦電型赤外線センサーと呼ばれるもので、温度(赤外線)の変化で監視しており、今回の多目的トイレでも施設設備としてデフォルトで設置されていました。ただし、このセンサーは温度の変化を検出している為、人が存在していても、温度の変化=動きがなければ検出できません。

トイレの場合一度便座に座ってしまうと、思っていた程動きがなくなる為、度々誤検知を繰り返す結果となってしまいました。

人感センサー人感センサー

※上記は、今回採用を断念した人感センサーです。矢印部分で検知間隔と検知距離を調整します。

通路などに設置されている自動点灯型のライトなどには適しているものの、今回のトイレにはあまり向いていないようです。

そこで今回は赤外線を利用した測距センサー(型番:GP2Y0A02YK0F)を使用する事にしました。
元々は対象物までの距離を非接触で測定する為のモジュールですが、距離が短くなる(物体が遮っている)状態を人が存在すると定義する事で、動きとは関係なく個室内の人を感知する事ができます。

また、対象物の反射率や環境温度、動作時間の影響を受けにくいという点もポイントになりました。
試したところ、誤検知も少なかったことから、今回はこのモジュールを採用する事となりました。

赤外線発光ダイオードと位置検出器が一体となったセンサー

※上記は、赤外線発光ダイオードと位置検出器が一体となったセンサーです。
三角測量の原理を利用して距離を検出します。


そしてセンサーを接続するデバイスですが、Arudino ライクな、NodeMCU を採用しました。
設置場所の関係で、パッテリー稼働が前提となってしまい、RaspberryPi では消費電力が大きく、
連続稼働時間が問題となった為で、用意したバッテリーで NodeMCU の場合、2.5日の稼働が可能でした。
ちなみに NodeMCU は、1,000-程度で入手可能、Wi-Fi も利用できることから、検証・プロトタイプの制作には非常に適しています。

Arduino IDE(統合開発環境)

※Arduino IDE(統合開発環境)を利用して開発を進めます。
上記はサンプルとなります。


最後に取得・蓄積するデータについてご紹介したいと思います。
センサーを接続し、NodeMCU で最初に取得出来るデータは「210」などの単純な数値データとなります。
本来ですと電圧値に変換し、電圧値に応じて距離換算することとなりますが、今回は正確な距離への
換算は必要なく、突然数値が大きく変動するか否か=人が測定範囲に入ったか否かのみを判定し、
NodeMCU では、変化がない/人が居ない=0、変化した/人がいる=1として、Wi-Fi を通じ Microsoft Azure へ取得時間と合わせて送信します。
このデータは SQL Server で順次蓄積され、利用状況の可視化へと様々な形に加工されます。

次回最終回となりますが、利用状況の可視化についてスポットを当ててご紹介したいと思います


次回予告


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