今回は、今までご紹介した、Microsoft Azure や Power BI を実際に活用した事例をご紹介して参りたいと思います。
何か身近な事で活用をと考えていた時に、「トイレの個室待ち程無駄な時間はない」という声を耳にしました。
みなさんいかがでしょうか?
駅や大型商業施設、イベント会場など人が集まるところ必ず「トイレの個室待ち」が発生しています。
イベントなど一時的に訪れる場所なら我慢も出来ましょう。これが会社のトイレで慢性的に発生しているとしたらいかがでしょう。これは忌々しき問題です。
私も確かにそうだなと思いました。
そしてみなさんが口を揃えて「いつ行っても空いてない!」と仰います。本当でしょうか?
この、「いつ行っても空いていない!」を検証すべく、今回は「トイレ IoT 」に取り組んでみたいと思います。
まずは概略です。
折角検証するのですから、今までご紹介した Microsoft Azure も、Power BI もご紹介したいという事で、スタートしました。
各種センサーデバイスで検出した利用統計情報を、PHP を使って受け取り HTML ソースに表示し、データベースにも保存するという構成です。いずれも Microsoft Azure 環境で構築するので、ハードウェアを用意する必要はありません。また、検証後はクリック一つで環境を畳める事も Microsoft Azure を利用する大きなメリットの一つだと思います。大変便利です。
ここで蓄積したデータをもとに管理者には Power BI を使って可視化します。トイレを利用される方々には、Browser を経由してリアルタイムに空き情報を提供します。
実際トイレに行ってみないと状況が解らないというストレスフルな状態から、これで解放されます。
更に発展させた構想として、理想版もあります。
今回は実装版で構築しましたが、次回はもっとIoT要素を追加した、Event Hub や Azure IoT Hub を使う構成で構築してみたいと考えていますが、ここでは概略だけご紹介とさせていただきます。
いかがでしょうか。各種センサーデバイスで検出した利用統計情報を、Event Hub で集約し、Stream Analytics にてデータをリアルタイム処理、SQL Database へ蓄積し、Power BI で利用状況を可視化するというプランです。トイレの利用状況を可視化するだけにしては、かなり大掛かりな構成ですが Event Hub を利用する事でセンサーデバイス類の追加も容易になります。
次回は、最前線で活躍するセンサーについてご紹介したいと思います。
続きは第二話で。