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導入事例:アサヒグループホールディングス株式会社様

Provisioning Flow、Microsoft Teams 向け簡単導入パック

Microsoft Teams の運用課題解決を目的に Provisioning Flow を導入、申請ワークフローを構築しチーム作成にかかる時間を大幅に短縮

導入のポイント
  • Teams のチーム作成やメンバー追加にかかる作業負荷・工数を削減
  • チーム作成の効率化が進み、チーム数が増えコラボレーションが活性化
  • Office 365 にかかわる設定業務の自動化範囲を拡大予定
企業情報
お客様名 アサヒグループホールディングス株式会社
業種 製造業
企業規模 5001人以上
目的・課題 クラウド活用 , クラウドを活用した業務プロセスの改善と自動化 , ワークスタイル変革
キーワード Microsoft Teams , 業務効率化 , ワークフロー , Microsoft 365(Office 365/EMS)

アサヒグループホールディングスは、2011年7月1日に旧・アサヒビール株式会社を商号変更して誕生したアサヒグループの純粋持株会社。アサヒビール、アサヒ飲料、アサヒグループ食品などアサヒグループ約150社を統括している。

同社 システム統括部は、アサヒグループ全社のシステム企画立案や予算・投資コストの管理を担当し、システム運用を担当する子会社とともに情報システム部門を形成。2016年に全社導入した Office 365(現:Microsoft 365)の有効活用の一環として、Microsoft Teams のチーム作成などの業務効率化を目的に、SBテクノロジー(以下、SBT)が提供する「Provisioning Flow」および「Microsoft Teams 向け簡単導入パック」を導入した。

テレワーク環境整備の一環として Teams を導入

北島 輝子 氏
アサヒグループホールディングス株式会社
日本統括本部 システム統括部
シニアマネージャー
北島 輝子 氏

アサヒグループホールディングスは2016年、マイクロソフトのクラウドサービス「Office 365」をアサヒグループ全社に導入・展開し、運用を開始した。アサヒグループでは長年にわたってマイクロソフトのオフィススイート「Microsoft Office 2003」を利用していたが、ソフトウェアの延長サポート終了をきっかけに Office 365 へ移行。Excel、Wordなどのオフィスアプリケーションだけでなく、Exchange Online、SharePoint Online(以下、SharePoint)、Skype for Business(以下、Skype)などのコミュニケーション/コラボレーションツールも含め、Office 365 のすべてのアプリケーションを積極的に活用してきたという。

Skype ではチャットやオンライン会議機能によるコミュニケーションを図っていたが、クライアント PC の OS の多くが Windows 7 だったため、全社員が Skype を使いこなしているとは言えない状況だった。そうした中、2019年7月に発表された2年後の Skype サービス終了をきっかけに、アサヒグループホールディングスでは3つの目的を持って「Microsoft Teams(以下、Teams)」へ切り替える検討を開始した。

「2020年の国際的なスポーツイベントの開催期間中における事業継続などの理由からテレワーク環境の整備が必要だと考えました。また、海外グループ会社では日本に先駆け Teams の利用が開始されていたため、海外グループ会社とのコミュニケーション基盤の統一も必要でした。さらに、社外とのコミュニケーション手段も決められたものが無かったため、全従業員に対してツールを提供しなければならないと考えていました。そこで、Teams を導入することでそれらの課題が解決するのではないかと考えました」(清水氏)

Skype のサービス終了の発表から間もなく、2019年にアサヒグループ各社約1万8,000人の社員を対象に、新しいコラボレーションツールとして Teams を導入、展開。チームの協働作業や社内オンライン会議、社外とのコミュニケーションなどに Teams を活用し始めた。

■Teams 導入の目的
  • 2020年の国際的なスポーツイベント開催期間中の事業継続
  • 海外グループ企業とのコミュニケーション基盤の統一
  • 取引先など社外とのコミュニケーション手段の確立


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Teams のチーム作成に時間がかかるという課題

清水 博 氏
アサヒグループホールディングス株式会社
日本統括本部 システム統括部
マネージャー
清水 博 氏

情報システム部門が活用の推進や教育に力を入れたこともあり、 Teams の利用は瞬く間に広がった。現在はリモートワークが可能な従業員のほぼ全てである約8,000人が Teams を活用して仕事をしているという。その反面、Teams の導入後に課題も見えてきた。

「Teams を使い始めたことによって、社内のコラボレーションがしやすくなりました。しかしながら Teams はあまりにも自由度が高すぎるため、データの取り扱い方や運用管理などの課題が浮き彫りになってきました。とくにチームの作成においては、現場に自由に作らせるのではガバナンスが効きません。チームを作成したいときには情報システム部門に申請し、承認を得たうえでチームを作成できるといった制御の仕組みを作ることにしました」(北島氏)

チームの作成は、Excel にチーム作成の目的やメンバー、また海外グループ企業が含まれるかなどを記載し、メールで情報システム部門に申請を行う。情報システム部門で確認・承認したものを、システム子会社へ設定依頼するという流れを作った。ガバナンスのために現場の裁量で自由に作らせるのではなく、情報システム部門でチームやメンバーの管理が必要と考えたアサヒグループホールディングスだったが、この判断が情報システム部門自身の業務量を増やすことになった。

「申請者から届いた書類を確認したうえで承認者に回して処理をするという作業の流れは、情報システム部門にとっての作業負荷が高く、申請をしてからチームが作成されるまでに2~3日かかっていました。メンバーの追加・変更・削除についても同じです。申請が多いとさらに日数がかかることもありました。当然のことながら即時性に欠け、急いでチームを作りたい申請者にとってもその待ち時間は大きなストレスになっていました。そこで考えたのが、ワークフローの仕組みを構築し、人手で行っていた作業を自動化して運用負荷を軽減する、また利用者の満足度を向上させることでした」(清水氏)

■対応すべき課題
  • 申請者から届いた書類を確認して承認・設定処理を行う作業負荷の軽減
  • 申請から Teams のチーム作成にかかる時間の短縮
  • 利用者のすぐチームを使いたいという要望に応えられない状況の改善


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SharePoint ベースのクラウドサービス「Provisioning Flow」を選定

こうして自動化の仕組みの構築を検討し始めた際に紹介されたのが、SBT の「Provisioning Flow」だった。

「自動化するためのワークフローの構築を自社で行う場合、必要以上の機能を盛り込み、自社の要求にあわせたカスタマイズの多いシステムを開発することになりかねません。しかし、本来システム開発において過剰なカスタマイズはするべきではないと考えていました。すでにサービスとして提供されていた Provisioning Flow には、当社が実現したいと考えていた機能が備わっていました」(北島氏)

「他のワークフローシステムとは違い、SharePoint がベースとなっている Provisioning Flow は、Office 365 を有効活用するという当社の姿勢に合致したソリューションでした。当社が実現したいと考えていた Teams のチーム作成やユーザーの追加・変更などのプロビジョニングを自動化する機能が用意され、申請・承認・設定のプロセスが一貫してサポートされていました。承認さえされれば即座に自動的にチームが作成されることに魅力を感じ、Provisioning Flow の採用を決めました」(清水氏)

一般的なワークフロー製品で実現した場合、申請・承認データは Office 365 から外へ出ることになり、さらに操作感も異なる。SBT の Provisioning Flow は SharePoint の API を利用して開発されており、データが Microsoft の世界から出ることがないうえに、Office 365 を使っている感覚で利用できるという点も採用の決め手になった。また、自社開発した場合、Office 365 のアップデートがあった場合や機能を追加したい場合は改修が必要になるが、Provisioning Flow はクラウドサービスとして提供されているため、アップデートにも自動的に対応されることや、新たに追加されていく機能を利用できるという期待もあったという。

同社では Provisioning Flow の展開に伴い、SBT のTeams 導入ノウハウをパッケージ化した導入支援メニューである「Microsoft Teams 向け簡単導入パック」もあわせて採用した。Teams には多くの設定項目があり、カバナンスを効かせるために必要な設定を自社で全て設定することも可能であったが、SBT の支援を受けることにした。

■選定のポイント
  • 実現したい機能があらかじめクラウドサービスとして提供されている
  • SharePoint ベースのため、Office 365 を有効活用したいという姿勢に合致した
  • Teams の申請・承認・設定のプロセスが一貫してサポートされている

SharePoint ベースのクラウドサービス「Provisioning Flow」を選定


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Provisioning Flow の運用に必要な申請フローを約2か月で構築

アサヒグループホールディングスが Provisioning Flow のサービスを契約したのは、2019年12月後半のことだった。そこから約2カ月弱という短期間で Teams の設定の見直し、申請フォームやフローの設計・開発構築を行った。

「導入作業時には、SBT のサービス開発メンバーも打ち合わせに参加してもらっていたので、不明点もすぐ回答してもらうことができ、安心できました。また、チームの作成・変更・削除、メンバーの追加などをいかにシームレスに行うのかを SBT と共に考え、運用方法を確立しました。今回のプロジェクトは非常にスムーズに進めることができ、短期間で準備を整えることができたと感じています」(清水氏)

Windows 10 展開のタイミングであった2020年2月にあわせて Provisioning Flow をリリースし、一部の事業会社の従業員約1,000人で利用を開始した。その後、2020年9月にグループ全社へ展開された。

「当社はこのコロナ禍で多くの従業員が原則テレワークとなり、社内コミュニケーションの手段として急激に Teams の需要が高まりました。活用が進む中でチーム作成をスピード化する必要があり、当初1,000名ほどで Provisioning Flow を使い始めました 」(清水氏)


■Provisioning Flow 画面イメージ


Provisioning Flow 画面イメージ


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ワークフローの高速化と手作業による設定ミスを解消

導入当初は一部の事業会社のみの利用であったが、利用開始直後から導入効果を実感していたという。

「これまではチームの作成やメンバーの追加・変更の申請から設定までに2~3日かかっていました。Provisioning Flow 導入後は、情報システム部門が介することなく、申請部門長が承認さえすれば設定が自動で反映されるため、即日対応ができるようになりました。またチームを作成する際には、申請内容に沿って設定を手入力していたため、転記ミスが発生し、設定を間違えてしまうこともありましたが、そのようなことも無くなりました」(北島氏)

テレワーク環境下でのコミュニケーション手段として Teams の活用が増えていたアサヒグループホールディングスにとって、情報システム部門の負荷軽減や設定作業ミスがなくなったことに加え、現場部門もすぐに申請した Teams のチームを利用開始できるようになった効果は大きかったという。さらに、これまで同社では、情報システム部門が申請書の承認を行っていたが、Provisioning Flow の導入をきっかけに運用フローを変え、申請部門長の承認に切り替えた。

「Provisioning Flow でどのようなチームが作成され、誰がそのチームに所属しているのかを管理でき、統制がとれているので、情報システム部門が介さずとも現場の承認でよいと判断しました。導入前に比べてチーム数が増えてきており、Teams 上でのコラボレーションが活発化してきていると感じています」(清水氏)

「実は今まで人手で行っていたチーム作成の承認フローは、本来の意思決定プロセスどおりのフローを基本としながら、個別の要望に応えるために、フローの間でイレギュラー対応も巻き取れるようにしていました。ですが、今回 Provisioning Flow で自動化をするにあたり、フローにイレギュラー対応を入れず、本来のプロセスに合わせることにしました。そうしたところ現場から、今まではできていたのに、なぜ個別対応ができなくなったのかという声も出てきました。しかし、今後同じように業務の自動化を行っていくためには、システムをカスタマイズして複雑なフローを作りこむのではなく、どうシンプルにしてシステムに乗せられるフローに変えていくかを考えていかなければいけません。システム化するために、どのようなフローにしていくべきなのかを見直すきっかけになりました」(北島氏)

同社は Provisioning Flow の導入をきっかけに、今後の業務自動化を見据え、システムに反映しやすい最適な承認フローの形を検討していく。

■導入の効果
  • 申請からチームの作成までの期間が2~3日から即日に短縮
  • 手入力による転記や設定ミスを自動化により解消

ワークフローの高速化と手作業による設定ミスを解消


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Teams 以外の申請ワークフローへの適用も視野に

アサヒグループホールディングスが今回導入した Provisioning Flow のサービスは、主に Teams のチーム作成やメンバーの追加などに使われているが、同社の狙いはそれに留まるものではない。

「当社では、Office 365 の利用をさらに拡大・深化させていく方針です。Office 365 の設定を自動でプロビジョニングし、業務効率化をしたいと考えているものは Teams 以外にもたくさんあるので、そうした用途にも Provisioning Flow を適用したいと考えています」(清水氏)

例えば、新入社員の入社時は100名を超えるアカウントの作成も現在手作業で行っている。そういったアカウントの作成や、メーリングリストの作成などの自動化、また Azure の設定自動化への展開も視野に入れている。

「Provisioning Flow を導入したことにより、このような業務も自動化できるという気づきになりました。経営層や現場からもこれほど早くチーム作成ができるのかという高い評価をもらっています。SBT には、今後も Provisioning Flow によって自動化できる領域を拡張してほしいと思っています。Office 365 活用の世界を広げていくサービスとして、Provisioning Flow の今後に期待しています」(清水氏)

■今後の展望
  • Office 365 の利活用をさらに拡大・深化させていく方針
  • Provisioning Flow を Teams 以外の用途にも適用予定

Teams 以外の申請ワークフローへの適用も視野に
SBテクノロジー株式会社 川股 友裕、牧田 耕一郎(写真左から)

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