お客様名 | 株式会社オンワード樫山 |
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業種 | 小売・サービス業 |
企業規模 | 501人~1000人 |
目的・課題 | クラウド活用 , クラウドを活用した業務プロセスの改善と自動化 , ワークスタイル変革 , 事業継続対策・BCP |
キーワード | ワークフロー , 業務効率化 , Microsoft 365(Office 365/EMS) |
決裁のスピード化にワークフローの電子化が急務
オンワード樫山は、国内大手ファッション企業グループであるオンワードホールディングス傘下のアパレル関連事業会社であり、「23区」「組曲」「ICB」「自由区」など多くのアパレルブランドを有している。近年はアパレル事業だけでなく、「オンワード・マルシェ」をはじめとする EC プラットフォーム事業などにも参入している。今回 SharePoint Online(以下、SharePoint)をベースとしたクラウドサービス「Flow」の導入を担当した、情報システムDiv. インフラ・セキュリティSec. は、社内のインフラ、セキュリティ、グループウェアをはじめとした情報共有に関わるシステムなど幅広い業務を担当している。
同社は2017年、オンプレミス環境に構築・運用していたメール/グループウェアシステムを全面刷新し、Office 365 へと移行するプロジェクトを始動させた。SharePoint で全社ポータルサイトの作成や、Microsoft Teams を活用したモバイル対応のコミュニケーション/コラボレーション環境の構築を行い、2018年12月からオンワード樫山、オンワード商事などオンワードグループの主要事業会社で運用を開始している。
Office 365 の導入が完了し、次に着手したのがワークフローシステムの構築だった。これまで同社では経費申請を除く申請は、紙書類で行っており、どの部署で申請が止まっているのかがわからない、また、どこで誰が保有しているかわからないという課題を抱えていたという。また、拠点をまたぐ申請書のやり取りもあり、決裁に時間がかかっていた。
「当社では紙での申請・承認を行っていたため、申請の承認状況が見えず、社員が電話やメールで承認者に連絡を取り、承認状況を確認していました。また、承認者は押印の必要があるため、出社しないと承認が行えず、時間がかかっていたことも問題でした。そこで、ワークフローを電子化することで、申請・承認にかかる時間の短縮と効率化をしなければならないと考えたのです」(杉本氏)
スマートフォン対応と SharePoint ベースのサービスが決め手となり Flow の導入を決定
オンワード樫山では当初、ワークフロー専用ツールの導入を検討していたという。複数の製品を候補として挙げ、トライアルを実施するなど入念な比較検討を行い、導入製品を絞っていたが、ここである問題が発覚した。
「導入を検討していた製品はスマートフォンからの申請に対応していなかったことや、SharePoint の Web パーツが自社の利用するモダン UI に対応しておらず、SharePoint のポータル上で“承認する申請の一覧”を表示することができなかったため、導入をためらっていました」(杉本氏)
そこで杉本氏は、Office 365 の導入を行ったソフトバンク株式会社に相談を持ちかけた。
「ソフトバンクから提案を受けたのは、SBテクノロジーが提供している、SharePoint ベースのワークフローサービス『Flow』でした。Flow は当社の求める機能を網羅しながら、スマートフォンからの申請・承認に対応しており、モダン UI に対応した Web パーツも用意されていました。クラウドサービスとして提供されているため、インフラ構築・運用する必要もありません。これらが決め手となり、Flow の導入を決めました」(杉本氏)
分かりやすく使いやすい UI で電子化を実現、きわめて短い構築期間でリリース
オンワード樫山は、2020年2月に Flow のトライアルを実施した。ワークフローシステムとしての機能を確認したのち、3月末に正式契約。わずか1週間後の4月上旬から本番運用を開始した。
「ワークフローシステムの導入を行っていた時期に、緊急事態宣言が発令され、紙の申請・決裁処理をすぐに電子化する必要がありました。Flow での申請書・フローの作成はプログラミングが不要で、UI もわかりやすく、電子化をスピード感を持って進めることができました。きわめて短い構築期間でワークフローシステムをリリースできたのは、SBテクノロジーの導入支援によるところも大きかったと感じています」(成田氏)
このコロナ禍で操作方法の教育が十分に行えない状況であったが、Flow が使い慣れた SharePoint をベースに作られていることもあり、ユーザーから操作についての問い合わせをほぼ受けていないという。
申請・決裁処理にかかる時間短縮・業務負荷を大幅に軽減
オンワード樫山では、現在一部のグループ会社を含めた約4,000アカウントで Flow を利用している。情報システムDiv. に関連する申請書類を電子化するところから始め、その後に他部署から電子化したいと申し出のあったワークフローを順次作成。現在までに60~70の申請書の電子化が完了し、そのうち約40申請の運用を開始している。
「紙の申請書類をいくつもの部署に回して承認者が押印する“ハンコリレー”がなくなり、オフィスに出社しなくてもスマートフォンから承認処理ができるようになったことは、コロナ禍において非常に大きい導入効果です。とくに処理時間の短縮効果は絶大で、従来日数を要していた申請処理が最短10分で完了するようになりました。さらに、どの部署の誰で処理が止まっているのかも一目で分かります。申請の状況を各所に確認する時間もなくなり、本来の業務に影響を及ぼすこともなくなりました。申請・決裁処理にかかる業務負荷は8~9割軽減されたと実感しています」(杉本氏)
さらに同社では、SharePoint 上で社内の申請や手続きを纏めた「手続きナビ」というサイトを作成し、ガイドの掲載を行うと共に Flow で作成した申請へのリンクを配置し、社員が迷わない仕組みも構築している。これにより情報システムDiv. への問い合わせも減少した。
今後は Office 365 が未導入のグループ会社へ Office 365 の導入を進め、同時に Flow の導入・運用も推進していく予定だ。
「社内には約250業務の申請・決裁業務があるため、これらを全て2020年度中に電子化し、紙をなくすことを目指しています。また、将来的にはユーザー自身に Flow でワークフローを作ってもらうことも検討しています」(成田氏)
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