お客様名 | 三井不動産ビルマネジメント株式会社 |
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業種 | 建設・住宅・不動産業 |
企業規模 | 1001人~5000人 |
目的・課題 | クラウド活用 , クラウドを活用した業務プロセスの改善と自動化 , ワークスタイル変革 , 事業継続対策・BCP |
キーワード | 業務効率化 , ワークフロー , Microsoft 365(Office 365/EMS) |
“働き方変革”の推進を目的に申請・承認処理の電子化に着手
三井不動産ビルマネジメントは、三井不動産グループの不動産管理事業を担う会社として1982年に設立された。以来、三井不動産グループが所有するオフィスビルをはじめ、機関投資家、法人・個人が保有する物件の運営・管理を受託し、三井不動産グループで培ったノウハウを活用しながら顧客視点に立ったプロパティマネジメントサービスを提供している。また、企業受付や研修の受託、コワーキングスペースをはじめとした多様なニーズに応える施設運営など、企業のさまざまなビジネスシーンを支えるソリューションサービス事業も展開。ビル運営管理のプロフェッショナルとして業界をリードする立場にある。
そんな同社では、2017年から働き方を根底から見つめ直すフルモデルチェンジである「働き方変革」を進めている。総務部に新設された「IT推進グループ」が IT を活用した施策を主導し、場所や時間の制約にとらわれない柔軟な働き方の実現に取り組んできた。そうした中、働き方変革を推進するうえでの大きな課題となっていたのが、申請・承認処理の回覧業務だったという。
「プロパティマネジメント/ビルマネジメント業務を担う当社の基幹システムはフルスクラッチで開発したものであり、申請・承認処理を行うワークフロー機能を備えていませんでした。基本的にはシステムで出力して作成した書類を紙に印刷・回覧するという形で申請・承認業務を行っており、これが“働き方変革”の妨げになっていました」(古屋氏)
この課題を解決するために、同社 IT推進グループは2019年に本格的なワークフローシステムの導入に向けた検討を開始した。
「紙での申請・承認を電子化するにあたり、基幹システムに追加開発を行い、ワークフローの機能を付加することも検討しましたが、費用や時間の面で難しいと判断しました。また他の業務アプリケーションにおいてもワークフローの機能を持たないシステムもあったため、新たにワークフローシステムを導入しさまざまな業務に対応できる環境を整えようと考えました」(青柳氏)
選定の決め手は品質・セキュリティ要件を満たしていたこと
ワークフローシステムを選定するにあたり、三井不動産ビルマネジメントでは導入候補となる複数の製品の比較検討を行った。候補には汎用的なワークフローパッケージだけでなく、Office 365 のアドインとして動作する製品も含めることにした。その候補の一つとして挙がったのが、親会社の三井不動産と同時に紹介を受けた SBテクノロジーの『Flow』だった。
「機能、コスト、品質、納期などさまざまな視点から複数の候補製品を比較検討し、最終的に2社に絞り込んだ中では、どちらも機能や納期の面では大きな差はありませんでした。ただし、三井不動産グループが Office 365 を導入・活用していることもあり、Office 365 と連携できるワークフローシステムであることを重視した結果、SharePoint ベースの Flow を採用することにしました」(長谷川氏)
Flow を選定した決め手は、三井不動産グループが求める品質・セキュリティ要件を満たしていたことにあるという。
「三井不動産グループではクラウドサービスを利用する際、外部の専門機関による品質・セキュリティチェックを満たすことが求められます。SBテクノロジーの Flow はその要件をクリアできたことが決め手となり、導入を決めました」(青柳氏)
短期間かつ低コストでワークフローを作成
三井不動産ビルマネジメントが Flow の導入を決定したのは、2019年11月であった。全社利用するシステムとなるため、トライアルを重要視し、2020年2月までの4カ月弱を評価期間とし、一部の申請・承認業務に Flow のワークフローを適用する形でトライアルを開始し、5月に全社で利用を開始した。
「はじめに自部門での検証を行い、その後各部門から50名ほどを選定し、現行業務を Flow のワークフローに置き換えてトライアルを行いました。この間、SBテクノロジーの協力を得ながらワークフローの設定・作成の内製化を進めるとともに、紙ベースの申請・承認をワークフローシステムで電子化しても問題なく業務が進むかどうかを入念に検証しました」(青柳氏)
トライアルの実施により、Flow は短期間かつ低コストでワークフローを作成でき、ユーザーも迷わず使えることが確認できたという。
「当初は、本社を現所在地に移転完了後の7月に全社本番導入の予定でした。ところが新型コロナの影響で急きょ在宅勤務・テレワークを実施する必要があり、スケジュールを早めて本番導入しました」(古屋氏)
コロナ禍における申請・承認業務の課題を Flow で乗り切る
三井不動産ビルマネジメントでは在宅勤務・テレワークの導入に伴い、従来の申請・承認業務を電子化する作業を急いで進めた。現在は1,300ユーザーが利用し、月末月初に集中する請求書発行のための紙回覧や押印申請など社内申請・承認業務の多くが Flow を使って行われるようになったという。
「新型コロナの影響によってオフィスに出社できないという事態になり、Flow の導入を進めていて良かったと改めて実感しています。社内の申請業務は紙からシステムへ移行しており、紙文化から脱却し、ペーパーレス化は着実に進んでいます」(古屋氏)
現在も Flow へ移行中の同社だが、一定の導入効果を感じている。
「Flow の導入によって申請・承認業務にかかる時間やコストをどれだけ削減できたかという定量分析はこれから実施したいと思っています。とはいえ、Flow を導入したことで、紙の回覧のために出先から会社に戻る必要がなく、在宅環境やワークスタイリング(三井不動産のシェアオフィス)からモバイル PC で承認できるようになりました。これからさらに Flow の適用領域を広げることや、他システムとの連携を行うことにより、業務が効率化し、お客様へのレスポンス向上や、物理的な紙書類の送付が不要になるなど、より大きな効果が得られるものと期待しています」(青柳氏)
同社は今後、Flow と他システムを連携することで活用の幅をさらに広げていく方針だ。さらに、Flow に追加される文書管理機能を活用し、申請書類のワークフローを回すところから書類を保存・保管するまでを一元的に管理することも視野に入れている。
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