お客様名 | イリソ電子工業株式会社 |
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業種 | 製造業 |
企業規模 | 1001人~5000人 |
目的・課題 | クラウド活用 , データ活用によるフィードバックループの実現 , データ統合・可視化によるインサイトの創出 , データ分析 , 業務プロセス効率化(営業系) , ワークスタイル変革 |
キーワード | Microsoft 365(Office 365/EMS) , Dynamics 365 , CRM・SFA , データ分析・活用 , 業務効率化 , BI |
旧 CRM では実現できなかった「導入推進と定着化」を目指す
イリソ電子工業株式会社は1966年の創立以来、コネクタの製造、開発および販売を行い、コネクタメーカーの世界市場で上位に位置している。開発拠点は日本と中国、生産拠点は日本、中国、フィリピン、ベトナムに置いている。そして、営業拠点は日本、韓国、中国、香港、台湾、シンガポール、タイ、フィリピン、ベトナム、ドイツ、アメリカ、インドと世界各国に配置し、グローバルな体制を展開することで多くのお客様のニーズに応えている。同社は、経営方針として「顧客第一、業界No.1~全社員の知恵をお客様のために~」というスローガンのもと、世界市場でトップテンに入るために必要となる売上1,000億円達成を長期ビジョンとして掲げている。
同社では、ビジョン達成のための重点施策である『販売効率向上』『DX 推進/Digital 化』に向けて、営業活動を把握しグローバルに案件の見える化を行うため、CRM システムを活用していた。しかし、海外比率の高い同社にとって実現するには課題があり、『Dynamics 365 Sales』の導入に至った。
「旧 CRM のリプレイスに至った主な要因としては、必要性の認識が得られず導入からの定着化が進まなかったこと、グローバル展開が推進できなかったこと、また基幹システムと連携できなかったことと考えています。新たな CRM 導入では、旧 CRM での課題を踏まえて改善しました」(横山氏)
「ドイツでも旧 CRM を導入していました。各国拠点間のコミュニケーションには、共通のシステムが必要ですが、日本のビジネスや文化においては使いやすくても、海外ではそうとは限りません。日本で使っているシステムそのままでは、入力項目が細かすぎると感じたり、英語表記が一部のみで入力に戸惑ったりするなど、現地の従業員にとっては使いづらい部分もあり定着しませんでした。結局、営業の進捗状況の管理は Excel に戻すことになりました」(三浦氏)
こうした状況を改善するため、同社では CRM のリプレイスが決まり、製品およびベンダーの選定を行うことになった。製品選定においては、既に立ち上がっていた基幹システムの移行プロジェクト担当部門と連携して進めていき、ベンダー選定は、まず複数の候補企業を比較するところから始まった。
意図を汲んだ提案・スピーディーなレスポンスを評価し、ベンダーを選定
ベンダー検討は5社選定した中から、費用、スケジュールなどの条件で2社にまで絞り、提案を受けることにしたという。
「他部門のプロジェクトで Microsoft Dynamics 365 の基幹システム導入が決定したことを踏まえて、連携を重視した結果『Dynamics 365 Sales』の採用を決めました。そこで提供企業であるマイクロソフト社から SBテクノロジー(以下、SBT)の紹介があり、ベンダー選定に向けて、SBT にも提案を依頼しました」(横山氏)
2社から提案を受けて最終検討を進めることにした同社は、営業部門ならではの視点も重視していた。
「こちらの要件の意図を汲み、さらに先を見据えた提案をしてくれました。また、相談したことに対するレスポンスがスピーディーで、同じ営業として好印象でした。プロジェクトが始まってもスピーディーな対応が期待できると考えていましたが、実際に現在もその期待に応えてくれています」(横山氏)
導入後は第一段階として『顧客』『商談』『売上』の管理からスタートし、データの抽出・分析・可視化を目的として、ビジネス分析ツール『Power BI』の導入も決めた。
リソースを考慮した体制の組み立てや、海外拠点の CRM 定着に向けたシステム提案
CRM リプレイスの遂行にあたり、プロジェクト発足時の担当は1名だったが、SBT とのプロジェクトにおける摺り合わせで増員が決まった。
「当初担当は私1名だけでしたが、SBT からのアドバイスもあり、プロジェクトを円滑に進めるために増員しました。それでも2名でしたが、SBT の開発体制は、当社側が少人数でも遂行できると分かり安心しました。他社の提案では、体制を詳しく確認することはできませんでしたが、SBT は当社のリソースを考慮した体制を提示してくれたことで、信頼感が高まりました」(横山氏)
まずは国内での導入を終え、海外拠点における導入・定着化においては当初の課題を踏まえて行った。
「私の役割は、海外拠点でも CRM の必要性を認識してもらい、定着化させることです。そのためには、現地の従業員にとって CRM 入力のハードルが上がらないよう、取得したいデータの項目を全て入れるのではなく、必要最低限の項目からスタートできるように検討しました。システム面は、SBT のサポートを受けながら進めました。例えば、こちらの要望がシステムで実現できない場合には代替案の提示や、我々だけでは気付かない提案をしてくれましたので、助かりました」(三浦氏)
海外には1拠点ずつ説明しながら導入を進め、また拠点ごとに担当者を決めて育成するなどの取り組みを行い、理解を得ながらグローバル展開を進めていったという。
世界各国の顧客・商談情報を確認できることで業務効率が向上、今後はさらなる営業力強化を目指す
導入後の新たな CRM システム『Dynamics 365 Sales』は、海外拠点そして国内でどのように捉えられているのだろうか。
「これまで海外拠点では Excel 管理で、月初に会議で報告するための作業に数人で3~4日程の時間を要していました。それが今では専用の一覧を開いて抽出するだけなので、1人が2分程の作業をすれば完了です。データが蓄積してきたと実感しているので、次はデータの精度を向上させ、さらにデータを活用することで、営業力向上を図っていきます」(三浦氏)
「国内では、UI が変わったことに最初は戸惑いはありましたが、Dynamics 365 は、画面で見たままのデータを使い慣れた Excel で抽出するため、見やすく、加工しやすくなりました」(相原氏)
「ほかにも、これまで手間だった案件の更新が約半分の時間で入力できるようになり、メンテナンス性が向上しました。また、以前は各国拠点の見積りや商談情報の確認が必要な際は、各国へ一斉メールを送り、返信を待つしかありませんでしたが、今では情報や担当者を CRM で確認できるようになり、業務効率化に繋がっています」(石山氏)
今回のシステム導入で一番のメリットは各国の最新情報が確認できるようになったことだという。今後は、営業力の強化へ繋げていくことを目指している。
「常に最新の顧客・商談情報を参照できるようになったことで、各国の情報を参考にした新たな提案内容の考案、資料作成の時間短縮、営業業務に充てる時間の増加などの効果に繋がることを期待しています。各国間の情報共有を推進し、営業力の強化を目指していきたいと考えています」(横山氏)
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Microsoft Dynamics 365
Microsoft Dynamics 365 は Microsoft 社が提供する統合型 CRM ソリューションです
Power BI 利活用支援
Power BI とはMicrosoft 社が提供するビジネス分析ツールです。エクセルや CSV ファイル以外にも様々なシステムと連携して、ビジネスに効果的なインサイトを得ることができます。
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