お客様名 | 株式会社 アサヒ ファシリティズ |
---|---|
業種 | 建設・住宅・不動産業 |
企業規模 | 1001人~5000人 |
目的・課題 | IoT によるビジネスの加速 , クラウド活用 , 社内システム構築 |
キーワード | Microsoft Azure , 業務効率化 , IoT・AI・機械学習 |
建物情報プラットフォーム構想の第一弾として遠隔管理システムを刷新
大手ゼネコン・竹中工務店のグループ会社であるアサヒ ファシリティズは、日本全国のオフィスビル、商業施設、ホテル、病院、教育施設などの建物向けに総合管理サービスを提供する不動産管理会社。設備管理、警備、清掃などの日常業務をはじめ、建物診断、改修工事など、建物のライフサイクル全体に関わるトータルソリューションを提供している。
そんなアサヒ ファシリティズの強みとしているのが、高い技術力。特に IT 関連の技術は早い時期から積極的に取り入れており、1970年代には建物・設備を見守る遠隔管理システムを構築している。この遠隔管理システムは数回の更改を重ねたのちに、Web ベースの現行システムへと進化。IoT 技術を活用して24時間365日体制で電気、空調、給排水衛生設備などの監視サービスを提供している。
「当社では、技術力を活かして新たな価値創出やビジネス拡大を図るために『建物情報プラットフォーム』の整備構想を持っています。今回はその第一弾の取り組みとして、既存の遠隔管理システムをリニューアルすることにしました」(中島氏)
従来のシステムは、監視員が常駐する同社の拠点が監視を担当。警報が発生した時点で建物に近い出動拠点に報告し、現地に技術員が急行して対処を行うという体制で運用されていた。しかし、監視員から技術員へ連絡するというオペレーションはどうしても時間がかかる。また、24時間365日体制で運用しなければならない監視拠点の運用面でも課題を抱えていた。そこで今回、業務プロセスを見直して効率化やコスト最適化を実現できるシステムへと一新することにしたのだった。
さらなるデータの利活用や基盤の標準化のため、クラウドを選択
新しい遠隔管理システムの構築を決断したアサヒ ファシリティズは、開発基盤の選択肢としてオンプレミスもしくはクラウドのいずれかを考えた。オンプレミスは、クラウドでの開発、運用と比較するとリプレースコストが増加するという点と、将来的な拡張への対応や IoT デバイスとの接続性などを考慮し、クラウドでの開発に決定した。
「すでに稼働しているシステムは個別に構築されていますが、当社の『建物情報プラットフォーム』構想では、建物管理に関わるさまざまな情報を共通の基盤で統合的に管理する必要があります。そのため、他のシステムや IoT デバイスとの連携、スケーラビリティ、セキュリティなどが重要な要素となり、それにコストの最適化も考えると、クラウドという選択は自然なものでした」(中島氏)
豊富なソリューション実績と Microsoft Azure の充実した IoT サービスを高く評価
アサヒ ファシリティズがソフトバンク・テクノロジーに提案を依頼したきっかけは、竹中工務店から Microsoft Azure 上のシステム構築を受託した実績があったためだ。ソフトバンク・テクノロジーは今回も Microsoft Azure 上に構築することを提案。他社のクラウドサービスとも比較し、Microsoft Azure が最適だと判断したという。
「Microsoft Azure はエンタープライズクラウドの実績があり、IoT 関連サービスも充実しています。さらに将来的に AI やエッジのサービスとの連携も期待できることから Microsoft Azure の採用を決めました。ソフトバンク・テクノロジーを選定したのは、Microsoft Azure と IoT に関するソリューションに豊富な実績を持っていたことを高く評価したためです」(中島氏)
お客様満足度向上と技術員の業務効率化を実現する仕組みが完成
アサヒ ファシリティズとソフトバンク・テクノロジーは、2017年秋に Microsoft Azure 上のシステム基盤と送信装置を用いた PoC(概念検証)を実施。問題なく稼働することを確認してから、両社が協力して改めて要件定義を行い、2018年7月から開発を開始した。
「監視拠点の業務効率と対応力を高め、またコストを最適化するために、技術員主体のフローを策定・整備するなど業務プロセスを大きく見直しました。建物・設備で発生する警報の情報は技術員が携帯するタブレット端末でリアルタイムで確認できるようにし、技術員が操作しやすい画面設計にこだわりました」(鈴木氏)
こうして2019年2月にリリースしたのが、新遠隔管理システム「ASAHI BUILDING CORE」だ。建物情報プラットフォームのうち警報監視、データ処理、送信装置管理の部分を担う仕組みとして、全国数百棟の建物を対象にした遠隔管理に使われ始めた。
「クラウドベースの新システムにより、システム全体の運用コストを最適化できるという効果が見込めます。業務プロセスの見直しによって状況把握・現地対応が迅速化したので、お客様の満足度向上や技術員の業務効率化も見込めます」(中島氏)
新システムが稼働して間もないが、アサヒ ファシリティズではすでに次フェーズの開発検討にも着手している。
「次フェーズでは、建物関係者との情報共有、収集データの拡大、機械学習・AI(人工知能)の活用、他システムとの連携などを検討する予定です。ソフトバンク・テクノロジーの協力のもと、建物情報プラットフォームの構築を進めていきたいと考えています。」(中島氏)
この導入事例のPDF |
---|
導入事例に関するお問い合わせ
本事例に関するお問い合わせ、ご不明点など
お気軽にご相談ください。