お客様名 | 株式会社竹中工務店 |
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業種 | 建設・住宅・不動産業 |
企業規模 | 5001人以上 |
目的・課題 | IoT によるビジネスの加速 , データ分析 , ビッグデータ活用 , クラウド活用 , 業務プロセス効率化(営業系) |
キーワード | IoT・AI・機械学習 , ビッグデータ , データ分析・活用 , Microsoft Azure |
「機械学習+クラウド」による次世代ビル管理の実証実験を開始
1610年の創業以来、社会や時代のニーズに応え、国内外を問わず数多くの建築作品を遺してきた株式会社竹中工務店(以下、竹中工務店)。単なる建築領域にとどまらず、まちづくりを事業領域に据え、専門領域を持つグループ会社と連携しながら、グループ全体で社会的価値を創造する「まちづくり総合エンジニアリング企業」を目指している。
同社では2016年7月、複数ビル内の各種センサーデータをクラウド上で収集・分析し、機械学習を用いて消費電力量をリアルタイムに予測。安価な料金体系を利用できる新電力(特定規模電気事業者)の「30分同時同量」制度を活用することで、電力コスト削減を図る「新砂エリア VPP(バーチャルパワープラント)」の実証実験を開始した。
電力需要のように複雑な組み合わせから予測データを導き出すためには、機械学習の利用が最適である。さらに、本格的な実証実験を開始するにあたっては、複数拠点への展開のしやすさやインフラの保守性を考慮してクラウドの活用が必須と考え、これまで利用してきた機械学習の学習モデル「ニューラルネットワーク」をサポートしている「Azure Machine Learning(以下、Azure ML)」の採用にいたったという。
しかし、まだ登場して間もない Azure ML を使いこなし、予測精度向上を迅速に実現していくためには、自社内だけの対応では限界がある。また、短期間かつ低コストで可用性の高いシステムの構築に向け「Platform as a Service(以下、PaaS)」の活用が大前提であったため、経験豊富なデータサイエンティストやクラウドの専門家による知見やサポートを受ける必要に迫られていた。
クラウドや機械学習だけでなく、建設業界にも精通していることがビジネスパートナー選定の要件
竹中工務店ではビジネスパートナーを選定するにあたり、クラウドや機械学習に関する技術力や経験値が高く、ワンストップで対応してもらえるパートナーが理想的であると考えた。
さらに建設業界における実績が豊富で、業界ならではの慣習などに詳しいことも重要視したという。建設業界には独特の慣習や契約形態などが多く、都度、その説明や対応をしているとコミュニケーションが滞り、ボトルネックとなってしまうことを危惧したからだ。
また、今回の実証実験だけをサポートしてもらう一過性の付き合いではなく、ビル管理システムを顧客に提供する実用段階に進んでも、継続的に会社対会社として付き合っていけるかどうかという点も選定の要件となったという。
技術力や経験だけでなく、経営理念や姿勢も高く評価
ソフトバンク・テクノロジーを選んだ理由について、粕谷氏は「技術力」「実績」「経営理念」をポイントとして挙げる。
「技術力」に関してはシステムインテグレーターであればクラウドに関して詳しいのは当然である。しかし、機械学習などの AI に詳しいデータサイエンティストからもサポ-トを受けられるインテグレーターとなると国内ではまだ少ない。システムに関しても AI に関しても、相談・依頼できるソフトバンク・テクノロジーは、今回のプロジェクトにおいて最適なパートナーであった。
「実績」に関しては、建設業界における取り扱い案件の多さもさることながら、すでに IoT や AI に関するサービスを体系化しており、Azure ML によるシステム構築の実績もあることが評価された。
また「技術力」や「実績」だけではなく「情報革命で人々を幸せに~ 技術の力で、未来をつくる ~」という経営理念と、CEO メッセージの「大きく成長する」というソフトバンク・テクノロジーの経営方針が、竹中工務店の掲げる成長戦略と合致しており、長期に渡り付き合っていける企業だと確信している。
Azure ML の利用に関するコストの最適化と予測精度の向上に貢献
ソフトバンク・テクノロジーでは、消費電力予測システムに関するクラウドインフラの設計をはじめ、予測システムの構築に関するアーキテクチャの設計や最適化をするためのチューニングなどを全面的にサポート。継続的に利用できる仕組みを確立するとともに、Azure ML の利用に関するコストの最適化や予測精度の向上に貢献した。
具体的な例を挙げると、データのクレンジングから始まり、休日と平日をどう分割するか。周期的な関数や天気予報などは何を特徴量として抽出するのか。さらには学習モデルの構築や学習結果の評価など多岐にわたる。
そのような状況下で、ソフトバンク・テクノロジーのデータサイエンティストの専門的な知見によるサポートを受けられたことで、一般的ではない独自の計算式を投入するような場合であっても、自信を持ってデータの妥当性を保証できたという。
今後、さらに実用レベルへと予測システムを進化させるためには、さらなる精度向上やスリム化が求められる。その点に関しても、ソフトバンク・テクノロジーに対する期待は少なくないという。いずれにせよ、今回の実証実験で実用化への道筋が明確になったことは間違いないだろう。
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