お客様名 | 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 |
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業種 | 官公庁・自治体・医療・教育 |
企業規模 | 5001人以上 |
目的・課題 | 業務プロセス効率化(技術系) , 社内システム構築 , クラウド活用 |
キーワード | Microsoft 365(Office 365/EMS) , グループウェア , 業務効率化 , Active Directory |
グループウェアの移行にあたり、研究や業務への影響極小化、正確なデータの移行が求められた。
産業技術総合研究所(以下、産総研)は国内最大規模の研究機関である。特に産業に直結する分野で、数々の成果を生み出してきたことで知られる。国内最大規模の陣容を持つ産総研は、産業との連携を重視した幅広い研究で知られており、北海道から九州まで全国11カ所にある拠点の中でも、茨城県のつくば本部は中心的な役割を担っている。
同研究所が、メールの仕組みを従来のオンプレミスからクラウドに切り替えたのは2012年のこと。以来3年間利用した別のクラウドサービスから Office 365 に移行するプロジェクトが発足した。
今回、産総研の情報基盤部では、研究職員や事務職員、テクニカルスタッフなど約9,000人の研究、業務を支えるグループウェアの移行を行うにあたり、およそ2か月という短期間で、研究や業務に影響がでないように、これまで利用してたメールやオンラインストレージのデータを移行するという重要なミッションを担っていた。
以前から取り組んでいるセキュリティ・BCP 対策の加速、短期間でスムーズな移行の実現
産総研が2012年に導入したクラウドのメールサービスは、3年後に契約切れを迎えた。そこで、契約切れに先立ちメールシステムの入札を実施。
機能面では、クラウドサービスであること、30GB 以上の個人メールボックス容量や、会議室予約やスケジュール機能、個人用ストレージが利用できることが求められた。加えて、世界基準のセキュリティを実現するため、ISO27001 などの認証や、可用性や堅牢性という観点で、データセンター間の冗長化も重要なテーマとなっていた。また、約9,000人が利用する大規模なメールシステムを、およそ2カ月で構築してデータ移行まで実現するというタイトなスケジュールの中で、職員の研究や業務への影響を最小限に留める必要があった。そのために、システムを極力停止せずに、これまで利用していたデータの移行を行う技術力や経験が要求された。
マイクロソフト、ソフトバンク・テクノロジー両社のサービスを組み合わせることで、機能面、セキュリティ面の課題をクリアし、スケジュール内の移行を実現した。
豊富な実績・経験に基づく移行ノウハウ、35TB のデータ移行を短期間で実現
産総研では、ユーザーへの影響を抑制と正確なデータ移行を実現しながら、スケジュール内にプロジェクトを完了させた点を評価。
移行プロジェクトを進める中で、当然ながら意図していなかった問題も発生したが、これらに対する迅速な提案と対応によって解決した点にも助けられたという。
今回、ソフトバンク・テクノロジーでは、オリジナル移行ツールと、BitTitan 社のクラウド型の移行ツール「MigrationWiz」を利用することで、移行コストと移行時間を大幅に削減した。
実際にシステムを停止させた期間は休日の7時間のみで、ユーザーがシステムを利用しながら、約 35TB のメールデータやストレージデータに加えて、メールボックス構成やオンラインストレージデータのフォルダ構成、各フォルダやファイルに付与されたアクセス権限の移行を、わずか2週間程度で実現した。
クラウドサービス利用でユーザーメリットに繋がるコア業務を一層強化
産総研では、管理コストの削減と稼働サーバーの削減による節電などを主な目的として、システムのクラウド化を推進している。メールシステムについては、これまで関連するサーバーが20~30台稼働していたが、 2012年のクラウドサービス導入から Office 365 への移行完了まで着実にその数を減らし、現在はサーバー運用の専任がいない状態を達成している。
運用負荷の軽減により、増加するインターネット上での巧妙かつ高度な攻撃手法への対策を行うセキュリティ管理など、高度な業務への人材のシフトが可能となった。さらに研究の価値を高めるための多拠点を結ぶコラボレーション環境の実現にも繋がった。
情報基盤部では、引き続きコミュニケーション環境の進化や業務効率化のさらなる向上を図ることで、職員の研究業務への貢献や、知的財産をセキュリティや災害などの脅威から保護する活動の継続的な強化を目指す考えだ。
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