お客様名 | 株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント |
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業種 | IT・情報通信業 |
企業規模 | 1001人~5000人 |
目的・課題 | Webサイトのリッチコンテンツ化 , 業務プロセス効率化(技術系) , Webマーケティング , 大規模サイト構築・運用 |
キーワード | CMS・コンテンツ管理 , Web アクセス解析 , One to One マーケティング , サイトリニューアル , 業務効率化 |
利用されるデバイスが多様化し、サイト更新の負荷が増大
「プレイステーション」に関するハードウェア、ソフトウェア、 コンテンツ、ネットワークサービスの企画、開発、販売を行うソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)。2014年には、家庭用ゲーム機の世界販売台数首位を獲得するなど、ゲーム市場をリードする存在となっている。近年、ゲーム端末の進化とともに、ゲームの楽しみ方も多様化し、ハードやソフトを提供するだけでなく、ネットワークサービスを通じて様々な遊び方ができることを、ユーザーに周知する必要性が高まってきた。
日本国内およびアジア地域向けビジネスを担当するソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジア(以下、SIEJA)では、Web サイトやメールマガジン、モバイルアプリなどを通じて、様々な情報を配信。中でも「プレイステーション」オフィシャルサイトは、重要な情報伝達媒体であり、次々と登場するゲームの魅力をいちはやくユーザーに伝えるには、このサイトをタイムリーに更新し続けることが求められる。
ところが、以前の仕組みではそれが簡単ではなかった。理由の1つが、端末の多様化だ。
SIEJA は、2006年にリリースした据え置き型端末「プレイステーション 3」以降、ゲーム端末からの Web サイトアクセスを可能にした。急増するゲーム端末からのアクセスに対応するため、サイトコンテンツ管理用の独自システムを構築し、PC、ゲーム端末に対応したサイト制作を行ってきた。加えて、近年、スマートフォンやタブレットからのアクセスが急増すると、各社のモバイル端末での検証も必要となった。この検証に大きな手間と時間を要するようになり、サイトコンテンツの管理負担が増大し、タイムリーな更新を続けることが難しくなっていた。
もう1つの課題は、サイト制作体制にあった。従来のシステムでは、新しいコーナーを追加するたびにサイトの改修および、システム開発会社への作業依頼が必要だった。わずかな変更でも1ヶ月以上、大規模なリニューアルでは1年近くかかることもあり、ユーザーや世の中の動向を迅速にサイトに反映することが困難となっていた。そこで今回、同社では、こうした理由からサイトの魅力が低下してしまうことで、ユーザーの満足度まで下がってしまう事態を防ぐ方法を検討することにした。
ゲームの魅力を伝えるため、機動力やクリエイティブ面の柔軟性を重視
そこで、SIEJA は、新たなサイト管理システムの導入を検討。複数のシステムを比較した結果、「Adobe Experience Manager」を採用した。当初、候補に挙がったのは、管理性の高さを重視した他社ソリューションだった。しかし、管理性重視のシステムは、機動力やクリエイティブ面で制約が多い印象だった。
従来の課題を解決し、「プレイステーション」の魅力や楽しさを伝えていくには、管理性よりも、自由度の高いサイト制作を、迅速に行える方が重要と判断。再度検討を進めた結果、最終的に「Adobe Experience Manager」の採用に至った。「Adobe Experience Manager」の導入により、レスポンシブデザインのマルチデバイス対応テンプレートを用意することで、各種端末に対応したサイト制作を、効率的に行うことが可能となった。コンテンツの追加も、コンポーネントをドラッグ&ドロップするだけで直感的に行える利便性を備えており、マルチデバイス向けの魅力的なコンテンツを、迅速に制作できる点を評価した。
さらに、サイト制作用のデジタル資産を一元管理する「アセット管理機能」で、既存コンポーネントを活用することで、画像のズーム機能などを備えたリッチなコンテンツも、容易に制作できるようになった。
ユーザーの目線に立ったきめ細かいサポートや運用・改善支援を評価
SIEJA が「Adobe Experience Manager」の導入を決めた際、日本では数少ない「Adobe Experience Manager」の導入・開発経験をもつのがソフトバンク・テクノロジーだった。
SIEJA では、導入済みの「Adobe Analytics」と「Adobe Target」の運用・改善支援も含めてソフトバンク・テクノロジーのコンサルティングサービスを利用することで、各ソリューションの連携によるマーケティング高度化を狙っていた。また、経験豊富なコンサルタントの熱意ある提案にも頼りがいを感じたという。
また、最終的な決め手となったのは、充実したサポートメニューだった。スキルトランスファーの教育も含め、製品運用のためのトータルサポートが受けられる点を評価した。
導入当初には、社内リソースだけでは不足した部分を、実際にサポートを利用して補うことができた。社内のノウハウが無い中で、ユーザーの目線に立ったきめ細かいサポートを受けて運用を行い、PDCA サイクルの改善につなげることができたという。
コンテンツ改善の PDCA サイクルを高速化し、直帰率が5ポイント減少
「Adobe Experience Manager」の導入効果はすでに表れているという。Web サイトトップページの更新は、約8倍のスピード感で実行できるようになった。
また、Adobe Analytics での分析結果を、サイト構成やコンテンツの改善に迅速に反映するサイクルも実現。以前の約5倍のペースでサイトの改善を実施できている。
「Adobe Experience Manager」と「Adobe Target」を連携させることで、ユーザー属性に応じたコンテンツ出し分けなども実現することができる。
サイト更新や PDCA サイクルを回すことが容易になったことで、運営者が、サイト改修によるシステムの制約や開発コスト/リードタイムなどを気にせず、企画立案にフォーカスできる体制も実現した。
コンテンツの鮮度を保つことができるようになった結果、サイトを訪れるユーザーの動きにも変化が表れている。
トップページを訪問したユーザーの直帰率が、40%から35%に改善。サイト内のブログコーナー「PlayStation.Blog」へのコメント数も、37%増加。サインイン場所の配置を工夫することで、サインイン回数も以前の8倍以上に増加した。
頻繁なコンテンツの追加や見直しが可能になったことで、ユーザーの関心や興味を引くことができた結果だと同社は分析している。
現在、SIEJA では、「Adobe Experience Manager」と「Adobe Target」の連携による、提供コンテンツのパーソナライズを進めている。トップページのリニューアル後、サインインするユーザー数が大幅に増えたこともあり、新たなパーソナライズ施策も検討。レコメンドやリマインドなど、ユーザーごとに最適なコミュニケーションを実現することが、今後の目標の1つとなっている。
SIEJA では、今後も「Adobe Marketing Cloud」および、SBT のサポートの力を借りながら、プレイステーションの魅力を広く発信するサイト運営を続けていく考えだ。
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