お客様名 | 新潟県 |
---|---|
業種 | 官公庁・自治体・医療・教育 |
企業規模 | 5001人以上 |
目的・課題 | Microsoft 365 を利用した働き方改革推進 , テレワーク実現のためのセキュリティ強化 , サイバー攻撃の検知・分析・対策を含めたセキュリティ監視 , クラウド活用 , セキュリティ強化 , 業務プロセス効率化(営業系) , ワークスタイル変革 , 社内システム構築 |
キーワード | Microsoft 365(Office 365/EMS) , 業務効率化 , クラウドセキュリティ , EDR |
行政デジタル改革の柱としてネットワーク基盤の整備に着手
本州の日本海側唯一の政令指定都市である新潟市を擁し、全都道府県中5位の面積を持つ新潟県。豊富な海産物と日本有数の海水浴場などの大きな恩恵をもたらす日本海と2024年にユネスコ世界文化遺産に登録された佐渡島の金山、生産量日本一の米を育む越後平野、県境にそびえる越後山脈などを構成する雄大な山々、そして日本最長河川である信濃川と、多彩で特徴的な自然環境を有することで知られている。
同県では、2021年に「新潟県デジタル改革実行本部」を設立し、デジタル技術およびデジタルデータを最大限活用し、人口減少などに起因する少子高齢化や活力、競争力の低下などの諸課題の解決に向けた取り組みを、全庁的に重点的かつ集中的に実行している。新潟県知事政策局 ICT推進課 行政デジタル化推進班 政策企画員の佐藤圭祐氏は、同県のデジタル改革の実行方針として「暮らし」「産業」「行政」の3分野を挙げ、それぞれの取り組みについて次のように話す。
「暮らしの分野では、地域交通・教育・子育て・医療・福祉・防災・治安といった公的サービスの変革、産業分野では県内産業の DX 促進による、より付加価値の高い産業構造への転換、そして行政分野においては、県職員の働き方を抜本的に見直し、デジタル技術を用いた業務効率化と業務品質の向上を目指しています」(佐藤氏)
佐藤氏が携わった行政におけるデジタル改革では、自治体特有の情報システムである“三層分離構成”、α(アルファ)モデルが業務の効率化を阻害していると判断。2022年度から庁内ネットワークモデルの刷新プロジェクトを本格始動し、β’ モデルへの移行、およびクラウドサービス利活用基盤の整備に着手した。
効率的な働き方を実現するため庁内ネットワークの β’ モデルへ移行を決断
佐藤氏がプロジェクトリーダーを務め、ICT推進課を中心に推進された本プロジェクトでは、庁内ネットワークを利用する約7,000人の利用者を対象にアンケートを実施。「α モデルの環境下で効率的に業務を行えているか」という問いに対し、肯定的な回答は約1/4にとどまり、過半数が課題を感じているという結果となった。佐藤氏は、マイナンバー利用事務系・LGWAN 接続系・インターネット接続系の三層でネットワークとシステムが分離されている状況での端末の使い分けや、各層間のデータ連携の手間が業務効率を低下させていたとアンケート結果を分析する。
オンプレミス環境に構築していた LGWAN 接続系からインターネットサービスを利用するための仮想ブラウザの更改が近づき、ハードウェアの更新や維持を含め、高額な構築・運用コストがかかると試算した。ICT推進課では、α モデルの継続よりトータルコストを抑えられ、かつ業務しやすい環境が実現できると判断して β’ モデルへの移行を決定。業務効率の向上とセキュリティ対策の強化の両立を重視し、プロポーザル方式で提案企業の選定を進め、 2024年に SBテクノロジーが提案したソリューションの採用を決定した。
他自治体への導入実績やコスト面での優位性が採用の決め手
佐藤氏は SBテクノロジーの提案を採用した理由について、他自治体における類似環境の構築実績、さらに同県が利用する東北・新潟自治体情報セキュリティクラウドの提供事業者であることを挙げ、くわえて価格面での優位性も評価したと述べる。
「今回のプロジェクトでは、以前から県職員向けライセンスを購入していた Microsoft 365 のサービスを利用した業務効率化を目指しており、調達にあたってはセキュリティ対策製品を扱う企業、および組織への Microsoft 365 の導入をサポートした実績がある企業を中心に30社以上と面談を重ねました。仕様書案を事前開示する意見招請も行い、プロポーザルを実施した結果、大規模組織や自治体への Microsoft 365 の導入実績が豊富で、自治体情報セキュリティクラウドのサービス事業者でもある SBテクノロジーの提案を採用しました。自治体情報セキュリティクラウドと連携した EDR の SOC サービスの提供も採用を決めたポイントでした」(佐藤氏)
本プロジェクトに開始当初から携わり、現在は総務部 税務課 電算管理係 主任を務める吉武翔氏は、「2022年から β’ モデル移行に向けて庁内システムの調査、分析を開始し、システム構成を検討して予算を確保、2024年にプロポーザルを実施して SBテクノロジーと契約し、移行環境の構築を進めていきました」とプロジェクトの流れを説明。庁内の調整は丁寧に進めていったと当時を振り返る。
「業務効率化を図るためとはいえ、安定稼働している庁内ネットワークを切り替えることに不安を感じるシステム担当者も少なくありませんでした。目的を丁寧に説明し、コミュニケーションを重ねながら進めたことで、無事に移行できました。他にも SBテクノロジーからの提案で庁内コミュニケーションサイトを構築し、Microsoft 365 の使い方などの共有ができたことも新システムへの不安軽減につながったのではないかと考えています」(吉武氏)
インターネット接続系ネットワークに庁内業務を集約
システム構築はスムーズに進み、2025年1月から β’ モデルの稼働を開始。SBテクノロジーのクラウド認証基盤「Online Service Gate」を中心に、セキュアブラウザ、エンドポイントセキュリティ対策、仮想ブラウザ、クラウドメールシステム、そして業務効率化の鍵となる Microsoft 365 という構成で、高い利便性とセキュリティを両立させている。
「β’ モデル移行では、業務をどれだけインターネット接続系に寄せられるかが鍵でしたが、結果として LGWAN 接続系の多くのシステムを移行できました。仮想ブラウザのログイン状況から、98%の職員が LGWAN 接続系をほぼ使わずに業務を行えています」(佐藤氏)
β’ モデルへの移行後のアンケートでは、約8割が業務効率の向上を実感。α モデルのネットワーク構成による業務負荷を軽減できたと、佐藤氏は手応えを口にする。
Microsoft 365 に関しても、全サービスの利用を見据え環境を整備。すでに一部の部署では、業務改善が進み、数十人規模で3日ほどかけて行っていた作業を、Power Automate で自動化したという事例も出ている。佐藤氏は、本プロジェクトの成果を踏まえた今後の展望について次のように語る。
「今年度中にクラウドストレージの利用を開始する予定であり、クラウドサービスの活用で大方の業務が行える環境が実現します。今回導入したセキュアブラウザを活用し、場所にとらわれない働き方も実現します。また、導入サービスの効果を高めるには、各職員が自発的にデジタル技術を活用するための教育や意識向上に向けた取り組みが重要になると考えています。デジタル化による業務効率化で得られたリソースは県民向けのサービスに還元し、県民の皆様がよりよいサービスを享受できるような県政を目指していきます」(佐藤氏)
この導入事例のPDF |
---|
Online Service Gate
Online Service Gate は、Microsoft 365 や Google Workspace、Salesforce をはじめとする約 4,000 のクラウドサービスへのセキュアなアクセスを実現するサービスです。
Microsoft 365 導入・運用支援サービス
Microsoft 365 導入・運用支援サービスは、新規導入はもちろん、もっと安全に簡単に Office 365 をアップグレードしたいといった運用改善のご要望も解決します
自治体向けソリューション
自治体の皆様は、安心・安全・豊かなまちづくりを目指した総合的な対応を問われております。当社では、情報活用、セキュリティ強化、Webサイト改善の課題などに対し、最適なソリューションで自治体業務の変革をご支援いたします。
導入事例に関するお問い合わせ
本事例に関するお問い合わせ、ご不明点など
お気軽にご相談ください。