掲載日:2023/03/09

転職先を探す方法は転職サービスを利用する以外にも存在します。どのような方法でも、自身に適した方法で探すことが大切です。本記事では、直接応募のメリットやデメリット、成功のポイントについて解説します
転職は直接応募が有利?

転職する方法には、企業に対し求職者が直接応募する「直接応募」や、転職エージェントや転職サイトを利用して応募する方法があります。「転職では直接応募が有利」という声を聞いたことがあるかもしれませんが、採用率自体には大きな差はありません。
企業が採用を決めるポイントは応募方法ではなく、スキルや適性です。たしかに、転職エージェントの利用にはコストがかかりますが、よりマッチング度合の高い人材を多く集める事ができますので、採用効率は上がります。一方、転職エージェント経由で採用が決まった場合は紹介料がかかるため、紹介料がかからない直接応募者を採用するケースもあります。つまり、企業の考え方によってどちらが有利かが異なるのです。
直接応募を選ぶメリット

直接応募を選ぶメリットには、以下の3つが挙げられます。
● 求人倍率が低い
● 志望意欲が高いと評価されやすい
● 自分のペースで転職活動を進められる
ここでは、3つのメリットについて解説します。
求人倍率が低い
直接応募を選ぶメリットとして、求人倍率が低いことが挙げられます。直接応募の場合、転職サービスを利用していない企業にもアプローチをかけられます。転職サービスを利用していない企業は、求職者の目に留まる機会が少ないため、応募者数も少ないでしょう。
応募者数が少なければ、求人倍率も低くなります。結果的に採用される可能性が上がるのです。
志望意欲が高いと評価されやすい
志望意欲が高いと思われることも、直接応募のメリットです。転職エージェントや転職サイトは、効率よく企業を見つけ、応募できるサービスです。直接応募は自分で企業を探し、業務内容に関心を持った上で応募します。
企業は「わざわざ自社を見つけてくれた」と感じ、入社したいという明確な意志を持って応募していると評価されることもあるでしょう。
転職サービスと自社ホームページのどちらでも募集しているのであれば、あえて直接応募するのもひとつの方法です。
自分のペースで転職活動を進められる
自分のペースで転職活動を進められることも、直接応募のメリットです。転職サービスを利用している企業は、多くの求職者の目に留まります。そのため、明確な入社意思がなく「とりあえずエントリーする」という人の対応も必要です。応募数が多い場合、書類選考の結果を通知するだけでも期間がかかります。
一方、直接応募は転職サービスよりも応募者が少なくなります。応募後の対応もスムーズになるため、転職サービスに比べて選考結果の通知も短時間で進むでしょう。
結果が出るまで待つ必要がなく、自分のペースで転職活動を進められることは大きなメリットです。
直接応募のデメリット

直接応募のデメリットには、以下の3つが挙げられます。
● スケジュール調整の手間がかかる
● 給料や条件の交渉を自身で行う必要がある
● 選考のフィードバックを受けられない
どのデメリットも、転職エージェントを利用すれば解決できますが、交渉や対策を自分だけでできるのであれば、大きな問題にはならないでしょう。ここでは、3つのデメリットについて解説します。
スケジュール調整の手間がかかる
直接応募を選ぶデメリットには、スケジュール調整の手間がかかることが挙げられます。転職エージェントを利用した場合、企業とのスケジュール調整は、エージェントを通して行われるため、応募者の負担は少なくなります。
一方、直接応募の場合は企業と直接やり取りしてスケジュールを決めなければなりません。在職中であれば、その負担はより大きく感じるでしょう。
給料や条件の交渉を自身で行う必要がある
給料や条件の交渉を自身で行う必要があることもデメリットです。転職エージェントを利用した場合、給料や条件の交渉はエージェントが行います。応募者が言いにくい内容でも、エージェントを通して伝えるので、スムーズな交渉ができます。
しかし、直接応募の場合は交渉をするのも応募者自身です。提示された給料が希望よりも低い場合「交渉できるのか」「どのように交渉すればいいのか」「だれに交渉すればいいのか」を、自身で取り組む必要があることを理解しましょう。
選考のフィードバックを受けられない
選考後のフィードバックを受けられないこともデメリットです。転職活動では、自分では手ごたえがあったにもかかわらず、不採用通知を受け取る場合があります。転職エージェントを利用した場合、面接の振り返りにより、自分では気付かなかった問題がわかります。企業から直接原因を入手できるケースもあるでしょう。
しかし、直接応募では自身の面接を一緒に振り返る人はいないため、採用に至らなかった原因は自分で考えるしかありません。
また、入社試験は1次試験、2次試験と進むにつれ注意点が変わります。選考の振り返りや、対策を自身で考えなければならない点も、直接応募のデメリットと言えるでしょう。
直接応募の3ステップ

直接応募する場合のステップは以下のとおりです。
1. 気になる企業を探す
2. 履歴書・職務経歴書を作る
3. 応募フォーム・メールなどで応募する
応募する前に、履歴書や職務経歴書を作成しておくのがポイントです。ここでは、それぞれのステップについて解説します。
1.気になる企業を探す
まずは、気になる企業を探します。求人サイトに該当企業がない場合、自身で検索してホームページを確認しましょう。ホームページに採用ページがあれば、直接応募できます。
採用ページがない場合は、メールや電話でコンタクトをとり、人員を募集しているか確認する必要があります。メールで問い合わせる場合は、募集の確認とともに自身のプロフィールや経歴も合わせて伝えると良いでしょう。
電話で問い合わせる場合は、電話口で自身のプロフィールを語っても想いは伝わりにくいです。「中途採用の件でご連絡いたしました。御社に大変興味を持っており、人員を募集しているか確認させていただけないでしょうか?」と切り出せば、対応してもらえます。
ただし、電話の場合は受け取った相手によって対応が異なります。「忙しい」「担当者がいない」といった理由で、情報を得られないケースもあるため、募集の確認はメールを利用したほうが良いでしょう。
2.履歴書・職務経歴書を作る
気になる企業が見つかったら、履歴書や職務経歴書を作ります。エンジニアの場合はポートフォリオもあると良いでしょう。
別紙で志望動機書も作ると、企業に熱意が伝わります。履歴書や職務経歴書については、特に指定がないのであれば手書きと電子データのどちらで作成しても構いません。
ただし、パソコンを使用する業務の企業に応募するのであれば、電子データで作成した方が、スキルのアピールにもなるでしょう。
関連記事:エンジニアにとってポートフォリオは重要か?作る際のポイントも解説
3.応募フォーム・メールなどで応募する
履歴書や職務経歴書の作成ができたら、気になる企業に応募フォームやメールで応募します。応募文には、プロフィールとともに志望動機や現在の職種、業務内容、スキルを記載すると良いでしょう。
志望動機やスキルがわからない場合、企業は判断がつかず不採用や返信が来ない可能性が考えられます。どのような情報があれば選考できるのかを考えた上で、応募文を作成しましょう。
直接応募を成功させるための4つのポイント

直接応募を成功させるポイントは以下の4つです。
● スケジュールには余裕をもたせる
● メールや電話のやり取りに気をつける
● 企業調査を徹底的に行う
● 募集内容や勤務条件をしっかりと確認する
どのポイントも、事前準備に関するものです。ここでは、それぞれのポイントについて解説します。
1.スケジュールには余裕をもたせる
直接応募を成功させるためのポイントとして、スケジュールに余裕を持たせることが挙げられます。直接応募の場合、エージェントのような第三者のサポートがありません。そのため、書類作成やスケジュール調整などを応募者自身で行う必要があります。
スケジュールに余裕がない場合、書類の完成度が低くなったり、日程調整が進まなくなったりする可能性があります。日程が決まらないだけなら良いですが、書類の完成度の低さが理由により不採用になってしまっては元も子もありません。
余裕を持ったスケジュールを組み、一つひとつの作業に真摯に取り組むことが大切です。
2.メールや電話のやりとりに気をつける
直接応募では、メールや電話のやり取りを応募者自身で行わなければなりません。メールの書き方や電話での応対も評価に含まれます。
メールであれば「すぐに返信できているか」「記述漏れや誤字脱字がないか」を確認した上で対応する必要があります。電話であれば「丁寧な受け答えができているか」「正しい敬語が使えているか」などのやりとりに気をつけましょう。
3.企業調査を徹底的に行う
企業調査を徹底的に行うこともポイントです。応募する企業の理念やサービスを理解できていない場合、志望動機は曖昧なものになります。「自社のことを知らない」「志望動機が曖昧」といった応募者を採用する企業は少ないでしょう。
企業調査を行い、応募する企業のことを理解した上で応募することにより、企業に熱意が伝わります。最低でも以下の項目については理解しておきましょう。
● 会社概要
● 経営方針や企業理念
● 商品・サービス
● ターゲットとなる顧客や市場
4.募集内容や勤務条件をしっかりと確認する
募集内容や勤務条件を確認することも大切です。ホームページの採用ページには給料や勤怠時間、福利厚生といった条件が明確ではないケースは珍しくありません。条件を確認せずに応募した結果、採用後に「給料が低すぎることがわかった」といったケースもあります。
採用後のミスマッチを防ぐためにも、募集内容や勤務条件を面接時に確認しておくことが大切です。もし、自身の希望している条件と差がある場合は交渉が必要です。ただし、根拠がなくては交渉できません。希望する条件の根拠や優先順位を決めた上で交渉しましょう。
まとめ:直接応募のポイントを押さえて転職を成功させよう!

転職する方法には、企業に対し求職者が自身で行う「直接応募」や、転職エージェントや転職サイトを利用して応募する方法がありますが、採用率自体には大きな差はありません。企業はスキルや適性が採用を決めるときのポイントとしています。
直接応募は、求人倍率が低いことや、志望意欲を評価されやすい、自分のペースで転職活動を進められるといったメリットがあります。一方、スケジュール調整や交渉など、選考に関するすべてのやりとりを自身ですることはデメリットと言えるかもしれません。
直接応募する際は、余裕を持ったスケジューリングや応募先との丁寧なやり取りだけではなく、企業調査や条件の確認が必要です。
転職エージェントを利用する人は、将来のキャリアを自身でまだ描けず、キャリア支援も期待して転職エージェントを利用している人もいるようです。SBテクノロジーでは、社内にキャリアコンサルタントが所属しているため、入社後にキャリアパスの相談が可能です。
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