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『5G』特徴とメリット・デメリットについて解説|4Gとの違いや注意点も

コラム

掲載日:2023/12/12

『5G』とは第5世代移動通信システムのことを指し、モバイル通信ネットワークの進化として注目され、2020年に商用化となりました。4Gが登場してから10年あまりが経過しており、『5G』の出現によってさまざまなモノがインターネットにつながるIoT(Internet of Things)の領域などでの活用が期待されています。

『5G』はどのような特徴を備え、社会にどのような変化をもたらすか基本的なポイントを押さえておくことが重要です。この記事では、『5G』の普及状況やメリット・デメリット、4Gとの違いや注意点などを解説します。

『5G』とは

『5G』とは何かについて理解するには、4Gとの違いを把握しておく必要があります。『5G』の基本的なポイントについて解説します。

『5G』の概要

『5G』とは、『第5世代移動通信システム』を意味しています。前身となる4Gが登場してから10年ほどが経過しており、人々のライフスタイルや社会が大きく変化しているため、時代に合った通信システムとして注目度が高い技術です。

『5G』が実現されることによって、暮らしや仕事に多くの影響があると言われています。さまざまなモノがインターネットとつながるIoT時代を下支えする技術として、多くの国や企業で研究・開発が行われています。

総務省が公表している「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データ(令和4年度第4四半期)」によれば、2022年9月時点における『5G』の契約数は約5,736万契約となっており、携帯電話の契約者数に占める割合としては28%程度です。

『5G』の契約者数は徐々に増加していますが、まだ4Gの契約者数のほうが多く、完全に『5G』へシフトしているわけではありません。しかし、4Gの場合も普及するまでには一定の期間を要しており、スマートフォン端末への切り替えといった要因などもあったため、次第に普及していきました。

そのため、『5G』に対応した端末の普及に伴って、少しずつ『5G』の契約者数は伸びていくものと予測されています。

4Gとの違い

『5G』は4Gと比べて、移動通信技術が大きく向上しているのが特徴です。通信速度は4Gの20倍、通信遅延は4Gの10分の1、同時接続は4Gの10倍と言われています。

つまり、単にモバイル端末として利用するだけでなく、さまざまなデバイスから快適にネットワークへ接続できる環境になることが期待されています。4Gはあくまでコミュニケーション領域の技術として注目されていましたが、『5G』はモバイル端末としての役割だけでなく、より豊かで便利な暮らしを実現したり、産業の高度化を担ったりするための技術だと言えるでしょう。

『5G』の普及状況

総務省が公表している「日本全国の『5G』ネットワーク環境の整備状況」によれば、全国の『5G』人口カバー率は「96.6%」(2022年度)となっています。「デジタル田園都市国家インフラ計画」の目標値(2023年度末:95%)を上回っており、着実にインフラ整備が進んでいる状況にあると言えます。

全都道府県で80%以上の人口カバー率をすでに確保しており、2025年度末には90%以上、2030年度末には99%とする整備目標が掲げられている点も押さえておきましょう。

『5G』の特徴

『5G』を上手に活用していくためには、基本的な特徴について正しく理解しておく必要があります。ここでは、おもに3つの点から『5G』の特徴を解説します。

『5G』の大きな特徴として、高速での大容量通信が可能であることが挙げられます。2020年代に必要となる回線容量は2010年代の1,000倍相当になると言われており、『5G』による大容量通信化の進展が望まれています。

一度に大量のデータを高速で送れれば、動画鑑賞やオンラインゲームなどでタイムラグが発生することも少なくなるでしょう。4Kや8Kといった高画質の画像を多くの人が見ても、『5G』であれば十分な回線容量を備えられます。

また、農業や医療、教育などの分野におけるIoT化を実現するには高速・大容量通信といった部分は欠かせません。『5G』の実現によって、より便利で快適な暮らしがもたらされると言えるでしょう。

複数のデバイスとの同時接続

4Gで同時に接続できるのは数台ほどが限界でしたが、『5G』では約100個の端末をインターネットに接続可能です。スマートフォンやタブレット端末などを同時に複数台つなげることができれば、IoTの実現に役立つと言えます。

IoTは「モノのインターネット化」と呼ばれています。デジタル技術を活用することで個人の暮らしを豊かにするだけでなく、高度な都市基盤を整備したスマートシティの実現や防災対策などに結びつけることができ、より安心して生活できる社会を構築することにつなげられます。

通信の遅延が少ない

『5G』は4Gと比較すると、高速・大容量での通信が可能であるため、通信のタイムラグをほとんど意識することなく利用できます。『5G』の遅延は1ミリ秒程度であり、4Gの10分の1程度に短縮されると言われています。

わずかなタイムラグが発生してしまえば、自動運転や遠隔からのロボット操作は難しいですが、『5G』の実現によってそれらの課題も乗り越えていけると期待されているのです。

『5G』のメリット

『5G』によって得られるメリットとして、次の3つが挙げられます。

・超高速通信を体感できる
・通信が安定している
・VR・ARを利用できる

各メリットについて詳しく見ていきましょう。

超高速通信を体感できる

『5G』は前述の通り、4Gよりも速いスピードで通信を行えます。インターネット接続が高速になることで、ダウンロードにかかる時間が短縮されるだけでなく、ダウンロード中に接続が切れるといった状況も回避できます。

ストレスを感じない通信を楽しむことができ、『5G』のモバイル端末を使えば、動画視聴やオンラインゲームなど大容量通信も快適に楽しめるはずです。インターネットは暮らしに欠かせないものとなっているので、『5G』によってさらにその利便性が向上するでしょう。

通信が安定している

『5G』は多数のデバイスとの同時接続が可能であるため、同じタイミングで多くのユーザーがインターネットを使う状況であっても、安定した通信が期待できます。家庭内においても、家電製品を情報端末と結び付けて操作するIoT化を推し進めることができ、より快適な暮らしを得られます。

また、家庭だけでなく店舗や公共施設、医療機関などさまざまな場所でIoT化が図られることによって、知りたい情報にいつでもアクセスできる環境を整えられるでしょう。

VR・ARを利用できる

『5G』が実現することによって、現地に足を運ばなくても、臨場感を得ながらスポーツ観戦や音楽ライブの鑑賞を行うことが可能となります。大容量通信ができることで、アクセスが集中しているときにつながりにくいといった現象も少なくなるでしょう。

また、バーチャルメイクや仮想試着といった新たなライフスタイルを楽しむこともできます。企業としても、『5G』を活かしたサービスを展開していくことで、顧客からの信頼をより多く獲得できるでしょう。

ARのコンテンツやVR空間を構成するのは、2次元ではなく3次元のデータであるため、『5G』が実用化されることでサービスの拡大が期待されています。

『5G』のデメリット

『5G』は多くのメリットを備えていますが、少なからずデメリットもあるので注意が必要です。どのような点に気をつければよいかを解説します。

セキュリティ面での注意が必要

『5G』の高速・大容量通信においては、快適な環境でインターネットに接続できる環境が整います。そのため、これまでよりもWeb上にあげられる情報量や接続デバイス数が多いのが特徴だと言えるでしょう。

しかし、一ヶ所に情報やアクセスが集中することによって、サイバー攻撃の標的となる恐れがあります。個人情報や機密情報が外部に流出する懸念があるため、ユーザー自身が情報セキュリティに関する正しい知識を持ち、利用していくことが大切です。

対応エリアが限定されている

前述の通り、『5G』に対応しているエリアは年々拡大していますが、一部のエリアでは『5G』のサービスがまだ提供されていないので注意が必要です。人口が多い都市部では使用できるエリアは増えていますが、全国的に見るとまだ対応していないエリアもあります。

各キャリアは順次、『5G』の通信対応エリアを拡大していますが、『5G』のプランを契約する際は対応エリアに該当しているかどうかをよく確認しておきましょう。

『5G』によって実現されるもの

『5G』の実現によって、社会がどのように変わっていくかを把握しておけば、より豊かな暮らしを手に入れるきっかけとなります。おもに3つの点から、『5G』によって実現されることを解説します。

自動運転の進化

『5G』の普及によって、自動運転の分野でさらなる技術の向上が期待されています。ネットワークに接続された状態で走行する自動運転車は、車同士がお互いに通信を行って、車間距離を保ちながら走ることが可能です。

非常時のハンドル制御も可能であるため、交通事故や渋滞の低減につながる効果が得られます。また、人が立ち入るのが危険な災害現場に向かわせる無人車両や、建設用の重機の自動運転を遠隔から行えるので、安全性の向上や人手不足の解消などにつなげられるでしょう。

高精細なライブ配信

『5G』が実現されれば、4Kや8Kといった高画質の映像をライブ配信することが可能です。自宅で視聴しているユーザーであっても、高速・大容量通信の『5G』を使えば、まるで現地にいるような臨場感を味わえるでしょう。

遠く離れた場所からでも、ライブやスポーツといったエンターテインメントを楽しむことができ、より充実した時間を過ごせます。

多様な働き方の実現

『5G』は人々の働き方にも影響を与えます。高速・大容量通信が実現すれば、ビデオ会議に参加をしたり、大容量のファイルをスムーズに共有したりといったことが行いやすくなります。

在宅でリモートワークを行うといった多様な働き方を実現することにもつながり、仕事と育児・介護などの両立も行いやすくなるでしょう。

まとめ|『5G』の特徴を押さえて上手に活用しよう

『5G』は単にコミュニケーション技術としてだけでなく、社会のIoT化を実現するものとして注目されています。『5G』に対応したモバイル端末や対応エリアも着実に広がっており、暮らしや仕事の身近なところでサービスが拡大されていると言えるでしょう。

また、自動運転や防災対策への活用など、社会基盤の整備のために貢献する部分が大きいはずです。『5G』の基本的な特徴を理解した上で、どのような使い方をしていくかを考えてみましょう。

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