掲載日:2023/12/08

『インフラエンジニア』とはITエンジニアの一種であり、主にインフラストラクチャ(IT基盤)の構築という役割を担う職種を言います。システムやインターネットを使用するために必要となるサーバーやネットワークの設計・開発・運用・保守を行う技術者が『インフラエンジニア』です。
作業を行う範囲は広く、担当する技術領域によってネットワークエンジニアやサーバー・クラウドエンジニアなどいくつかに分けられます。この記事では、『インフラエンジニア』におすすめの資格を紹介し、資格を取得するメリットや役立つ理由を解説します。
『インフラエンジニア』として資格を取得するメリット

『インフラエンジニア』の資格を取得するメリットとして、スキルの客観的な証明となり、キャリアアップにつなげられる点が挙げられます。また、仕事の幅を広げられるため、取り組みたい仕事にチェレンジする機会を得られるでしょう。
それぞれのメリットについて、詳しく解説します。
スキルの客観的な証明になる
『インフラエンジニア』にとって、資格を取得することは必須のものではないと言えます。実務においては資格よりも、経験が重視される傾向にあるからです。
しかし、資格を取得することによって、一定のスキルや知識を備えていることの証明になります。特に顧客への提案時や初めての取引を行うときなど、自身のスキルを把握していない方から依頼を受ける際に有利になるはずです。
また、転職者においても資格を取得していることでアピールポイントとなり、面接や待遇面の条件交渉を行う際に役立ちます。
キャリアアップにつなげられる
必要とされる資格を取得すれば、より高い知識レベルを備えていることが証明でき、業界におけるキャリアアップにつながると言えます。特に、国家資格である情報処理技術者試験の中でも、システムアーキテクトやネットワークスペシャリストなどの高度な資格を取得すれば、人によっては転職活動を有利に進められるでしょう。
『インフラエンジニア』としての活躍を目指すなら、ITインフラの分野においてスペシャリストになっていくことが求められます。現在備えている自分の実力を客観的に捉え、キャリアアップしていくために資格の取得は有効な手段です。
仕事の幅を広げられる
資格を取得することで、仕事の幅を広げることにつながります。いくら実務経験が長かったとしても、客観的に実力を判断する要素がなければ、自分の実力をアピールしづらくなってしまうものです。
着実にキャリアを高めていくためには、上位の資格を取得してレベルの高い業務を任せられる人材として評価されることが大切です。より上位工程の仕事に取り組むためにも、資格を取ることはメリットがあると言えるでしょう。
『インフラエンジニア』の種類と業務内容

『インフラエンジニア』が担当する業務はさまざまな範囲に及ぶため、技術領域によっていくつかに分類されます。それぞれの職種の特徴と業務内容について解説します。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアとは、ネットワークの要件定義・設計・構築・保守・監視・運用を担う職種です。経験が浅いうちは保守・監視・運用といった業務を担い、経験を積んでしっかりとしたスキルを習得した後に、要件定義・設計・構築といった業務を任されるケースが多いです。
ネットワーク環境の基本に精通しておくことは、システム障害などのトラブルが発生した際にスペシャリストとして活躍できる存在となれます。基礎的な部分をきちんと固めておくことで、将来のキャリアアップや年収アップにつなげられるでしょう。
サーバー・クラウドエンジニア
サーバー・クラウドエンジニアは、おもにサーバーの設計や構築に携わるエンジニアを指します。サーバーを構成する機器やユーザー権限の管理、ミドルウェアのインストールなど、サーバーに関連するさまざまな業務を担います。
近年ではサーバー構築の領域において、クラウドを用いて環境構築することが多いでしょう。そのため、単にサーバーの知識やスキルだけでなく、クラウドについても深い知見を備えておく必要があります。
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、情報の機密性・完全性・可用性を維持するために、セキュリティに配慮したシステム設計・運用を担う職種です。サイバー攻撃などの被害や障害を未然に防ぐために、必要な調査や対策などを行う役割を担います。
スマートフォンの普及やプライベートクラウド環境構築など、従来のネットワーク環境と比較して複雑になっており、サイバー攻撃そのものも巧妙になってきています。情報セキュリティは企業などの組織の信用にも直結する部分であるため、セキュリティエンジニアへの需要や重要度は、さまざまな業界でますます高まっていると言えます。
『インフラエンジニア』におすすめの資格

『インフラエンジニア』として活躍の場を広げていくために、資格の取得を検討してみましょう。ここでは、特におすすめの8つの資格について、概要とポイントを解説します。
応用情報技術者試験
『応用情報技術者試験(AP)』は情報処理推進機構(IPA)が主催している資格試験であり、基本情報技術者試験よりワンランク上のITエンジニアであることを証明する国家試験です。特別な受験資格はなく、誰でも受験することが可能です。
試験内容としては、システム開発の応用的な技術スキル、予算・工程・品質の管理、経営戦略・情報戦略における差異分析や提案書の作成スキルなどが問われます。試験は毎年4月と10月に行われ、午前に多肢選択式(四肢択一)・午後に記述式の試験が行われる構成となっています。
上流工程での業務を担いたいと考えられている人は、ぜひチャレンジしたい資格です。
データベーススペシャリスト試験
『データベーススペシャリスト試験(DB)』はIPAが実施しており、システム全体のデータ資源を管理できること、データベースシステムの構築・維持に関して主導者としての知識・スキルがあることを証明する国家試験です。特別な受験資格はありませんが、ハイレベルな試験であるため、『インフラエンジニア』として十分な経験を積んでから受験するほうがよいでしょう。
試験では、データベースの企画や要件定義、開発・運用・保守といった分野に加えて、データ分析やセキュリティ対策に関する高度な知識やスキルが問われます。試験は毎年10月に行われており、多肢選択式(四肢択一)と記述式の形式で午前と午後に分けて行われます。
近年では、ビッグデータの活用などが謳われており、データ分析の基盤を整える将来性のあるスキルとして『データベーススペシャリスト試験』は注目されているのです。
ネットワークスペシャリスト試験
『ネットワークスペシャリスト試験(NW)』はIPAが主催しており、ネットワークシステムの構築・維持について、主導者としての知識・スキルがあることを証明する国家試験となります。ネットワークの固有な技術からサービス動向まで幅広く精通し、目的に沿った大規模で堅牢なネットワークシステムを構築・運用できる資格として活かせます。
試験は毎年4月に行われており、多肢選択式(四肢択一)と記述式です。資格を取得することで、ネットワークシステムの構築・運用だけでなく、組織において人材育成などの重要な役割を任せられることにもなるでしょう。
情報処理安全確保支援士試験
『情報処理安全確保支援士試験(SC)』はIPAが主催しており、サイバーセキュリティに関する専門知識を活かし、安全なシステムの企画・設計・開発・運用の支援が行えるかが問われる国家試験です。特別な受験資格はなく、毎年4月と10月に試験が行われています。
試験は多肢選択式(四肢択一)と記述式によって構成されており、情報システムの脅威分析に関する知識や情報セキュリティマネジメントに関する指導・助言、ネットワークやデータベースの知識などが問われます。近年、サイバー攻撃の被害が拡大しているため、情報セキュリティを担う役割はますます高まっているので将来性のある資格であり、取得することで活躍の場を広げていけるでしょう。
LinuC
LPI-Japanが実施する『LinuC(リナック)』は、クラウド・DX時代における即戦力のエンジニアであることを証明するLinux技術者認定資格です。『LinuC』では、オンプレミスからクラウド環境までLinuxシステムの設計・構築・運用ができることを認定してもらえます。
LinuCにおいては、単に技術認定といった意味合いに留まるものではなく、技術者コミュニティの力を借りることによってITシステムの開発や運用管理の現場で役立つ実践的なスキルが問われます。そのため、日本国内だけでなく、世界で活躍できるITエンジニアとして仕事の幅を広げられると言えるでしょう。
試験は4つのレベルに分けられており、実力に応じて目指していけます。着実に学習を重ねていくことによって一歩ずつ、スキルアップを図ることが可能です。
ITIL認定資格
『ITIL(アイティル)認定資格』とは、ITILに関する知識を証明するための資格です。安定したITサービスを提供するために必要なITサービスマネジメントの指標となっており、顧客満足度の向上などにつなげられます。
ITILの入門資格として位置付けられる『ITILファンデーション』は、初学者でも取組やすく、試験を主催しているAXELOSの公式サイトには試験範囲や項目ごとの勉強時間の目安が記載されているので、学習計画を立てることに活用できます。試験は多肢選択式(四肢択一)となっており、65%以上の正答率が合格基準です。
Cisco技術者認定試験
『Cisco(シスコ)技術者認定試験』は、ネットワーク機器の開発において世界最大手のシスコシステムズが主催しています。シスコシステムズ製品の操作方法やネットワーク技術の専門性を問うベンダー資格であり、難易度によって試験は5つに分けられています。
ネットワークの分野において、認知度や信頼性が高い資格であり、『インフラエンジニア』としての基礎的な知識の習得、スキルの証明につなげられます。
まとめ|目指すキャリアプランに応じて資格の取得を考えよう

『インフラエンジニア』はIT基盤の構築、サーバーやネットワークの設計・開発・運用・保守などを担う技術者を言います。ネットワークエンジニアやサーバー・クラウドエンジニアなど担当する技術領域によって職種が分けられており、さまざまな領域で活躍できます。
着実にキャリアを重ねていくには、実務経験だけでなく客観的な知識・スキルの証明となるように、資格試験の受験を目指してみることも大切です。目指すキャリアに向けて、本記事でご紹介した資格などを参考に、学習計画を立ててみましょう。
SBテクノロジーでは、さまざまな大手企業や官公庁向けICTサービスなどの業務拡大にともない、当社のミッションである『情報革命で人々を幸せに ~技術の力で未来をつくる~』をともに実現できる仲間を広く募集しています。エンジニアも例外ではなく、アプリケーションスペシャリストやセキュリティアナリスト、プロジェクトマネージャ、IoTソリューションエンジニアといった幅広いキャリアを歩める環境が整っています。
当社の理念や姿勢に共感いただける方のWebからのエントリーを心よりお待ちしております。