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SBテクノロジー女性活躍推進座談会&懇親会 レポート

環境を知る

掲載日:2023/11/30

SBテクノロジー(以下、SBT)ではダイバーシティ&インクルージョンの実現を目指した活動の一つとして、女性が活躍できる環境づくりの活動に取り組んできました。今回はそれらの動きを加速するために、社外取締役である富永さん、宮川さんを囲む形で、2023年10月12日に実施された座談会&懇親会の模様をレポートしたいと思います。

 

【社外取締役プロフィール紹介】

富永 由加里

 森永乳業株式会社 社外取締役(2020年6月~)
 富士電機株式会社 社外取締役 (2022年6月~)
 SBテクノロジー株式会社 社外取締役(2022年6月~)

2007年に日立システムエンジニアリング株式会社 (現 株式会社日立ソリューションズ)初の女性本部長、2011年には日立グループとして初の女性執行役員に就任。2019年4月からは同社チーフ・ダイバーシティ・オフィサーに就任。2021年3月に日立ソリューションズ退任。
SE として活躍され、日立グループ初の女性役員としての経験もふまえて、技術同友会、企業、自治体などのダイバーシティ推進活動に従事され、現在に至る。

 

宮川 由香

 SBテクノロジー株式会社 社外取締役(2022年6月~)

2014年に沖電気工業株式会社にて、女性初の本部長、2017年に執行役員、2020年常務執行役員に就任、2021年4月からOKI クロステック株式会社 取締役常務執行役員、2023年3月退任。

営業・商品企画等を担当。組織の持続的な成長という観点で、多様性を理解し様々な立場・意見を受け入れる柔軟さの必要性について企業内セミナーなど幅広く活動され、現在に至る。

 

 

SBTが女性活躍を推進する意義とは

まず初めに登壇したのは、常務執行役員の喜多村さん。改めてSBTが女性活躍を推進する目的について語っていただきました。

SBTではサステナビリティへの取り組みの基本方針の一つとして「従業員のやりがいと誇り、個性がいかされ、性別や年齢、国籍等にとらわれない、平等で多様性に富み、チャレンジできる環境を大切にします。」と掲げています。更にはその施策の一環として女性管理職の割合に関する具体的な目標値も掲げており、会社として必達事項であることを再確認されました。

また、米国中央情報局(CIA)や日本の地方議会での実例をあげられ、同質性による弊害について警鐘をならされ、その解決には女性はもちろんのこと、さまざまな人材が活躍する多様性の確保が何より重要であると訴えられました。

以前の大量生産、大量消費の時代においては、同質性が効率向上に向けた美徳とされてきましたが、時代が変わり様々なイノベーションが必要とされるVUCA時代に突入した現在において、同質性はリスクにも直結してしまいます。だからこそ明日(未来)のために、喜多村さんご自身が常に大切にされている「衆知を集める」というキーワードの前提には、ダイバーシティ&インクルージョンが必要である、と締め括られました。

 

 

人事より活動の現状

続いて、人事本部の山田さんよりSBTにおける女性活躍の現状、2035年までの目標値、およびロードマップが示されました。

具体的な目標としては女性管理職の割合を現状の7%から2030年までに12%、2035年までに15%と、段階的に倍化させていく目標を掲げており、達成に向けたロードマップの上で、現在は最初の啓発期であり、これからも多くの社員と協力しながら、この活動を広げていきたい、と伝えられました。

 

 

平等(Equality)から、公平・公正(Equity)へ

いよいよ社外取締役のお二人のご登壇となりますが、まずは富永さんから。

富永さんはダイバーシティ&インクルージョンの本質は「意思決定に多様な意見が取り入れられること」であり、そのための前提として、平等(Equality)ではなく、公平・公正(Equity)が求められている点を指摘されました。

単に多様な人材がいて、その人たちに平等なサポートを提供しようとする考え方から、さまざまな人たちの個性に合わせて公平・公正なサポートを提供し、多様な個がそれぞれのチカラを発揮し、 相乗効果が生まれている状態を目指すことが重要であると主張されました。

 

 

同質性が醸成したアンコンシャスバイアスからの思考停止

宮川さんからは、多様性の対局にある同質性の弊害の一つとして、長い時間をかけて醸成されたアンコンシャスバイアスが背景にある一種の思考停止状態が引き起こす、コンプライアンス違反の具体例として、大学アメリカンフットボール部の危険タックル問題や、大企業における不正会計や公表情報の改ざんなどの事例が紹介されました。

その上で、こうしたアンコンシャスバイアスを克服するには長い時間が掛かることが多いが、我々に残された時間は限られている。現状は過去の経緯の結果であり、早急にこれを変えて行くためには、「長い過去」を可及的速やかに修正する事も必要。今すぐ、現状を変えるための取り組みを、社員一人一人の活動レベルからでも良いので実行すべきだ、と述べられ、話を終わりました。

 

 

参加者によるワークショップ

参加者同士のディスカッションとして、「SBTが女性活躍推進を進めるにあたってのボトルネックは何か?(制度・風土・個人の意識)」をテーマに個人ワーク、グループワークを実施してもらい、最後に各グループの意見の全体共有と、二人の社外取締役による講評も実施していただきました。以下はその中で出てきた参加者からの意見の一部となります。

「SBTの女性活躍推進のボトルネックは、SBTのマネージメントに求められるものが結局ハードワークや、長時間労働するべきだ、という文化なのではないか。ハードワークしてやっていくだけでなく、マネージメントの業務を再定義すべきではないか。特に営業はカスタマファースト、お客様に寄り添うということで、評価されることもあり、育児の中でやっていくのは大変なこと。更に人事も交えて見直していけたらよいと感じた。」

「SBTの女性社員の比率や、更にその中での管理職比率の現状を聞いて、IT業界の中でも低いな、確かにダイバーシティという点で遅れているのだな、というのを実感しました。皆さんの意見をお聞きして女性は女性の悩みが色々あること、私も管理職の経験がありますが、その中でメンバーの皆さんの思っている半分も拾えていなかったのだな、と改めて感じました。」

「2035年に向けた目標の話もありましたが、ここ数年でできることをどんどんやっていかないと、この話は進まないと感じました。女性活躍のロールモデルが少ないというのがネックになっていると思っていますが、少しずつでも、平等、公平の観点を踏まえて、しっかりと会社としても提示していくべきだと感じました。」

「本日参加されていない多くの方にも意識を向けて欲しい。最初に話し合う土台をそろえるためにもっといろんな人にこういう場に来て欲しいと感じる内容でした。」

 

 

富永さんの講評

まだまだ意識が低い、そこが大きな問題なのだろうなと思いました。特にIT業界においてはダイバーシティということはとても重要。今後の経営にとって大事な観点であり、もっと興味をもって、それこそ競合他社の研究も含めて改善に向けた取り組みが必要である。

ここで女性の方に一つお願いがあります。それは時短勤務をしようが、育休で家事が大変だろうが、どこにいてもキャリアを積んで偉くなりたい、と常に思っていてほしいなりたい、と思わない時もあります、私もありました。子育ては大変だし、こんなに家事をして、と思うけど(笑)。しかし長期的に見れば誰でも給料は上げたいし、自分の思い通りに仕事もしたい。

だから聞かれたときは、たった今はそう思っていなくても、私は偉くなりたい、と上司に言ってください。女の人って、割と正直でその場で思ったことを言ってしまう。損していますよ。絶対言うようにしてください。そこだけお願いします。

宮川さんの講評

もっともっと参加者を増やす必要があるな、と。まずはそこが最大の課題ですよね。次回からは全女性社員を対象として、その上司の男性とセットで、全員参加でやるべきだ、位に私は思っています。

上司の意識こそが問題なのです。部門長の人がどれ程このことを課題だと思っているか。自部門を成長させようと思ったときに、人材が肝のこの会社で、人が増えなかったら、やれる仕事はそんなに増えないわけです。AIが出てきて効率化できることもあるし、自動化できることもあるかもしれないけど、人がいなくては進まない仕事も圧倒的にあるわけです。

女性を活用しようと思っていない部門長がいるのだとしたら、それ自体が問題だと思いますし、本日参加できなかった方々にも、種々忙しいとは思いますが、数時間のスケジュール調整ができないことはないと思います。プライオリティのつけ方の問題だと思うのです。これより大事だと思っているものが他にある、でもそれではこの問題は解決していかない。女性の皆さんもどんどん声をあげていきましょう。

 

 

 

最後は楽しく懇親会

様々な議論をたたかわせた後は、やっぱりみんなで乾杯!コロナの影響でこうした場もほとんどなくなっていましたが、久しぶりの懇親会開催となりました。

美味しい料理を肴に、お酒もすすみ、普段の職場とは異なるメンバーとのコミュニケーションの場ということで、さまざまな相談や会話も弾み、盛り上がっておりました。

 

 

取材を終えて

今回の取材を通して、当社の女性活躍推進の取り組みの一端を皆様にご紹介させていただくことができましたが、ロードマップ上も現在は第一段階の啓発期であり、これから更に社内の意識を向上させていく必要性を強く実感しました。

当社の誇るべきカルチャーとして、「チャレンジ」というキーワードがあります。女性活躍推進の課題は当社だけで解決する問題ではありませんが、改善が必要な状態があるならば、チャレンジし続けていく。こういった取り組みは単発で終わらせることなく、継続させていくことが非常に重要であると思いますので、引き続きこのサイトでもご紹介していきたいと思います。

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