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プライム案件とは?メリット・デメリットを徹底解説

コラム

掲載日:2023/11/27

システムエンジニアとして勤めている方はプライム案件という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
しかし、エンジニアになったばかりの方や目指している方の中には言葉の意味を正しく理解できていないという方もいらっしゃるかと思います。

本記事では、プライム案件のメリット・デメリットや、どのような方が向いているかを紹介します。

プライム案件とは?

プライム案件とは、クライアント企業から直接受注した開発案件のことを呼びます。わかりやすく日本語で表現すると「元請け」を意味し、直接受注のため、当然ながら下請けよりも責任範囲も広くなりますし、単価も高くなる傾向があります。

システム開発企業は、二次請け・三次請けとしての受注より直接発注を受ける方がより多くの売り上げが期待できるでしょう。

プライム案件でエンジニアが行う仕事内容

続いてはプライム案件でエンジニアが行う仕事内容について解説していきます。他にも細かい仕事内容はありますが、多くの場合、大きく以下の3つに分けることができます。

● システム設計
● スケジュール・進捗管理
● システムのチェック

それぞれの項目を解説します。

システム設計

プライム案件では、元請け企業がクライアント企業と打ち合わせなどでコミュニケーションを取り、システムの要件定義をします。要件定義が完了すると、次にシステム設計を行っていきます。

基幹システム・Webアプリ・ハイブリッドアプリ・ネイティブアプリ等、様々な種類のシステム設計業務をする必要があります。

また、システム設計後も、開発現場が設計の意図を正確に汲み取り開発できるように、書類送付や伝達などの説明責任を果たす必要があります。

スケジュール・進捗管理

プライム・コントラクタは、協力会社や発注先のシステム会社が行う作業の、進捗状況を管理する必要があります。そのため、立場が上であるプライム・コントラクトは発注先のシステム会社がミスをした場合、その責任をとる可能性があります。

仮に、スケジュールに遅延などが発生した場合、すべて直接やり取りをしているプライム・コントラクタの責任です。発注先となるシステム会社の作業状況を常に把握し、進捗状況に遅延が発生しそうであれば、クライアントへ相談するなど、高いマネジメント能力が求められます。

システムのチェック

プライム・コントラクタの仕事内容には、システムのチェックも含まれます。

システム設計で正しい内容を開発現場に伝え、その内容通りに開発が完成したという報告があっても、それを鵜呑みにするのはおすすめできません。完成品に対して、高いスキルを持つ人が最終チェックを行う必要があります。

プライム・コントラクタは、システムエンジニアとしての高いスキルや実績が求められる職種です。このため、クライアントへの納品前に行うシステムの最終チェックもプライム・コントラクタの重要な仕事内容です。

ただ、システム開発よりもマネジメント業務の方が多くなってしまいがちな側面もあります。そのためにシステムチェックができないということにならないよう、日頃からのスキル向上を意識していきましょう。

プライム案件におけるメリット

ここまで、プライム案件の仕事内容をみてきましたが、プライム案件にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、プライム案件のメリットを以下に3つ、解説していきます。

● クライアント企業への常駐が少ない
● 上流工程を担当でき、キャリアアップできる
● 給与水準の高い企業が多い

プライム案件の利点を知り、今後どのような案件を受けていきたいかの参考にしてみてください。

クライアント企業への常駐が少ない

まず考えられるのが、客先常駐を避けることができる点です。

下請け企業のエンジニアは、元請け企業やクライアント企業に常駐し、システム開発を行うというケースが多いでしょう。いわゆる『客先常駐』と呼ばれるもので、システム開発ではよくあるケースです。

プライム案件であれば、この客先常駐ではなく、自社での作業がメインになることが多いです。これは、プライム・コントラクタの仕事内容が、要件定義や設計といった上流工程であり、客先常駐して開発やテストをする必要がないというのが主な理由です。

このように、プライム案件では常駐先へ出向かず、自社勤務が中心となります。

上流工程を担当でき、キャリアアップできる

先述のとおり、プライム案件では上流工程を担当できるため、比較的キャリアアップが期待できます。

プライム・コントラクタは、企画などプロジェクトの上流工程から参加し、さらに開発業務を担うベンダーを選べる立場にあります。下請け企業は、システム開発がおもな業務範囲となり、上流工程に携われる機会がそれほど多くありません。

プライム・コントラクタであれば、上流工程を数多く経験でき、キャリアアップに繋げられるでしょう。さらに、上流工程を経験して知識やスキルを習得できれば、自身のエンジニアとしての市場価値も高められます。

給与水準が高い企業が多い

下請け企業などと比べると、プライム・コントラクタは比較的給与水準が高い点がメリットです。大手SIerの場合は福利厚生が充実している企業も多く、安定した生活が期待できます。

プライム・コントラクタは、一次請け・二次請け・三次請けという、多重下請け構造の一番上に位置していますが、当然ながら元請けに近い企業のほうが利益率が高い傾向にあります。二次請け、三次請けの企業を上手くマネジメントすることにより、コストを抑え、より多くの利益を上げることができます。

結果として、プライム・コントラクタに所属するエンジニアの給与水準も高くなる傾向になります。エンジニアは将来性のある職種であり、収入のことを考えてエンジニアを志す方も多くいらっしゃいます。

プライム案件を多く抱えている企業に入社することで給与水準も高くなりやすいため、転職の際は少し気にしてみるとよいでしょう。

プライム案件のデメリット

ここまで、プライム案件のメリットをみてきましたが、デメリットもいくつかあります。ここでは、以下3つのデメリットを解説していきます。

● 立場上責任が伴う
● 開発に関するスキルを伸ばしにくい
● 雑務に追われてしまう

それぞれの内容をよく読んで、転職時の参考にしてみてください。

立場上責任が伴う

プライム案件では、責任の大きさにストレスを感じてしまう人もいます。案件ではプロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーとして重要なポジションを担うことになれば、それだけ責任も重くなりプレッシャーがかかります。

また、クライアントと直接契約をしているプライム案件では、トラブルがあれば発注先企業にシステム開発を依頼する立場上、一番に責任を負う可能性があります。

プロジェクトを束ねていくためには、ストレスとうまく付き合っていけるような、忍耐力や自己管理能力が必要です。

開発に関するスキルを伸ばしにくい

開発に関するスキルを伸ばしにくいことが、プライム案件のデメリットの一つです。

プライム案件では、上流工程に携わることが多く、実際に開発工程を担当することはあまりありません。これは、プライム・コントラクタがシステムの要件定義から設計までを行い、それ以降の工程を発注先のシステム会社に一任することが多いためです。

今まで開発を経験してきた熟練者が、プライム案件に携わるのであれば良いですが、新卒入社からプライム案件に関わる人もいます。このような人は、上流工程だけを担当することになり、開発に関するスキルを伸ばすのが難しいでしょう。

将来のキャリアアップを考えるのであれば、開発スキルは自己学習などで補っていくことをおすすめします。

雑務に追われてしまう

プライム案件では、クライアントとの窓口や上流工程のほかにも、雑務となる細かな作業も多く見られます。

先述したような、発注先企業の進捗管理もプライム・コントラクタの仕事内容です。

プロジェクトにはトラブルが発生するのが常であり、何か問題が発生すれば、プライム・コントラクタがその調整に入ります。クライアントとの折衝や発注先となるシステム企業の窓口との交渉など、多岐にわたる雑務が発生します。

このため、プライム・コントラクタにはシステム開発のスキルよりも、マネジメントスキルを求められることが多くなります。

プライム案件に参画する方法2選

ここまで、プライム案件のメリット・デメリットをみてきましたがいかがだったでしょうか。キャリアアップや給与面でのメリットがある一方で、ストレスが多く開発業務に携わりづらいというデメリットがありました。

では、プライム案件に参画するためにはどのような方法があるのでしょうか。ここでは、以下2つの方法を解説します。

● プライム案件を多く取り扱う企業で働く
● 上流工程のスキルを磨く

プライム案件を多く取り扱う企業で働く

プライム案件を多く取り扱う企業で働くことが、プライム案件に参画する方法の一つです。

システム開発は、多重下請け構造となっており、その頂点に立つのが元請けであるプライム・コントラクタと呼ばれる企業です。このプライム・コントラクタで働くことができれば、プライム案件に参画する機会が多くなるでしょう。

プライム・コントラクタでは上流工程の作業を受け持つことが多くなるため、後述する、上流工程のスキルを磨くことが重要です。

上流工程のスキルを磨く

上流工程のスキルを磨くことは、プライム案件に参画するために重要なことです。多重下請け構造の頂点である、プライム・コントラクタで働くことができれば、プライム案件に数多く参画できます。

プライム案件では、上流の抽象的な仕事が多いため、抽象的な思考が必要となります。システム開発における、計画立案・要件定義・システム設計などのスキルがそれにあたります。

システム開発以外のスキルも求められ、特に、顧客企業や発注先のシステム会社との交渉に必要なコミュニケーションスキルは必須です。さらに、サブ・コントラクタの進捗管理を行うための、マネジメントスキルも必要となるでしょう。

これらスキルを磨いておけば、プライム案件に携われる可能性が高くなります。

プライム案件が向いているエンジニアのタイプ3つ

プライム案件に参画するためには、上流工程のスキル向上が重要であることがわかりました。では、どのようなエンジニアがプライム案件に向いているのでしょうか。

ここでは、プライム案件に向いているエンジニアのタイプを以下に3つ解説します。

● リーダシップが発揮できる
● 細かな要件定義ができる
● 周りをバックアップするのが好き

リーダーシップを発揮できる

プライム案件には、リーダーシップを発揮できる人が向いています。

クライアントや下請け企業とのやりとりが多くなるプライム案件では、これらとの連携をうまく行う必要があります。状況把握・方針の決定・計画の変更など、リーダーシップが必要とされる場面は多いです。

このため、日ごろからリーダーシップが発揮できる人は、プライム案件に向いています。

ただ、リーダシップは、何かを学習してもすぐに身につけるのは難しいものです。自身が担当する小さな案件から、リーダーシップを意識して行動すれば、少しずつ身についていくでしょう。

細かな要件定義ができる

細かく要件定義ができる人は、プライム案件が向いています。

細かく指示されたり、指摘をされたりすることは周りの人にとってやりづらいものです。ただ、このような細かな配慮が、のちに起こるであろう要件変更や検討漏れなどを防ぐことになります。

プライム・コントラクタはプロジェクト全体の責任を負う業務であるため、このような細かな配慮が必要です。

デメリットとしては、細かく考えるために要件定義やシステム設計のスタートダッシュが遅くなってしまう点です。スケジュールの期間が短いプロジェクトでは、細かな配慮とスケジュール厳守という、2つのバランスをとったプロジェクト進行が必要となるでしょう。

周りをバックアップするのが好き

プライム案件に向いている人は、周りをバックアップするのが好きな人です。

50代以降のベテランエンジニアに多い傾向がありますが、バックアップが好きな人は、普段は周りに作業を任せることが多いです。ただ、問題が発生したときには、早急にメンバーをバックアップでき、プロジェクトの軌道を修正します。

このような、周りをバックアップしていざという時に頼りになる人は、プライム案件に向いています。

まとめ|まとめ役に回る人はプライム案件向き

今回は、プライム案件の特徴やメリット・デメリットなどをみてきました。

● プライム案件は上流工程の作業がおもな仕事内容である
● 他社へ赴くことが少なく上流工程が経験できキャリアアップできる
● ストレスが多く開発作業を経験する機会が少ない
● リーダーシップを発揮できる人がプライム案件に向いている

プライム案件は、上流工程の作業がおもな仕事内容であり、他社へ赴くことがなく給与も多いです。一方で、プロジェクトの全ての責任を負うためにストレスが多く、上流工程ばかり行うために開発経験を得る機会が少ないというデメリットがあります。

プライム案件に向いている人は、リーダーシップを発揮できる人で、クライアントやサブ・コントラクタと良好な関係の構築が求められます。

これからプライム案件に携わっていきたいと考える人は、上流工程やマネジメントスキルなどを磨いておくことをおすすめします。

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