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仮想デスクトップとは?VDIと拡張機能について徹底解説

コラム

掲載日:2023/11/07

仮想デスクトップとは、WindowsなどのOSの拡張機能やVDIと呼ばれるサーバー上のデスクトップを指します。仮想デスクトップを使うことで、複数の業務を同時並行で行ったり、リモートワーク時も社内と同じ環境で作業を行ったりすることが可能です。

この記事では、仮想デスクトップの種類や使用例、メリットや注意点などを解説します。仮想デスクトップの基本を理解して、業務効率を高めていきましょう。

仮想デスクトップとは?|パソコンとVDIの2種類がある

仮想デスクトップとは、複数の資料を画面で閲覧しながら作業をしたり、異なる業務を同時に行ったりするのに役立つものです。大きく分けてふたつの種類があり、1つはWindowsやMacに搭載されているOSの拡張機能です。

もうひとつは、リモートワークで使用されているVDIと呼ばれるサーバー上のデスクトップです。それぞれの違いについて解説します。

WindowsやMacなどOSの拡張機能

WindowsやMacといったOSの拡張機能としての仮想デスクトップは、目的に応じて複数のデスクトップを作成し、必要に応じて切り替えながら作業を行える機能をいいます。

特徴としては、シャットダウンを行っても画面を削除するまでは、仮想デスクトップをそのままの状態にできる点が挙げられます。そのため、再度パソコンを立ち上げても、シャットダウン前に開いていた仮想デスクトップを維持することができます。また、仮想デスクトップの作成や画面の切り替え、削除といった作業をすべてパソコン上で行うことが可能です。1台のパソコンで多くの画面を切り替えながら作業を行えるのが、OSの拡張機能としての仮想デスクトップです。

Virtual Desktop Infrastructure(VDI)

VDIとは、『Virtual Desktop Infrastructure』の略称であり、サーバー上にデスクトップを作成し、さまざまなデバイスから使えるようにする仕組みを指します。主に、次のふたつに分けられます。

オンプレミス型VDI
 ・自社で構築・管理するサーバーで仮想デスクトップの運用を行うタイプ。
 ・設定や構成を自由に行える。
 ・外部に支払う利用料は発生しないが、保守管理の手間やコストがかかる。
 ・機器の購入が必要であるため、初期コストがかかる。
 ・利用規模の変更には機器の買い替えなどが必要。

クラウド型VDIサービス
 ・クラウド上の仮想デスクトップを利用するタイプ。
 ・初期コストを抑えやすく、導入がスムーズ。
 ・従量課金制であるため、使った分だけの費用を支払えばよい。
 ・契約変更だけで、利用規模を変えられる。
 ・設定の自由度はサービスの範囲内に限られる。

どのような違いがあるのかを見ていきましょう。

オンプレミス型VDI

オンプレミス型VDIとは、自社が構築・管理するサーバーで仮想デスクトップの運用を行うタイプをいいます。外部に支払う利用料などは発生しませんが、保守管理の手間やコストなどが必要です。

また、サーバーを構築するための機器の購入が必要になるので、初期費用がかさみがちです。その代わりにオンプレミスならカスタマイズの自由度が高くなるため、どのような構成にするかの制約はありませんが、利用規模を変更するには機器の買い替えなどが必要になるケースもあります。

クラウド型VDIサービス

クラウド型VDIサービスとは、クラウド上の仮想デスクトップを利用するタイプをいいます。自社でサーバーを用意するわけではないので初期コストを抑えやすく、導入をスムーズに行えるのが特徴です。

従量課金の料金設定であるため、使用した分のコストしか発生せず、契約変更だけで利用規模を変えられるので便利です。ただし、複数のユーザーで大量のリソースを使用した場合には、オンプレミス型でのサーバー構築よりも料金が高くなる可能性があるので注意しましょう。

仮想デスクトップの使用例とは?

仮想デスクトップの使用例は、種類によって以下のように異なります。

WindowsやMacなどOSの拡張機能
 ・急を要する案件と期限に余裕のある案件を分けられる。
 ・仕事用とプライベート用の画面を分けられる。
 ・省スペースでマルチディスプレイ環境を整えられる。

Virtual Desktop Infrastructure(VDI)
 ・リモートワーク時に社内と同じような環境で作業が行える。
 ・アクセスする端末のスペックに依存しないので、コスト削減につながる。
 ・災害時にも業務を継続できる。

それぞれの違いを解説します。

WindowsやMacなどOSの拡張機能

WindowsやMacなどのOSの拡張機能として仮想デスクトップを使用する場合、急いで取り組むべき案件と期限に余裕のある案件をデスクトップ上で分けて作業が行えます。案件ごとに画面を区切ることで、作業効率を高められるでしょう。

また、仕事用とプライベート用で分けて使えば、セキュリティ面でも安心です。限られたスペースでマルチディスプレイのような使い方ができるため、重宝する場面も多いといえます。

Virtual Desktop Infrastructure(VDI)

Virtual Desktop Infrastructure(VDI)を使用すれば、リモートワーク時や出張先など社外での作業も、社内と同じような環境で取り組めます。ネットワークに接続できれば、アクセスする端末や場所を選ばずに使える点が魅力です。

また、作業に必要なデータなどをサーバー上に保存しておけるため、災害時の業務においても役立ちます。使用端末は高機能なスペックを求めなくても作業に支障が出ないので、その分のコストを抑えられるでしょう。

またリモートワーク時の作業環境を整えられるため、生産性の向上につながり、社外で作業を行うときの情報漏えいリスクを最小化できます。

仮想デスクトップを使用するメリットとは?

仮想デスクトップを上手に活用すれば、作業効率を高めたり、場所にとらわれない働き方が実現できます。ここでは、仮想デスクトップを使用するメリットとは何かを紹介します。

WindowsやMacなどOSの拡張機能

WindowsやMacなどのOSの拡張機能として仮想デスクトップを使用すれば、次のメリットが得られます。

・案件ごとにデスクトップを分ければ作業効率が向上
・パソコン1台でマルチディスプレイ化が可能

各メリットについて解説します。

案件ごとにデスクトップを分ければ作業効率が向上

取り組む案件ごとにデスクトップを分けておけば、緊急の業務が割り込んできたような場合であっても、今取り組んでいる業務を終了させずに別画面で対応できます。仮想デスクトップは一度に複数の作業を行うのに向いており、作業効率を高めるのに役立ちます。

これまでの作業で閲覧していた画面を最小化して別の作業に移ったり、複数のWebブラウザを開き過ぎてどのページを見ていたのか分からなくなったりした経験がある方にとって、仮想デスクトップを導入すれば快適な作業環境を手に入れられます。

パソコン1台でマルチディスプレイ化が可能

仮想デスクトップを使用すれば、パソコン1台でマルチディスプレイ環境を手に入れられます。複数のディスプレイや周辺機器などを管理する手間やコストの削減にもつながるでしょう。

Virtual Desktop Infrastructure(VDI)

Virtual Desktop Infrastructure(VDI)を仮想デスクトップとして使用すれば、次のメリットが得られます。

・情報の漏えいリスクを低減
・自宅やシェアオフィスなど出先からでも操作可能

各メリットについて解説します。

情報の漏えいリスクを低減

Virtual Desktop Infrastructure(VDI)であれば、サーバー上に構築されたデスクトップの環境をデータとして呼び出しているだけなので、作成したデータもすべてサーバーに保存されます。そのため、仮にパソコンを紛失したり盗難の被害に遭ったりしても、第三者に情報が漏えいしてしまうリスクを低減できます。

作業効率だけでなく、セキュリティといった部分からも仮想デスクトップの使用を検討してみるのは重要です。

自宅やシェアオフィスなど出先からでも操作可能

前述の通り、サーバーにアクセスできる環境であれば、場所を選ばずに自らのデスクトップ環境を呼び出すことが可能です。そのため、Virtual Desktop Infrastructure(VDI)を導入すれば、リモートワークも推進しやすくなるでしょう。

自宅やシェアオフィスなど、作業環境を選ばずに業務が行えるので、リモートワークに適しています。

仮想デスクトップを使用する場合の注意点とは?

仮想デスクトップを使用すれば、多くのメリットが得られる一方で、気をつけておきたい点もあります。仮想デスクトップを使うときの注意点をそれぞれ解説します。

・WindowsやMacなどOSの拡張機能
・Virtual Desktop Infrastructure(VDI)

WindowsやMacなどOSの拡張機能

WindowsなどのOSの仮想デスクトップを使用する際に気をつけておきたい点は、動作が重くなるということが挙げられます。たとえば、片方のデスクトップで動画の編集を行い、もう一方のデスクトップで動画の視聴を行うようなケースです。

重いアプリケーションを仮想デスクトップ上で同時に開けば、動作が遅くなってしまうので注意しましょう。また、マルチデスクトップ環境でデスクトップの切り替えを行うと、他の画面も切り替わってしまうので注意が必要です。

さらに、Windows10に搭載された『タブレットモード』を利用しているときは、仮想デスクトップは使用できないので気をつけておきましょう。日頃からタブレットモードを利用する機会が多い場合は、仮想デスクトップを使用するときに、タブレットモードがオフに切り替えられているかをチェックしてみてください。

Virtual Desktop Infrastructure(VDI)

Virtual Desktop Infrastructure(VDI)を使用するときの注意点としては、高性能のパソコンを使っていたときに、パフォーマンスが低下する恐れがある点が挙げられます。サーバー上でほとんどの処理が行われるため、導入時の設定のままでは本来のスペックを発揮できない可能性があるでしょう。

使用する端末やネットワーク環境などに応じて、適切に設定を行う必要があります。また、サーバーへのアクセスが集中しやすい時間帯、利用規模を考えた上でサーバーや回線のスペックを検討することも大切です。

まとめ:仮想デスクトップで作業効率が向上する

仮想デスクトップとは、WindowsなどのOSの拡張機能やVDIと呼ばれるサーバー上のデスクトップのことであり、導入することで作業効率を高められます。複数の作業を同時に行ったり、リモートワークで作業に取り組んだりするときに役立つ仕組みです。

仮想デスクトップは大きく分けてふたつの種類がありますが、いずれも作業効率を向上させるために導入するものです。OSの拡張機能を用いる場合は、省スペースでマルチディスプレイ環境を整えられるので手軽に始められます。

一方、VDIなら自宅やシェアオフィスなど出先からでも操作可能なので、時間や場所を選ばずに作業ができます。ただし、サーバーやネットワーク環境によってはパフォーマンスが低下する恐れもあるため、導入時には正しく理解した上で設定を行ってみましょう。

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