レバレジーズ株式会社は2022年8月16日、同社のグループ会社であるレバテック株式会社が行なった「ITエンジニアの2021年1月~12月の採用動向調査(前編・後編)」のうち、後編の結果を発表した。調査期間は2022年5月24日~27日で、中途採用担当者300名から回答を得ている。これにより、例年と比較したエンジニア採用予算の増減や採用担当者が抱える課題などが明らかとなった。

2021年、採用予算の増減と提示年収の変動はあったのか
2021年のITエンジニアの採用では、例年と比べ予算の変動や提示年収の変化はあったのだろうか。まず、レバテックは「例年に比べて、採用予算に変動があったか」を聞いている。すると、「変わらない」が67.6%だったのに対し、「上がった」が24.7%、「下がった」が7.7%だった。およそ4社に1社が採用予算を増やしていることから、エンジニアの獲得意欲の高さがうかがえる。

また、採用予算が「上がった」もしくは「下がった」とした企業に対し、「例年と比較した、提示年収の変動額」を尋ねると、「上がった」とした企業の増加額で最も多かったのは、「10万円未満」で47.3%だった。以下、「10~50万円程度」が25.7%、「51~100万円程度」が20.3%と続いた。

一方で、「採用予算が下がった」とした企業の減少額は、「10万円未満」が73.9%、「10~50万円程度」が17.4%などとなった。この結果に対して同社は、「市場競争が激化するエンジニア採用では、例年よりも大きく提示年収が下がることはないようだ」とコメントしている。
利用頻度が高い採用チャネルは「掲載型求人媒体」がトップ
次に、同社が「最も利用頻度が高い採用チャネル」について複数回答で質問すると、「掲載型求人媒体」が60%で最多だった。以下、「人材紹介」が43.3%、「スカウト型求人媒体」が32%と続いた。

約6割が「エンジニア専門の採用担当がいる」と回答。面接通過率の低さを課題視か
続いて、同社が「採用担当者が抱える採用課題」について複数回答で聞くと、「面接の通過率が低い」が26.7%で最も多かった。その他、「自社の魅力付けができない」(22%)や「書類通過率が低い」(21.3%)、「母集団形成ができない」(20%)が2割を超えた。

また、「エンジニア専門の採用担当者はいるか」については、「いる」が57%だった。一方で「いない」が43%となり、他職種と兼任で採用を進めている担当者も多いことが推測できる。

本調査より、2021年に採用予算が上がった企業のうち5社に1社が、年収提示額を最大100万円増やしていることがわかった。エンジニアの中途採用を求めている企業では、採用課題の洗い出しや担当者の見直し等を行い、採用活動の強化を目指してみてはいかがだろうか。
取材・制作:HRプロ編集部