経済産業省は2022年8月17日、ゲーミフィケーション(ゲームに使われているメカニクスや手法をゲーム以外のビジネスに応用すること)を用いて企業や地方自治体のDX施策を担う人材育成の手法である「GDX(Gamification for Digital Transformation)」が、DX人材育成にどのように寄与するのか、課題等も含めた調査および検討会を開始すると発表した

検討会での議論をもとに作成した教材等を活用し、DX人材育成を目指す企業等を公募
近年、DXの進展やデジタルテクノロジーの急速な進歩に伴い、それらを取り扱うことができる「デジタル人材」の需要が高まっている。ゲーム分野に関しても、デジタルサービスやユーザー視点の必要性など、DXとの共通項が多く、昨今は「ゲーミフィケーション」や「GDX」が注目を集めている。
さらに、Web3.0やメタバース領域などの進展が想定される中、ゲームクリエイターが持つ3DCG等の技術の重要性はより一層増していくと予想され、それらのスキルを活用した企業等における社会課題解決や新たな人材育成の手法が期待されているという。
それらを背景に経産省は、「ゲーミフィケーションをコアナレッジにしたDXに資する人材育成に係る調査及び検討会」を開始した。本事業においては、有識者による検討会を設置し、国内で目指すべきGDXの“全体像”や“あるべき姿”を議論する。また、ゲーム業界としてGDXを目指すために「どのような要素が必要か」、もしくは「不足しているか」等の議論を行い、GDX専用の教材や研修プログラム等を作成、その教材を活用した研修プログラムを実施するという。
同省は、2022年8月~11月を「有識者検討会議フェーズ」として、教材等の作成やサイト公開準備を行う。その後、12月からは「人材育成実証事業フェーズ」として、教材等を活用してDX人材育成を目指す地方自治体・企業・大学事務局等(以下、地方自治体等)を公募で募集する。さらに2023年3月まで、公募にて決定した地方自治体等が本事業で作成した教材や研修プログラム等を実際に使用し、フィードバックを行うという。なお、教材等の使用期間については、1.5~2ヵ月程度を想定している。
本事業では、最終的に2023年度に向けた研修教材の企画までを行い、事業終了後は、調査分析結果の公表も予定しているという。
今後、ゲーミフィケーションを活用した課題解決やGDXなど、新たなニーズが増していくことが予想される。ゲーム業界のスキルを活かしたDX人材の育成に興味のある企業では、政府が推進する事業への参加を検討してみてはいかがだろうか。
【参考】
【スケジュール】GDX人材育成事業|経済産業省(PDF)
取材・制作:HRプロ編集部