掲載日:2023/03/28

画期的で使い勝手がよく、高品質なチャットサービスとして、AIがテキストを自動作成する『ChatGPT』が大きな話題を呼んでいます。そこで、本記事では同サービスの内容や使い方、将来性などを解説します。関心がある方はぜひ参考にしてください。
『ChatGPT』とはどのようなもの?

『ChatGPT』とは、オリジナルテキストの自動生成を可能にした画期的なAI(人工知能)ツールです。人工知能の研究開発を業務とする非営利法人『OpenAI』が開発したチャットサービスで、多くのユーザーから高評価を獲得しました。
大規模な言語モデルである『GPT-3』が組み込まれているため、あたかも人間と話しているかのような、不自然さの少ない疑似対話が可能です。従来のチャットサービスを大幅に進化させた性能が話題となり、サービスが公開されてわずか5日間でユーザー数が100万人に達しました。
『ChatGPT』を利用する際に多くのユーザーが持つ疑問を以下に3点挙げ、ユーザー目線で解説します。
『ChatGPT』で日本語は使えるのか?
『ChatGPT』を開発したOpenAIは、AIの研究と実用化を目的として設立された、アメリカ合衆国の非営利法人です。テスラのCEOとして有名なイーロン・マスク氏ほか、米国ビジネス界の著名な経営者が参画して、2015年12月に創立されました。
米国生まれのツールですが、チャットサービスという性質上、全世界をマーケットとして開発されただけに、日本語はもちろん世界中の主要な言語に適用可能です。特に言語設定の必要はなく、ユーザーが母国語で入力すると、『ChatGPT』も同じ言語で応答する仕様です。
『ChatGPT』には、他のITツールに多い『〇〇国版』という概念はありません。日本人ユーザーがそのまま日本語で問題なく使用できる点が大きな特徴であり、使い勝手の良さで人気を得ている要因のひとつと言えるでしょう。
『ChatGPT』は誰でも使えるのか?
『ChatGPT』は、インターネットが利用できるユーザーであれば誰でも自由に使用できます。OpenAIのウェブサイトにアクセスし、自分専用のアカウントを取得するとすぐに使用可能です。
新しい概念のチャットサービスだけに、開発したOpenAIも世界中の幅広いユーザーに使用されることを望んでいるようです。大多数のユーザーが使用することでシステムの改善箇所を早期に発見し、早急に修正する目的があると考えられます。
既に短期間で100万単位のユーザーがアクセスしています。少しでも関心のあるユーザーは、積極的に使用して使い勝手を実感するのが得策でしょう。
『ChatGPT』は無料で使えるのか?
『ChatGPT』は2023年2月末日現在、無料で誰でも利用可能です。同年2月1日には、OpenAIからアップグレードされた有料バージョン『ChatGPT Plus』が公開され、日本においても2月11日にサービスがスタートしています。
世界中で大ヒットしている『ChatGPT』は、各国ユーザーのアクセスが集中しており、つながりにくい場合もあります。また、ユーザーから「有料版が公開されたので、そろそろ無料サービスが終了するのでは?」という声も多く寄せられているようです。
OpenAIの公式SNSによれば無料サービスは継続するとのことですが、終了時期については公式サイトでも公表されていません。有料版は月額20ドル(約2500円)のサブスクリプション・プランです。
2023年2月末日の時点では無料サービスのユーザーが圧倒的に多いことから、サービス改善と修正のためのフィードバックを確保している最中と言われています。無料サービスの終了時期は不明であるため、できるだけ早く利用してみることが賢明でしょう。
なお、有料版の使用メリットは以下の3点です。
● 混雑時でもより速く応答が得られる
● 混雑時においてもつながりやすい
● 新しい機能への優先的アクセス
『ChatGPT』を使用してできること

『ChatGPT』が人気となった大きな要因に「まるで人間と対話しているかのような自然な会話ができる」という点が挙げられます。たとえば、何かのテーマに関して『ChatGPT』に問いかけると、そのテーマに精通した人物からの回答が返ってくる、という疑似体験が味わえるのです。
これまでのAIを使ったチャットサービスでは、どこか不自然な文章での回答だったり、質問への適切な回答ではなかったりすることが大半でした。このような不自然さを解消し、ユーザーが期待する以上の回答をしてくれる点に、ユーザーの満足度を高める効果があったようです。
その他の特徴として、『ChatGPT』は文章の要約や添削も可能です。さらに、コードの作成・デバッグ・解説などもこなすという優れた性能を有しており、実際に使ってみると、その多機能さに驚かされることでしょう。

『ChatGPT』のアカウント開設と使い方
無料サービスがいつまで続くのか判明しない以上、できるだけ早めに無料サービスを使用してみて、『ChatGPT』の機能を体感することが望ましいでしょう。そこで、『ChatGPT』を初めて使うユーザーのために、『ChatGPT』のアカウント開設方法から通知設定、アカウント開設後の使用方法を以下で紹介します。
Google Chromeの場合 アカウント開設から使い方
Google Chromeのパソコンユーザーが、自分のメールアドレスを使って初めて『ChatGPT』のアカウントを開設する場合は、以下の手順で実行します。
1. 『ChatGPT』の公式ウェブサイトにアクセスする。
2. サイト内の「TRY ChatGPT」をクリックする。
3. 画面の「Sign up」をクリックする。
4. 登録に必要なメールアドレスを入力する。
5. 8文字以上のパスワードを入力する。
6. 登録したメールアドレスに届いた文面にある「Verify email address」をクリックする。
7. 移行した登録画面に氏名と電話番号を入力する。
8. 6桁の認証コードをショートメールで受信する。
9. 認証コードを登録画面に入力する。
以上で『ChatGPT』のアカウント作成が完了します。
アカウントを作成したら、早速『ChatGPT』を使ってみましょう。以下は、『ChatGPT』とのやりとりの実例です。
わたし:東京でお花見をしたいのですが、よい場所を教えてください。 |
『ChatGPT』:素晴らしいですね!東京のお花見はとても美しく、春の季節になると多くの人々が訪れます。桜の開花時期は毎年異なるので、事前に調べてから計画することをおすすめします。 東京には、多くの公園や名所があり、お花見に最適な場所がたくさんあります。有名な場所としては、上野公園、代々木公園、新宿御苑、皇居外苑などがあります。また、隅田川沿いには多くの桜並木があり、夜にはライトアップされるので、幻想的な雰囲気を楽しめます。 お花見の際には、必ずゴミを持ち帰り、周囲の人々に迷惑をかけないように気を付けてください。また、混雑する場所では、マナーを守って安全に楽しむようにしましょう。楽しいお花見になることを願っています! |
アカウントの登録方法
『ChatGPT』はパソコンだけでなくスマホでアカウントの作成もできます。初心者がスマホでアカウントを開設する方法は、パソコンでの手順とほぼ同じです。
スマホから『ChatGPT』の公式ウェブサイトにアクセスして画面の指示どおりに進めると、簡単にアカウントを作成できます。なお、アカウントをメールアドレスから取得するのが面倒なユーザーは、既に使用しているGoogleまたはMicrosoftのアカウントで開設可能です。
通知の設定をする
アカウントの開設は、『ChatGPT』のユーザー登録が完了したことを意味します。登録が完了したあとは、画面の「Tell us about you」に自分の名前を入力しましょう。
名前を入力すると、今度は英語表記のポップアップ画面が表示されます。英語の文面は、このサービスが『調査用の無料版であること』を示す内容です。
画面の右下に次のページへの移行をうながす『Next』のボタンが表示されています。順次『Next』をクリックしていきポップアップ画面が終了すると、画面の下部に入力欄が表記されたページに移ります。
『ChatGPT』を使ってみよう
アカウントの開設が完了したら、実際に『ChatGPT』を使ってみましょう。画面の赤いアイコンが質問者で、緑のアイコンが回答者です。
使い方は、自身のアカウントで『ChatGPT』のウェブサイトにアクセスし、画面の入力欄に質問を入力するだけです。質問すると、驚くほど早く回答が書き込まれます。
入力するテーマは、調理のレシピや観光地の見所スポット・歴史・文学・スポーツなど何でも構いません。あらゆるテーマについて、ユーザーが知りたい情報を読みやすいテキストで回答をもらえます。

『ChatGPT』の将来性
米国の科学的検証では、『ChatGPT』は大学の試験で一定以上の成果を挙げたと報告されています。今後も性能がさらに高まっていくと予想されることから、AIが搭載されたチャットサービスの将来性は非常に明るいと言えるでしょう。
特に、教育・医学・化学・物理学の分野において、人間の能力に迫る成果を上げることも決して夢物語ではありません。『ChatGPT』の登場は、SF小説で描かれたAIが万能の威力を発揮する近未来が訪れる予兆かもしれません。

まとめ:『ChatGPT』と人間らしい回答の差を楽しもう
『ChatGPT』のおもしろさは、AIとの少しくだけた対話を楽しめる点にもあります。ジョークや他愛のない会話でも、『ChatGPT』はそれに合わせた返事をします。
ときには「本物の人間が返答しているのでは?」と思えるくらいの『人間らしさ』が、ユーザーを惹きつける魅力となっているのかもしれません。もちろん、『ChatGPT』は仕事上のさまざまな分野でも重宝できるサービスであり、使い続けるうちに手放せないツールになっていくことでしょう。