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『メタバース』開発に必要な技術や言語とは?かかる費用相場も解説

コラム

掲載日:2023/03/08

『メタバース』は、さまざまな企業が力を入れていて、今注目を集める概念です。今回は、開発に必要な技術や主なプログラミング言語、必要な人材などをご紹介します。費用の相場も解説しているため、ぜひ参考にしてください。

『メタバース』の開発に必要な技術は5つ

『メタバース』の開発には、大きく分けると以下の技術が必要です。

● AI
● ARとVR
● 3Dモデリング
● エッジコンピューティング
● 5G

なお『メタバース』とは、インターネット上に構築された仮想空間のことを指します。ユーザーは仮想空間のなかで動かせる自分のアバターを使って、コンサートの鑑賞などさまざまな体験が可能です。

それでは、『メタバース』の開発に必要となる技術をそれぞれチェックしていきましょう。

1.AI

『メタバース』の開発には、AI(人工知能)の技術が用いられています。AI(人工知能)の技術が活用されているのは、データの計算・予測やリアルなアバターの作成、五感の再現、自然言語処理・翻訳、仮想世界の構築の作業を支援するアルゴリズムの改善などです。

2.ARとVR

AR(拡張現実)やVR(仮想現実)の技術も、『メタバース』の開発のために重要です。『メタバース』ならではの没入型のユーザー体験を実現するためには、なくてはならない技術だと言えます。

VRにはヘッドセットが、ARにはARグラスが必要であるものの、ARであれば多くの方が持っているスマートフォンでの提供が可能だと考えられています。VRに必要なヘッドセットは高額なため、さまざまな方に手軽に体感してもらいたい場合にはARのほうが合っていそうです。

3.3Dモデリング

3Dモデリングの技術も、没入型のユーザー体験の実現にかかせません。『メタバース』やVRの開発をする際は、現実世界との違いをできるだけ感じさせない仮想空間を作るために、3Dモデリングの技術が必要です。基礎となる3Dモデルツールだけで何百種類もあり、さらにはオブジェクトをゼロから構築したり、センサーを使って3Dで再構築したりなど、さまざまな選択肢があります。

4.エッジコンピューティング

エッジコンピューティングは、サーバーの分散配置によって処理速度を高める技術のことです。『メタバース』において、世界中の人が同時に接続しつつもクオリティの高い没入体験を提供するためには、処理速度が遅くなっていてはいけません。エッジコンピューティングにより各ユーザーの近くで処理を行うようにすることで、高速データ転送を実現してスムーズな体験を提供できます。

5.『5G』

先述のとおり、『メタバース』の提供において、処理速度が遅くなってはいけません。しかし、リアルな仮想空間を提供するためには、膨大なデータが必要となってしまいます。膨大なデータを使いつつ、スムーズな処理を実現するには、最新の通信技術である5Gを活用した高速なデータ転送がかかせません。

なお5Gには、大容量のデータ転送が高速でできること、遅延しにくいこと、多数での同時接続が可能となることなどの特徴があります。また、今後さらに5Gの帯域が拡大していくことにより、エッジデバイスでVRレンダリングができるようになるなど、VRのヘッドセットに関するユーザーの快適性向上につながる可能性があるでしょう。

関連記事:『5G』特徴とメリット・デメリットについて解説|4Gとの違いや注意点も

『メタバース』の開発で使用される主な3つのプログラミング言語

『メタバース』の開発の際に使われているプログラミング言語として、代表的なものは『C#』『C++』『JavaScript』の3つです。

メタバース空間の構築のためには、PCやスマホなどのハードウェアを作動させるためのソフトウェアが必要です。そして、そのソフトウェアの作成はプログラミングでおこないます。そのため、『メタバース』の開発の際にはプログラミングがかかせません。

それでは、これらのプログラミング言語の特徴をチェックしていきましょう。

1.『C#』

『C#』は、Microsoftが開発したプログラミング言語です。『Windows』における開発に使うだけではなく、『MacOS』や『AndroidOS』、『iOS』にも活用されています。主にゲームのアプリケーションの開発に使用されていて、ゲーム開発を担当するエンジニアになじみの深いプログラミング言語だと言われています。

2.『C++』

『C++』は、汎用性の高いプログラミング言語の一種です。もともと使われていた『C言語』の機能を拡張させたものであり、幅広いシステムの開発に活用されています。『C++』は、メタバースエンジニアに向けて出されている求人に、ほとんどの場合で記載のある言語です。

3.『JavaScript』

『JavaScript』も、『メタバース』開発に使用されることの多い代表的なプログラミング言語です。『メタバース』開発でARやVRを使う際に必ず用いるもので、ブロックチェーン技術を使ってWeb上のシステムを構築する目的などで活用されます。

関連記事:知っておきたい!エンジニア分野別のよく使う言語集

『メタバース』開発に必要な人材

『メタバース』を開発するためには、以下のような人材が必要です。

● デザイナー
● エンジニア
● イラストレーター
● 3Dモデラー

どのような人材か、それぞれチェックしていきましょう。

デザイナー

『メタバース』の開発をする際、デザイナーはエンジニアと協力しながらデザインを進めます。デザイナーが行うのは、プラットフォームのデザイン、UI/UXの設計など、仮想空間上のあらゆるデザインです。『メタバース』を開発するためには、『illustrator』『Photoshop』といったデザインソフトの実務経験、『Unity』での開発、UIの組み込み経験などのスキルがもとめられます。

エンジニア

エンジニアの人材も、『メタバース』の開発にはかかせません。エンジニアのなかでも、『C++』『Java』『Python』などのプログラミング言語を使い開発可能な人材が求められます。また、『Unity』『Unreal Engine』などのゲーム制作ソフトを使った開発スキルも必要です。

『メタバース』の開発の際に必要となるエンジニアには、以下のように複数の種類があります。

<仮想空間の設計・開発を手掛けるエンジニア>
『メタバース』向けのアプリケーションの機能設計や開発などを担当します。また、バーチャルライブを配信するアプリケーションの開発も行うエンジニアです。

<『メタバース』用アプリケーションの開発エンジニア>
プラットフォームにおけるサーバー側の設計や開発などを担当します。『メタバース』用アプリケーションでは、同時接続者数が増えることでサーバーへの負荷がかかってしまいます。先述のとおり、クオリティの高い没入体験を提供するためにはスムーズな処理が必要なため、サーバーの設計や開発、維持は重要なポイントです。

<『メタバース』プラットフォームを設計・開発・運用するエンジニア>
『メタバース』では、ゲーム開発エンジニアによってプラットフォームの設計や開発、運用などが実施されます。また、採用する技術の選定なども担当します。

イラストレーター

『メタバース』の開発には、イラストレーターも必要です。イラストレーターは、アバターの外観や衣装などのデザインを手掛けます。さらに、プロジェクトに関連するイラストの制作や、イラストのクオリティの管理なども担当です。

『メタバース』の開発において求められるスキルは、イラストの制作や『Photoshop』などを使用した実務経験です。

3Dモデラー

3Dモデラーは、以下のような仕事内容を担当します。

● アバターのモデリング
● ボーンの設定
● 背景やプロップのモデリングとテクスチャの作成
● 各種3Dアセット

『メタバース』の開発において求められるスキルは、3DCG制作ソフトを使用した実務経験と、『Unity』での開発経験などです。3Dモデラーが使う3DCG制作ソフトには、『Maya』などがあります。

『メタバース』開発にかかる費用の相場

最後に、『メタバース』の開発にかかる費用もチェックしておきましょう。

『メタバース』の開発にかかる費用は、アプリケーションの規模や搭載する機能などで大きく異なります。また、開発を外部に依頼する場合には、依頼先の企業によってもプランなどが変わります。そのため、費用の相場としては言いにくいものです。

『メタバース』の開発では、高度な技術が必要となります。その分、今までのアプリケーションの開発コストよりは上昇すると考えられるでしょう。

コストの一例として、Fabeee株式会社が提供する『Fabeee Metaverse Package(FMP)』という低コストでオリジナルのメタバースプラットフォームを構築するサービスを利用した場合、仮想空間上にオフィスビルのワンフロアを構築するために必要となる費用は、およそ200万円程度とのことです。

まとめ:『メタバース』開発に必要な技術や費用を理解しよう!

『メタバース』とは、インターネット上に構築された仮想空間のことを指します。ユーザーは自分のアバターを使って仮想空間のなかで動けるようになっており、いろいろな体験が可能です。『メタバース』は、さまざまな企業が力を入れていて、今注目を集めています。

『メタバース』の開発に必要な技術は、AIやAR・VR、3Dモデリング、エッジコンピューティング、5Gなどです。また、『メタバース』の開発の際に使われている代表的なプログラミング言語は、『C#』『C++』『JavaScript』の3つです。

『メタバース』の開発にかかる費用は、アプリケーションの規模や搭載する機能などで大きく異なります。外部に開発を依頼することも可能です。『メタバース』の開発に興味がある方は、さまざまな情報を確認して、 事業に取り入れられるようにすると良いでしょう。

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