掲載日:2023/03/07

近年、『メタバース』の注目度が上がっています。今回はVRとの違い、普及背景などを踏まえた概要と、可能なこと、体験できるアプリケーションなどをご紹介します。始めるためのステップも解説しています。ぜひ参考にしてください。
『メタバース』とは

『メタバース』は、現在世界規模で注目されています。しかし、聞いたことはあっても、どのようなものかはっきりとは理解できていない方も多い言葉です。
そこで、『メタバース』について、意味やVRとの違い、普及した背景などから概要を確認しておきましょう。
『メタバース』の意味
そもそも『メタバース』とは、インターネット上に構築された3次元の仮想空間やサービスのことを指します。仮想空間とは、現実世界と違ったもうひとつの世界のことです。
2023年現在での『メタバース』の一般的な認識は、自由にアバターで活動可能な仮想空間サービスです。ただし、『メタバース』には明確な定義がないため、今後の流れによっては意味が変わる可能性もあるでしょう。
VRとの違い
『メタバース』とVR(Virtual Reality)は、混同されることが多い用語です。
VR(Virtual Reality)は、仮想空間を現実のように感じられるデバイス・技術のことを指します。仮想世界への没入体験のためには、VR専用ゴーグルを用意する必要があります。一方『メタバース』は、VR(Virtual Reality)などの技術で作られた仮想空間そのもののことです。
VR(Virtual Reality)で仮想世界に没入すると、立体的な映像のなかで物に触れたり移動したりと、現実のような体験が可能です。エンターテインメントの分野でだけではなく、医療や教育、ビジネスの面でも活用できるとして注目を集めています。
『メタバース』の普及背景
『メタバース』が普及した背景は、新型コロナウイルスの感染拡大やコミュニケーションのデジタル化が進んだことが要因です。もともと、用語が登場したのは1992年発行のSF小説『スノウ・クラッシュ』で、2003年には『Second Life』が、2009年には『アメーバピグ』がリリースされていました。
そんな中、特にコロナ禍では、今まで現実世界で実施されていたイベントや経済活動などができなくなってしまった代わりとして、仮想世界で活動を継続しようという動きが活発化したのです。
また、『メタバース』に関わりの深い『VR(Virtual Reality)』の技術の発展、デジタルデータの一種であるNFT(Non-Fungible Token)などの市場が年々拡大していることなど、複数の要因が挙げられます。
『メタバース』でできること

それでは、実際に『メタバース』でどのようなことができるのかもチェックしましょう。『メタバース』でできることは、大きく分けると以下のとおりです。
● 他ユーザーとのコミュニケーション
● イベントの主催・参加
● Eコマースの提供
● 探索
それぞれの使い方を確認していきましょう。
他ユーザーとのコミュニケーション
『メタバース』は、自分がその空間にいるように感じるだけではありません。テキストチャットや音声などで、他ユーザーとのコミュニケーションを取れます。
アバターを使ってコミュニケーションを取れるため、従来のSNSよりもリアルに近く、実際にその相手と会って話しているかのような感覚になれるのが特徴です。距離が離れていても『メタバース』上であれば近くにいる感覚になれるため、世界中の方がコミュニケーションを取って楽しんでいます。
ビジネスシーンでも、他ユーザーとのコミュニケーションが取れることを活用し、バーチャルオフィスとしての利用が進んでいます。新型コロナウイルスの影響でテレワークが普及した際に、コミュニケーション不足の問題が発生しました。この問題を解消するために、よりコミュニケーションを取りやすい『メタバース』で、バーチャルオフィスとして活用されることが増えたのです。
アバター同士の距離が近い相手にのみ話をしたり、会議室のなかのメンバーとだけ情報共有したりなど、他ユーザーとさまざまなコミュニケーションを図れます。
イベントの主催・参加
『メタバース』上では、イベントの主催や参加が可能です。新型コロナウイルスの影響で現実でのイベントを自粛せざるを得なくなったときも、仮想空間を使用したVRイベントは可能でした。もともとVtuberのイベント向けに使用されることが多かった仮想空間が、Vtuber以外のイベントでも使用されるようになり、活用が促進されたのです。
アバターとして同じ空間を体感できるため、どこにいても一体感を味わえるという魅力があります。コロナ禍前のように生活の制限がなくなりつつあるものの、まだ以前のように気にせず行動できる状態ではありません。このような時代であるからこそ、『メタバース』上でのイベント開催の需要は今後も高まると考えられるでしょう。
また、イベントの主催の際、リアルでの開催よりも費用を抑えられることも特徴です。
Eコマースの提供
『メタバース』でEコマースやサービスの提供も可能です。仮想空間のなかでは、小売り販売やマーケティングなどが実施されています。実際に、「バーチャルマーケット2021」にBEAMSが出展するなど、リアル店舗を持つ企業での活用が進んでいる状況です。
ユーザーにとっては『メタバース』のアバターでもショッピングを楽しめるようになり、企業にとっても新しい形で商品を販売できると言えます。
探索
『メタバース』上の世界の探索も、できることのひとつです。『メタバース』では多くの方がそれぞれに空間を構築しているため、さまざまな世界が作られています。入場制限がかけられていない空間であれば基本的に自由に探索可能なため、部屋にいながらできる世界の探索を楽しんでみると良いでしょう。
『メタバース』を体験できるアプリケーション3選

『メタバース』を体験できるアプリケーションには、『Cluster(クラスター)』『AxieInfinity(アクシーインフィニティ)』『Roblox(ロブロックス)』などがあります。本格的に『メタバース』をするためにはパソコンなどのハイスペックな機器が必要であるものの、スマートフォンアプリケーションで手軽に体験してみることも可能です。
それでは、『メタバース』を体験できるアプリケーションについて、3つの例をチェックしていきましょう。
1.『Cluster(クラスター)』
『Cluster(クラスター)』は、iOS・AndroidOSどちらでも提供されているメタバースプラットフォームです。スマートフォンにアプリケーションをインストールして、自身のアバターを作成すれば、仮想空間を自由に楽しめます。『Cluster(クラスター)』は日本企業運営のアプリケーションのため、日本語表記でわかりやすいでしょう。
2.『AxieInfinity(アクシーインフィニティ)』
『AxieInfinity(アクシーインフィニティ)』は、NFT(Non-Fungible Token)を利用したアドベンチャーゲームです。ゲームとしての楽しみ方がメインのアプリケーションで、AndroidOSのみ対応しています。使用にお金がかかるものの、育てたNFT(Non-Fungible Token)の売却や仮想通貨の入手によって収益化を図れるアプリケーションです。
3.『Roblox(ロブロックス)』
『Roblox(ロブロックス)』は、基本プレイ無料のゲーミングプラットフォームで、世界中で人気が集まっています。『Roblox』内には5,000万本以上のゲームがあり、さらに自分でオリジナルゲームの開発も可能です。空も飛べるなど、3Dの遊び場としてさまざまな楽しみ方ができます。
『メタバース』を始める3つのステップ

最後に、『メタバース』を始める3つのステップを解説します。
1.仮想通貨取引所の口座開設
『メタバース』は、基本的に仮想通貨口座が必要です。アイテムやNFT(Non-Fungible Token)の売買ができるよう、まずは仮想通貨取引所の口座を開設しましょう。開設後、口座に日本円を入金して、仮想通貨を購入します。
『メタバース』に必要なコインは国内の口座で直接取引できないため、さらに海外の仮想通貨用の口座の開設も必要です。
2.『メタバース』アカウントの作成
続いて、『メタバース』アカウントの作成をおこないます。もしも設定したパスワードや秘密鍵が紛失すると、アカウントの乗っ取りにあってしまう可能性があるため、注意しましょう。
なお、先述した『Cluster(クラスター)』であれば、仮想通貨などの準備をしなくてもアカウントの作成のみで使えます。『メタバース』の世界を体感してみたい方は、試しに使ってみると良いでしょう。
3.『メタバース』内通貨の購入
『メタバース』内通貨の購入も必要です。先述のとおり、『メタバース』内通貨は国内の口座で直接取引できないため、国内の仮想通貨取引所の口座から海外の口座に仮想通貨を送金し、ゲームに必要な専用のコインを購入しましょう。その後、『メタバース』内で利用できるように、『MetaMask』などの仮想通貨ウォレットへ送金します。
まとめ:『メタバース』をアプリケーションで体験しよう!

『メタバース』とは、インターネット上に構築された3次元の仮想空間・サービスのことです。『メタバース』では、ゲームだけではなく他ユーザーとのコミュニケーションやイベントの主催・参加、Eコマースの提供、NFT(Non-Fungible Token)の売買・展示などができます。Eコマースの提供やNFT(Non-Fungible Token)の売買などでは実際の収益化が可能で、新しい販売の形ができています。
『メタバース』は、専用の機器やハイスペックなパソコン環境がなくても、スマートフォンのアプリケーションから手軽に体験可能です。興味がある方は、体験してみると良いでしょう。