掲載日:2023/03/06 更新日:2023/12/14

『Redmine』は、オープンソースソフトウェアと呼ばれる、誰もが自由に使うことのできるツールとして作られた、プロジェクト管理ツールです。
この記事では、『Redmine』のインストールから使い方までを解説していますので、『Redmine』を導入する際の参考にしてください。
『Redmine』とは

『Redmine(レッドマイン)』は、誰もが自由に扱えるオープンソースとして公開されている、プロジェクト管理ツールです。
プロジェクト管理ツールとは、プロジェクト内のチームで進行中である仕事の進捗状況や、スケジュールなどを管理できるツールのことです。
仕事を進めていると、同じ作業をしてしまったり、仕事の中のタスクの抜け漏れが出たりしたことはないでしょうか。プロジェクト管理ツールを使えば、このような問題を解消できます。
また、『Redmine』は、オープンソースソフトウェアとして公開されているため、基本無料で利用できます。
関連記事:フリー(無料)のプロジェクト管理ツールの選び方とは?詳しく解説
『Redmine』の特徴

『Redmine』の大きな特徴は、チケットという概念で、仕事のタスクを管理していくことです。
プロジェクト内で何かやらなければならないこと(=仕事)が発生した際、チケットを発行します。その仕事のタスクをプロジェクトメンバーに割り振って対応を進めることができます。
さらに、ガントチャート上にこれらタスクを表示させ、プロジェクトの開始日や進捗率、納期なども表示して全体像をわかりやすく見せることもできます。
『Redmine』を使うメリット

『Redmine』を使うメリットは、オープンソースソフトウェアのツールとして公開されており、さまざまな機能を無料で利用できる点です。
チケットという単位でタスクを管理したり、プロジェクトの進捗管理したりすることは、無料ではなかなか利用することができないでしょう。
豊富な機能に加えて、自由度も高く、プラグインを利用して機能の追加や改善ができるのもメリットです。
『Redmine』を使う準備

『Redmine』の特徴やメリットがわかってきたところで、実際に『Redmine』を使ってみましょう。
ここでは、『Redmine』を使うための準備を以下4項目に分けて解説します。
● インストーラをダウンロードする
● インストーラを実行する
● 管理者アカウントを作成する
● その他の設定を行う
それぞれ解説していきます。
インストーラをダウンロードする
『Redmine』を使うためには、まずはインストーラーをダウンロードする必要があります。ダウンロードは、Apacheウェブサーバーなどの関連ソフトウェアがまとまっている、『BitNami Redmineインストーラ』などを使うと準備がしやすいでしょう。
ほかにも、インストーラーのダウンロードではなく、クラウドサービスを活用する方法もありますが、今回は、インストーラーを使用する方法で解説を進めます。
インストーラを実行する
インストーラーのダウンロードができたら、このインストーラーを実行して、インストールを始めます。
選択する言語は『Japanese - 日本語』を選択し、数回『次へ』をクリックすると、インストールが始まります。
管理者アカウントを作成する
インストールが終わったら、管理者アカウントを作成しましょう。
ログイン名とパスワードを入力して、管理者が使用するアカウントを新規作成します。
その他の設定を行う
その他の設定では、以下の設定を行いましょう。
Apache(Webサーバーソフト)の接続ポートは、通常であればデフォルトの81のままで設定しておけば問題ありません。データベースの言語設定も日本語を設定していれば変更の必要はないでしょう。
画面に『インストールする準備ができました』の表示が出たら、『次へ』をクリックするとインストールが始まります。
『インストールが完了しました』と表示されたあとに『終了』ボタンを押すと、『Redmine』が使えるようになります。
『Redmine』の主な使い方

手順通りに操作を行い、『Redmine』のインストールができたら、次は、主な使い方を見ていきましょう。以下、3つの項目に分けて解説します。
● プロジェクトの作成をする
● チケットの登録をする
● チケットの進捗管理をする
● プロジェクトのバージョン管理を行う
それぞれ解説していきます。
プロジェクトの作成をする
まずは、『Redmine』にログインしましょう。ログインできたら、画面上部の『プロジェクト』を選択し、画面右上の『新しいプロジェクト』をクリックして新規プロジェクトを作成します。
名称や拡張子などを指定して、『作成』ボタンをクリックすれば、新しいプロジェクトが作成できます。新しいプロジェクトを作成する際、チーム内で使うのであれば『公開』にチェックを入れ、個人で使うのであればチェックを外して設定しましょう。
プロジェクトを追加したあとは、『プロジェクト』と書かれたタブを押すと確認ができます。
チケットの登録をする
次はチケットの登録をします。『チケット』というタブをクリックして『新しいチケット』を開き、登録を行います。
チケットの題名、説明、優先度、担当者などを設定して『作成』を押下し、新規チケットを作成します。新規チケット作成の際、『*』の印は必須での入力が必要となる項目であるため、注意が必要です。
正しく入力できれば『チケット◯◯(番号)が作成されました』と表示され、新規チケットが作成されます。
チケットの進捗管理をする
『Redmine』では、チケットのステータスを設定することで、作業の進捗を把握できるようになっています。作業状況が進行するたびに、ステータスの変更を行えばチケットで進捗管理が可能となります。
チケットで進捗状況の把握をするためにステータスの変更を行いますが、これはチケット編集画面を開いて『ステータス』の設定を変更すれば状況の更新ができます。
さらに、チケットのステータスは、ガントチャートやチケット一覧でも表示が可能です。
プロジェクトのバージョン管理を行う
『Redmine』では、プロジェクトにおいて、特定の期日までに完了させる必要があるチケットをまとめて管理ができます。
これは、一般的なプロジェクト管理の考え方ではマイルストーンに相当します。この機能を利用すれば、チケットごとの紐付けやガントチャートへの反映が可能となります。
『Redmine』の初心者におすすめの使い方

ここまでで、『Redmine』の主な使い方をみてきましたが、使い方は理解できたでしょうか。次は、『Redmine』の初心者におすすめの使い方を、以下4つ解説します。
● チケットの一覧表示
● カレンダーへのチケット表示
● マイルストーンごとのチケット表示
● データやファイルを共有
● 文書機能で重要ファイルのアップロード
それぞれみていきましょう。
チケットの一覧表示
『Redmine』では、プロジェクトで発生した仕事のタスクをチケット化することができます。ただ、初心者のうちは多くのチケット設定をしてしまうと、何を優先してチケットを消化すればよいかわからなくなるでしょう。
このような場合は、チケットの一覧表示機能を使うことをおすすめします。
絞り込みも可能であるため、担当者やカテゴリーなどのフィルタをかけると、一覧が見やすくなります。
カレンダーへのチケット表示
『Redmine』で作成したチケットは、カレンダーに表示することが可能です。
カレンダーには、タスクの開始日や完了期日などが表示されるため、プロジェクト全体のスケジュールがわかりやすくなります。
マイルストーンごとのチケット表示
『Redmine』では、マイルストーンごとのチケット表示ができます。マイルストーンとは、プロジェクトを完遂するための中間目標地点のことです。この地点ごとにチケット表示が可能となっています。
チケットには、進行状況を表示することができ、複数の進捗段階が設定できます。
たとえば、登録画面作成というチケットを作成した場合に、その中で入力・確認・登録完了という具合に、それぞれの進捗段階をチケットへ設定が可能です。その設定した進捗段階をマイルストーンで表示することができます。
データやファイルを共有
データやファイルを共有することが、『Redmine』ではできます。
プロジェクトを進めるのに必要なデータやファイルを共有する際には、どのように対応しているでしょうか。たとえば、共通フォルダを作成して、そこにファイルを置くなどの方法が思いつくでしょう。
『Redmine』では、これらデータやファイルを『Redmine』にアップロードすることで共有できます。さらに、アップロードしたファイルには、現状のダウンロード数が表示されるため、メンバー全体で何名がまだダウンロードしていないかがわかるようになっています。
文書機能で重要ファイルのアップロード
『Redmine』での文書機能は、目立つ形でファイルをアップロードができる機能となっています。
プロジェクトに関わる重要なファイルなど、皆に見てもらいたいファイルは、この文書機能を使ってアップロードするとよいでしょう。備考やアップロード日付が表示されるため、そのファイルに関する連絡事項も確認ができます。
文書機能を使えば、メールでの見落としを防ぐことができ、便利です。
『Redmine』を使う注意点

『Redmine』は、無料でさまざまな便利な機能が使えますが、注意点もあります。
それは、オープンソースソフトウェアであるために、手軽に受けられるサポートがないことです。また、独特なUIで見た目が分かりにくく、使い慣れるまでに時間がかかることにも注意が必要です。
さらに、導入や運用には専用のコマンドを打ち込む必要があり、利用するためにはある程度の知見を持ったエンジニアが必要となります。
まとめ|『Redmine』の使い方をマスターしよう!

今回は、『Redmine』に関する内容を紹介してきました。
『Redmine』は、オープンソースソフトウェアであり、かつ無料で利用でき、豊富な機能が多数搭載されている便利なツールです。一方で、手軽に受けられるサポートがなく、導入にもある程度の知見が必要です。
Redmineなど、プロジェクトの中で当たり前に利用されるツールの使い方は、プロジェクトの中で実際に手を動かしながら覚えていくことをおすすめします。
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