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『GitLab』の使い方とは?できることや使い方を初心者向けに解説!

コラム

掲載日:2023/03/03

以前よりさらに品質がアップしたアプリケーション開発支援ツールとして注目を浴びている『GitLab』。この使い方を、使用するメリットなどと共に詳しく解説しています。理解を深めたい方はぜひ参考にしてください。

『GitLab』とは

『GitLab』とは、バージョン管理システムを主体としたアプリケーション開発支援ツールのことです。世界中で、すでに十数万社の企業・団体で使用されています。『GitLab』の導入によって、セキュリティやコンプランスのチェックだけでなく、テストやデプロイ(実行ファイル配置)などの自動化が実現可能です。

『GitLab』では、ソフトウエアやサーバー、ネットワーク機器類などインフラ構築に必要なオンプレミス環境を自社で運用できる「Self-Managed版」の利用ができます。これにより、各開発現場からの要求に即応可能で、これまでかかっていた手間や時間を大幅に短縮できて業務の効率化を実現可能です。

さらに、細かなカスタマイズもできるため、利便性が高いツールと言えます。

『GitLab』でできる6つのこと

多機能性のツールとして人気を博している『GitLab』だけに、導入する前には『GitLab』の機能が自社のどの業務に活用できるかを検証してみることも重要です。そこで、『GitLab』の特徴でもある代表的な機能を以下に6項目挙げてみましょう。

1.ソースコードの管理

『GitLab』では、ソースコードの閲覧や履歴表示が可能です。ソースコード検索や変更履歴の確認機能もあり、安全性を高めた上で効率的にソースコードのバージョン管理が実現できます。

『GitLab』では、分散管理型の管理システムであるローカルレポジトリを開発者各自のPC内に設定する方式を採用しています。同システムにより、共有レポジトリをネットに接続なしでダウンロードすることが可能です。

2.コードレビュー

アプリケーション開発において重要となるコードレビューが正確にしかもすばやく効率的に実行可能です。ひと目見て理解しやすくタスク化されているため、承認の漏れや遅延などを防止できます。

コードへの注釈コメント機能も搭載されていることで、開発者間の有効なコミュニケーションが推進可能です。開発者相互のやり取りの中で、より効果的なフィードバックが実現します。

3.課題管理

アプリケーション開発作業での課題(イシュー)を適正に管理できる機能である「イシュー・トラッキングシステム」が搭載されています。この機能により、作業中に発生したバグなどのイシューを作成することで、各担当者や履歴、状況などの項目を確認しながらの作業管理が可能です。

4.CI/CD

開発者が作成した新規コードを、共有リポジトリに常時統合する「CI」という継続的インテグレーションが搭載されているのも特徴です。この機能により、ビルドやテストが自動化され、開発の初期段階でバグを発見して対処するという効率的なシステムが確立されます。

また、ビルドやテストが完了したプログラムを自動的にリリースしてデプロイする継続的デリバリーである「CD」機能も搭載されています。同機能によって、プログラムの自動更新化が実現し、リリースにかかる時間が短縮されてより効率的なサイクルが実現可能です。

5.タスクの自動化

アプリケーション開発時の工程で必要となるすべての項目のタスクを自動化する仕組みがあります。CIやCD機能と連携して作業を進めていくオープンソース方式のため、実行した結果についてもツールの画面上から確認できる利便性です。

6.外部サービスとの連携

外部サービスとの連携が可能な点も、『GitLab』の大きな特徴です。タスク管理ツールなどとの連携がスムーズにできることで、外部サービスからの必要な情報のスピーディーな共有が実現します。

『GitLab』を使うメリット

現在、全世界で実に数十万の企業や団体が『GitLab』を活用しており、『GitLab』の導入によって、多くの組織が大きなメリットを得ています。ここでは、組織が『GitLab』を使うことのメリットの代表例を2点紹介しましょ

品質向上

業種や業態に関わらず、企業・団体などの組織での重要課題は「品質(サービス)の向上」です。これまで、アプリケーション開発の工程で、メンバーが手作業で行っていた業務が『GitLab』によってかなりの部分を自動化されます。

各工程の自動化は、リリーススピードのアップに直結するだけでなく、アナログ業務では必然的に発生していた人為的ミスの未然防止が可能です。そして、工程の自動化によって結果的に品質やサービスの向上が達成されます。

コンテンツの共有

これまで、アプリケーション開発の工程は、作業を担当するエンジニア以外のメンバーによる確認が不可能でした。『GitLab』では、誰もが工程の進捗状況をブラウザの画面上で視認できるという利便性があります。

コンテンツの共用ができる『GitLab』なら、他のサービスに依存せずに、どの開発工程からでもアプリケーション開発をスタート可能です。

初心者でもわかる『GitLab』の使い方

『GitLab』が短期間で普及拡大した要因に、機能性もさることながら「特別な技能を有するエンジニアでなく、未経験者でも使いやすい」という操作性の簡単さが挙げられます。ツールを取り扱うのが初めてという人であっても、視覚的に理解しやすい仕様となっている点は、『GitLab』が多くのユーザーに支持されたポイントと言えるでしょう。

そこで今回は初心者に向け『GitLab』の各機能の使い方について、以下に解説します。

プロジェクトを作成する

『GitLab』でアプリケーション開発を実行する際の最初のステップは、リポジトリと呼ばれるプロジェクトの新規作成です。ツールに搭載されたテンプレートを用いての作成も可能であり、他のリポジトリのインポートによる作成もできて便利です。

マージリクエストを作成する

アプリケーション開発に関わるメンバー同士のコミュニケーションを図り、情報を共有するために必要な「マージリクエスト」を作成します。マージリクエストは『GitLab』を運用する際の基礎構造となる機能で、作業した項目を他のメンバーに承認してもらうために活用できて便利です。

「マージ」とは「反映する」という意味の英語のため、マージリクエストとは作業したデータの「反映をリクエスト(要求)する」という意味を持つ情報工学用語でもあります。

ブランチを作成する

「ブランチ」の作成も重要です。ブランチとは、メンバーが作業したオリジナルデータのコピーを示す呼称です。ブランチを作成しておくことで、手違いでオリジナルが改変されることを防げます。

ブランチは、個人用のワークスペースとしても利用できて作業に便利です。なお、ブランチの作成作業を、IT用語で「ブランチを切る」と表現するのが一般的な用語の使い方です。

コミットする

分散型バージョン管理システムである『GitLab』では、作業メンバーのPCにインストールされたローカルリポジトリに、変更したデータを常時保存していく必要があります。この保存作業がコミットと呼称され、『GitLab』の運用には不可欠な機能です。

『GitLab』のような分散型バージョン管理システムにおけるコミットとは、使用者のPCに作成したローカルリポジトリに変更内容のデータの保存作業を指します。

クローンする

「クローン」という言葉は日常用語にもなっていますが、アプリケーション開発時の業界用語で「クローンする」と言うと、共有のリモートレポジトリのデータをコピーする作業を意味しています。担当者が作業したデータをクローンし各PC内にローカルリポジトリを作成することです。

プッシュ&プル

「プッシュ」は英語で「押す」意味ですが、『GitLab』を使う場合のIT用語では、作業したデータを他のメンバーに知らせてメンバーが確認できるようにすることを「プッシュする」と呼称します。すなわち、ローカルリポジトリの更新したデータ内容をプッシュすることで、他のメンバーがデータの更新内容を確認し共有できるコマンドをプッシュと言います。

そして、プッシュの反対に、他のメンバーのリポジトリデータを自分のローカルリポジトリに統合させる作業が「プル」です。『GitLab』では、リモート側での変更データをローカル側に反映させることを「プルする」と呼称されています。

ステージングする

『GitLab』における「ステージング」とは、アプリケーション開発の作業をする際に自分がコミットするべきファイルを指し示すことです。ステージングによって、修正途中やコミットしたくないファイルのコミット防止が可能です。

まとめ:『GitLab』を活用して効率的な運用を行おう!

初心者にとっては、自社のアプリケーション開発を業者に頼らず社内のメンバーで実行するのは不可能と思い込んでいる方も多いことでしょう。しかし、現代はITツールが飛躍的に進化しています。まったく新しい機能を搭載し、誰もが使いやすく開発されたツールを用いることで、現代は自社開発が可能な時代となってきています。

利便性が高く、世界ですでに数十万規模の数の企業・団体で使用されている『GitLab』こそ、代表的なツールのひとつと言ってもよいでしょう。本記事では、アプリケーション開発用のツールとして内外で高い評価を獲得している『GitLab』について、特徴や機能の内容そして使い方などを詳しく解説しています。

本記事を参考に、『GitLab』を活用して効率的な運用につなげましょう。

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